王族が逃れてきた伝説の地「第5回西の正倉院みさと文学賞」
秘められた古代史の謎……歴史や伝説に興味のある人にイチオシの公募が今年もやってきました!
宮崎県美郷町が主催する「第5回西の正倉院みさと文学賞」では、美郷町に伝わる「西の正倉院」「百済王伝説」にちなんだ小説を募集しています。締切は2022年11月30日。大賞受賞者には50万円が贈られます。
百済の王族が隠れていた⁉︎
時は8世紀半ば。朝鮮半島で栄華を誇っていた百済の国で、大きな争乱が起こりました。当時の王と、その父である先代の王は、難を逃れて日本に渡ってきたそうです。その後、定住の地の一つとなったのが宮崎県美郷町。町内にある神門神社は、今でも百済王を祀っています。
美郷町には王族の遺品が複数残されています。その一つである銅鏡「唐花六花鏡(とうかろっかきょう)」は、奈良の正倉院にあるものと同一の品。こうした縁から、奈良の正倉院を完全に再現して建てられたものが、同町にある「西の正倉院」です。
宮内庁が保管する正倉院原図は、本来は門外不出のもの。西の正倉院は特別な許可を受け、その正倉院原図を元に忠実に再建されました。樹齢400〜500年の木曾天然ひのきを使用し、釘や金具、瓦や柱などの部材や瓦の葺き方まで同じように建てています。そんな西の正倉院では、奈良の正倉院では見られない建物内部まで見学が可能です。
なんとロマンにあふれた話でしょう。遠くにお住まいの方も、ぜひ旅行で訪ねてみてください。百済王が身を隠していたことを裏付ける国宝級の貴重な宝物を見たり、美しい自然と歴史に触れたり、充実の時間を過ごせるはずです。
歴史好きにはたまらないこのテーマで、ぜひ小説を書いてみませんか?
審査員は小説家・中村航氏!賞金もビッグ!
地方文学賞の場合、地域の有識者などが審査にあたるケースが多くみられます。一方、「西の正倉院みさと文学賞」では小説家の中村航氏が審査員長を務めます。『100回泣くこと』『トリガール!』など、映画化された作品も多いベストセラー作家に作品を読んでもらうチャンス!
また、民俗学者や地域創生プロデューサーも審査に加わり、応募作品は多角的に読み解かれます。
賞金総額はなんと100万円。文芸誌の新人賞のような高額賞金には胸が高鳴りますね。大賞受賞者に50万円が贈られるほか、複数の賞が予定されているようです。前回は、日本放送作家協会賞、MRT宮崎放送賞、審査員特別賞が各1編、佳作として5編が選出されています。
受賞作のラジオドラマを聞こう
作品のジャンルは、純文学、エンターテイメントなど不問です。たとえば、前回の日本放送作家協会賞の受賞作のタイトルは「第百四回みさと文学賞受賞者」。いったいどんなジャンルの物語なのか気になります。自分の得意とする領域で、歴史や伝説、神話の要素を含ませましょう。
過去のMRT宮崎放送賞受賞作は、ラジオドラマ化され、YouTubeで視聴できるものもあります。
MRTラジオドラマ「西の正倉院 みさと文学賞特別番組~子らは炎に導かれ~」
受賞作品はまとめて書籍化される予定です。百済王の歴史ロマンを掘り下げ、令和の時代に輝く小説を応募しましょう!
芦田みどり
公募情報ライター。最近は各地を盛り上げるご当地公募から目が離せない。好物はネギトロ。公募ガイド公式Instagramでも執筆中。
出典:https://mrt.jp/misatobungaku/
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