インターネットを安全に使うには?「第18回『ひろげよう情報モラル・セキュリティコンクール』」
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する「第18回『ひろげよう情報モラル・セキュリティコンクール』」では、小学生、中学生、高校生、高専生を対象に「情報モラルおよび情報セキュリティ」をテーマにした作品を募集しています。部門は「標語部門」「ポスター部門」「4コマ漫画部門」「書写(硬筆)部門」「活動事例部門」の4部門。締切は9月16日。受賞作品はさまざまな場所で展示され、IPAが発行する印刷物で紹介されます。
自分の身は自分で守る
生まれた時から当たり前にスマートフォンやパソコンが身近にある、Z世代やα世代の子どもたちにとって、インターネットを使うことは「日常」で「自然」なことです。もちろん、手軽にインターネットを利用できる環境は大切です。情報を得ることは調べ学習にも役立ち、様々な可能性を広げていくことにつながります。
しかし、インターネットの脅威は子どもだからといって手加減してはくれません。マルウェア、ウイルス、フィッシング詐欺などのセキュリティ面はもちろん、歩きスマホやSNSでの誹謗中傷などモラル面でも、危険は多くひそんでいます。警視庁の2020年の調査では、SNSに起因する児童犯罪被害件数は1811件にのぼります。これは、1日に5人以上が被害にあっているということです。
(出典:令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/R2.pdf)
では、どうすればインターネットの脅威から身を守ることができるのでしょうか。本公募の担当の方からメッセージをいただきました。
「インターネットを使用する際は、パスワードの使い回しをしない、ソフトウェアの更新をする、といった基本の対策に関する知識をつけ、実践するようにしましょう。また、身も心も落ち着いた状態で使うことも大切です。歩きスマホをしていて事故に遭う。SNSに書き込まれたコメントを見て過剰に反応し、相手を深く傷つける書き込みをする。このような悲しいできごとを起こさないよう冷静に判断して欲しいです」
インターネットを使う上で、非常に大切な心構えについてのお話ですね。
ぜひ、作品のテーマづくりや、メッセージ性を考える際の参考にしてみてください。
制作過程で、自ら学ぶ
本公募の目的として、作品を応募するということよりも、制作を通じてインターネットやスマートフォンの使い方を振り返り、情報モラル・セキュリティについて考えてほしいという思いがあるそうです。作っている最中に「この作品で、どのような危険性を伝えたいのか」「もし自分がこのポスターを見たら、どのように感じるだろう」という客観的な視点を持つことで、インターネットに対する理解を深めるきっかけになるかもしれません。
では、実際にどんな点に着目して作品を作ればよいのでしょうか。
昨年の受賞作品から考えてみましょう。
前回ポスター部門最優秀賞
前田綾音さん
「誰にでも伝わるポスター」を意識して制作したそうです。ピクトグラムというシンボル性のある絵と、黄色と黒で簡潔に表現したことで、歩きスマホの危険性がすぐに視認できる作品ですね。自分が歩いているときに、このポスターを目にしたら、気を付けようという気持ちになります。
前回4コマ漫画部門最優秀賞
高橋音羽さん
読むと、「人の振り見て我が振り直せ」ということわざが思い浮かぶ作品ですね。あなたも位置情報の取得を簡単に許可していませんか? 普段あまり深く考えずにやってしまっていることが、実は重大な犯罪につながるかもというメッセージ性を感じることができます。
「ぼくだけの ひみつができたよ パスワード」
前回標語部門最優秀賞
松田貫義さん
小学1年生らしい、みずみずしい標語です。自分でパスワードを設定したときの状況が目に浮かぶようですね。使い回しがちなパスワードですが、この作品のように1つ1つ大切に作る気持ちを忘れないことが大切なのかもしれません。
どの作品も、当たり前に気を付けるべきだけど、忘れてしまいがちなことに目を向けて作られています。インターネットは、非常に便利ですが時に牙をむくこともあります。自ら積極的に学ぶことで危険性に気づき、作品にすることで、その発見をたくさんの人に知らせましょう!
武井麻美
お酒を飲みながら映画や本をのんびり楽しむのが至福のひと時。
美術館に行くとついついポストカードを買ってしまいます。
出典:https://www.ipa.go.jp/security/event/hyogo/
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