出版経験者直伝!ラノベが出版されるまでの全工程と、その期間【実例で分かる18工程】


小説投稿サイトで書籍化の打診を受けたり、新人賞に応募していた作品が受賞したりした後、作家は出版に向けてさまざまな作業を行います。一体どんなことをするのか、特にラノベ作家を志している方や実際に出版が決まったばかりの方は気になるところではないでしょうか。
そこで今回は、実際にライトノベルの出版経験がある私・ぼんちびから、ラノベが出版されるまでの流れについて解説していきたいと思います。デビュー作を例に、具体的な数字を交えつつ作家が行う各作業について細かく説明しますので、ぜひ参考にしてください。
①書籍化打診 or 受賞連絡
スタートは担当編集の連絡から。小説投稿サイトに掲載していた作品に書籍化の打診があった場合は、サイトの運営経由でメールが。コンテストや新人賞に応募していた作品が受賞した場合は、担当編集から直接メールor電話で連絡があります。
私は前者の小説投稿サイトで書籍化打診を受けてデビューした口。デビュー作は『小説家になろう』のカテゴリー別ランキングで、日間・週間を経て、月間でも一位になってから少し経ったくらいに連絡がありました。ちなみに当時のポイントは2万前後だったと思います。
②担当編集との打ち合わせ
その後はスケジュールを調整して、担当編集と顔合わせ兼打ち合わせ。編集さんが近くまで会いに来てくれることもあるそうですが、私の場合は対面ではなく、Google meetsを使用してのリモート打ち合わせでした。別の作品・別の編集さんでも、最初の連絡で「テレビ電話などでお話をさせてください」とあったので、今ではリモートが前提となっているのかもしれません。
打ち合わせでは、お互いに挨拶&自己紹介をした後、「ここをこうしてほしい」「この部分をもっと深掘りしてほしい」など色々と要望が寄せられます。編集さんはプロなので基本的には応じたほうがいいかと思いますが、必ずしも受け入れる必要はありません。譲れない部分がある場合は、「こういう意図があるのでそれは難しい」と素直に理由を伝えて交渉しましょう。
③原稿の加筆・修正
打ち合わせを終えたら、編集さんからの要望に応じて原稿に加筆・修正を行います。これを「改稿」といいます。どれだけ改稿するかは人によって異なり、ほとんど修正しないケースがあれば、全面的に書き直すケースも。
私は、デビュー作はいくつかエピソードを追加しただけですが、その一方で全面改稿でほとんど書き下ろしている作品もあります。
④イラストレーター選び
改稿作業に励んでいると、編集さんからイラストレーターの候補として、複数の方の名前を挙げてもらいました。その中から、pixivやXなどでこれまでに手掛けられたイラストを拝見し、どの方にお願いするか選びます。
なお、これはあくまで私の場合。私はすべての作品で複数人の中から選ばせてもらう形でしたが、最初の打ち合わせで誰にお願いしたいか希望を聞いてくれる場合もあれば、編集のほうで選ぶということもあるようです。
⑤初稿提出
改稿が済んだ原稿を「初稿」といいます。私は打ち合わせから一か月半ほどかけて改稿を行い、この初稿を提出しました。後は担当編集に確認してもらって返事を待つだけなのですが、編集さんはかなり多忙なようで、その返事が来るまでは時間がかかると覚悟しておいたほうがいいです。
実際、私は返信が来るまでデビュー作で二か月弱、他の作品では半年かかったこともありました。中々返信が来ないことで「本当に出版されるのか?」と不安に思っていましたが、何だかんだですべてちゃんと出版されているので、同じように不安を感じている方も安心していただければと。
なお、作家と編集は対等な立場なので、しばらく連絡をもらえていないのであれば、メールなどで「どうなってますか?」と進捗を尋ねても全然OKです。ただし、高圧的にならないように。