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虚実入り乱れたパロディー辞典 筒井康隆『乱調文学大辞典』 世にも奇書な物語 Vol.5

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コラム
世にも奇書な物語
奇書 01
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『乱調文学大辞典』

筒井康隆
(講談社文庫)

パロディーだが事実もある


文学辞典のパロディー。自序には、
「真面目な人、ふざけたことが嫌いな人、笑わされると怒る人(中略)、そういう人たちには無縁のものである」
と注意書きされている。

立項された最初の言葉は「愛書家」で、その語釈は、
「本を愛している人。こういう人に愛された本はいい迷惑で、たいていボロボロになる。汚いものがべったり付着しているため、古本屋へ持っていっても二束三文である。フェティシズム(節片淫乱症)の一種」

途中でネタが尽きたのか、
「ドーデー 何が?」
というおふざけがあって笑える。

中でも最高傑作は「悲喜劇」の語釈で、
「きんたまが浴槽の吸込口に入って抜けなくなること」
チャップリンではないが、この状態は本人には悲劇でも、ロングショットで見れば喜劇だ。

巻末には「あなたも流行作家になれる」という付録があり、「原稿の書きかた」「小説の書きかた」「原稿の売り込み方」は、基本的にはパロディーだが、事実も含まれるという本書の趣旨がよく表れている。パロディーながら、意外と勉強になる。

 

 

奇書 02

coming soon!

 

 

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