【脚本家・森野マッシュが語る】第5回 相棒とゆく作家道


作家が創作環境で使っているものってどんなものだろう?
創作のお供である相棒=愛用品について、実際に使っているものをご紹介いただきながら語ってもらいます。
今回の作家:
脚本家 森野マッシュ

脚本家。2022年に『ケの日のケケケ』が第47回創作テレビドラマ大賞にて大賞を受賞。読売テレビ「親友の「同棲して」に「うん」て言うまで」、MBS「君となら恋をしてみても」、NHK「VRおじさんの初恋」などの脚本を務める。さらに、映画『この夏の星を見る』で映画デビューを果たす。
ノートを使い切れない人から、同じノートをずーっと使い続ける人になった
相棒:無印良品のダブルリングノート・無地(B5)
小さい頃から、ノートを使い切るのが苦手だった。最初は綺麗に使えるけど、だんだん気が抜けてくると文字が暴れ出して、線や枠からはみ出しちゃう。そうなるともう嫌になって、新学期だからとかなんとか、適当に理由をつけて新しいのを買ってもらっていた(両親に感謝)。せっかく新卒で入った会社を1年足らずで退職する頃には、なるほどね、アタクシはこうやって、何事も中途半端に投げ出して生きていくのね、と覚悟を決めていた。
そんなある日、ふらっと寄った無印良品で、このノートに出会った。シックで重厚感すら感じる厚手の黒い表紙、線も枠もないまっさらな無地の紙、裏表紙に貼ってあるシールには、製造年月日まで印刷されている。かっこいい! と一目惚れして、レジに直行した。

見た目だけじゃなく、使い勝手まで最高だったのは嬉しい驚き。無地だから線からはみ出すっていう概念そのものがないし、縦でも横でもストレスなく使えるリングタイプなのもありがたい。飽きることなくあっという間に使い切り、当たり前に2冊目を買い足した。最初は脚本のアイデアとか授業のメモとかを書き込んでいたのに、だんだん何でもアリになっていって、贅沢するぞと決めた日の晩ご飯の献立計画とか、サインを練習した跡とかが残っていたりする。脚本を書くときに役立つのは案外こういう、全然残そうと思わないようなありふれた日常の感覚だったりするから不思議だ。



こうして私は、ノートを使い切れない人から、同じノートをずーっと使い続ける人になった。そのきっかけは、とびっきりのお気に入りを見つけたこと。考えてみれば、仕事だって同じだ。前職は1年も持たなかったのに、脚本家は3年以上続いている。自分のスタイルに合ったものに出会えれば、人生は楽しく、楽になるものなのかもしれないな。これから先も末永く、相棒であるこのノートと一緒に、わくわくする物語を描く旅を続けていけますように。

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映画の脚本デビューを果たした『この夏の星を見る』。
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