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【書けなくなる原因は“頑張りすぎ”】落選=無意味ではない! 創作でバーンアウトしない考え方を習得するには

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楽しかったはずなのに頑張りすぎてキャパオーバー

書けなくて苦しい。そうなる原因にキャパオーバーがある。そこでここでは、あなたが頑張りすぎてしまう理由と対処法を解説する。

キャパを超えると自分が苦しくなる

ある程度の地力があり、入選経験が何度もあるような人でも、自分のキャパシティーを超えて頑張ってしまうと、創作自体が苦しくなってしまう。

月に標語や川柳を20件、エッセイを2、3編書くのがちょうどよく、推敲にも十分な時間がかけられるという人が、標語や川柳を60件、エッセイを10編書き続けたら、そのうちへばってしまう。

そうなってしまうのは、やはり裏側に欲がある。賞金を得たい欲、承認欲求、自己表現欲、期待にこたえたい欲などなど。

欲は頑張りを支えるものでもあるが、あまりにもキャパを超えるようなら欲をそぎ落とし、セーブする。そのほうが創作を楽しめる。

キャパオーバーになる原因

欲につられる
あれもこれもと欲張ってしまうのが原因。応募しないと損をした気になり、発表を待つ期待感もなくなるが、限度を超えた無理は禁物。

中断したくない
「第1回から毎年応募している」「連続応募の記録更新中」のような場合は応募をあきらめられない。優先順位をつけるようにしよう。

キャパオーバーの弊害

やはり、インプット不足に陥ること。限られた時間の中で、創作して応募することだけに時間をとられてしまうので、どうしてもネタ切れ、ワンパターンになって、入選することも少なくなり、喜びにひたる機会も激減する。日々、余裕をもって創作するか、雨期と乾期のように、集中して応募する時期とゆっくり休む時期を設けるといい。

すべてに頑張らず、応募を絞るのも手

ときめく公募だけにする
応募要項を見た瞬間、「これ、応募したい」とときめく公募がある。と言うと賞金を想像しがちだが、実際にはテーマであることが多い。「これを書きたかった」というものはやはりはずせない。

得意なものだけにする
長く創作を続ける中、「これなら挑戦できる」と範囲を広げてきたと思うが、何かをあきらめなければならないなら、自分がもっとも実力を発揮できるものだけにするという区別の仕方もある。

時間がかからないものだけにする
なんらかの理由で創作する時間が限られてしまったような場合は、大物は避け、短詩型、コピー、手紙など、短時間で終われるものにする。または逆に大物一本に絞り、それ以外は手をつけない。

価値観を一つしか持っていない人はいったん切れるとバーンアウトする

創作の価値は入選することだけではないと考えよう!

落選= 無意味と思わないこと

甲子園を目指していた高校球児が、引退した途端、うつになったり、仕事人間が退職してバーンアウトしてしまったりする。これらの原因は、価値観を一つしか持っていなかったこと。甲子園大会に出場することや仕事で実績を出すことには価値があるが、それしかないと思うと、そうでない状況になったときに「無意味」ということになる。

創作も同じで、「入選しなければやる意味がない」「いいものが書けなければただの時間のムダ」と考えてしまうと、うまく書けなかったり、落選してしまったりしたときに立ち直れない。

東京オリンピックの陸上競技男子800メートルでは二人の選手が交錯して転倒したが、二人は互いに声をかけ合いながら肩をならべてゴールした。メダルを獲ることだけに価値があると思っていたら、こうはならない。

創作の場合も、うまく書けなかったが次への経験になった、考えるいい時間を過ごせた、頭の体操になった、作品のストックができた、挑戦する気持ちになれたなど、さまざまな価値がある。それをどれだけ見出せることができるかで、創作生活は変わってくる。

いつしか入選しないことに落ち込んでいる私がいる

公募ガイドONLINEで、「気ままに公募ママ」を連載中の塩田友美子さん。結果を出そうと頑張りすぎ、やめたくなったこともあったという。創作者の本音を聞いた。

生活のリズムを崩すと続かない

——頑張りすぎて公募をやめたくなったことはありますか。

自分のペースを知らなくてやりすぎてしまっていたこともあったのですが、ふっとやめたくなったことがあります。それまでは1日1時間だけのように時間を決めてやっていたのですが、そのときは深夜までやってしまって。

それで、まず自分の生活自体を見直したほうがいいなと思って。そうしないと続かないんですよね。生活のリズムを崩さずにやることを目標にしたらいいと思うんです。

——公募歴を重ねるほどにレベルが上がって、そのことが自分を苦しめたりしますね。

ありますね。最初は入選すればラッキーと思っていたのに、いつのまにか入選しないことに落ち込んでいる私がいるみたいな。心構えが変わったのか、失敗してもいいやと思っていたのに、こんなに続けてきたのに入選しないのかと思う。長く続けるほどダメージがあるということですね。

——レベルが上がるのはいいことですが、公募慣れするという弊害もありますね。

最初の頃って、なんにもわからないから、意外と斬新な作品が生まれたりするんですね。なんにもとらわれてなくて、人の作品も読んでいない人がポンッと出すと、なんか面白いものができちゃったということがある。だから、ビギナーズラックがあるのかなと。慣れてくると、こういうふうに作ればいいのかなという定型みたいなものが頭の中にできてしまって、似たようなものばかりできてしまって、それでマンネリになるのかなと思います。

頑張っている人を見るとやる気に!

——過去に実践したマンネリ対策は何かありますか。

ペンネームを変えてみました。今までの自分から変わりたいという気持ちの表れというか、気持ちが一新され、新しい作風に挑戦できる気持ちがしました。

——プロなら仕事だから嫌でも対策を講じるのだと思いますが、アマチュアだと流されることも。

応募する人もそれぞれ仕事があり、忙しい人と思うんですね。何かきっかけがあればいいですが、わざわざ時間を割いてまで公募の対策をするのって労力がいると思うんですね。

——そのまま気持ちが公募から離れてしまう人もいますね。

いつも思うんですが、私は今までずっと音楽をやってきたんですね。小さい頃からずっとピアノをやっていて、一時期、何年かやめていたときがあったんですけど、絶対やめないという気持ちがあったんです。いつかまた始めると思っていたし、実際、今もまたやり始めているんですが、公募もそんなふうに思えればいいジャンルなのになと。生涯続けていく学習というふうにとらえられると、1年くらい離れていたけど、また応募してみようかなと思える。一回うまくいかなかったからやめちゃうジャンルにするのはもったいない面白い世界だと思います。

——長く続けるために休む、嫌になるくらいなら応募を絞るという選択肢もありますよね。

本命だけ応募できればいいやと思うとか、大きい賞だけ出すとか、得意なテーマだけ出すとか、山をかけるじゃないけど、得意な球だけ打つというふうにすれば、自分のペースが作れると思います。

——ペースを保ちながら、モチベーションも上げたいです。

頑張っている人を見ると、モチベーションが上がります。結果がでないと、「こんなに頑張っているのに」と思いますが、みんな頑張っているんだと思うんですよ。仕事じゃないのに毎日走っている人とか、そういう人を見ると、なんて頑張っているんだと思ったり。それは実際に見ないとわからない。私は単純だから、視覚で吸収して、私も頑張ろうって思って元気をもらっています。

塩田友美子
東京都在住・主婦。公募ガイドの特集で実施された第1回「賞金獲得レース」で、ぶっちぎりに第1位を飾る。

※本記事は2021年10月号に掲載した記事を再掲載したものです。