発明&デザインが知的財産になる!「令和4年度パテントコンテスト/デザインパテントコンテスト」
文部科学省をはじめとする4団体が主催する「令和4年度パテントコンテスト/デザインパテントコンテスト」では、発明やデザイン(意匠)を募集しています。対象は高校生、高等専門学校生、大学生、専修学校生、大学校生です。締切は2022年9月30日。優秀賞に選ばれた作品は特許庁への出願を支援。あなたの発明やアイデアで未来を切り拓こう!
応募の相談も可能!
発明やアイデアなどの価値や権利を保証する知的財産権。その中には著作権や実用新案権、商標権などの種類があります。「あの作品の著作権が切れた」、「〇〇が商標権を取得した」といった内容をニュースで耳にしますね。
そんな知的財産権のうち、こちらのコンテストで対象となるのは「特許権」と「意匠権」です。今回募集する発明は特許権に、デザインは意匠権にあたります。優秀賞に選ばれた作品は特許庁への出願を支援。実際に権利取得までの手続を体験することができます!
出願というと難しそうに感じますが、簡単に応募が可能。主催者HPからダウンロードした必要書類などに記入し、郵送するだけです。応募前に、作品について相談することもできるので、はじめて挑戦する方はぜひ利用してみてください。相談先は主催者HPのQ&Aに詳しく掲載されています。
SDGsやコロナ禍を意識した作品が受賞!
前回は、発明に738件、デザインに766件の応募があり、それぞれ30件が優秀賞に選ばれました。どのような作品が選ばれたのか、一部をご紹介します。
「無重力空間においても使用可能なハンガー」(発明)
折りたたまれているバーを服のサイズに合わせて縦方向に伸縮させ、裾をクリップで挟む仕組みのハンガー。地上のハンガーと同じように無重力空間でも掛けた衣類が固定されます。
「牛乳パック切断装置」(発明)
学校で行われている牛乳パックのリサイクル推進活動に着目し、通常は手で裂いている牛乳パックを「誰でも、簡単、汚れず、安全」に行えるように工夫した装置。牛乳パックを装置にセットしてハンドルを下げると、展開された平らな状態にカットされます。
「ティースプーン」(デザイン)
このティースプーンは、溝にティーバッグのひもを通すと、ティーバッグが絞られて、水滴が垂れてこなくなる機能があります。ティーバッグのひもを通す溝は、左右に緩やかにカーブさせており、視覚的なデザインにもこだわりを感じます。
「計量スプーン」(デザイン)
すり切りと計量を一体化できるように設計された計量スプーン。見栄えが良く、簡単に操作ができ、的確に作動するように考案されました。持ち手の曲線の部分を押すとスライドして、すり切りが行えます。
「白い孔雀」(デザイン)
孔雀型の飛沫防止用パーティション。パーティションの機能を備えながらも、人と人とを優しくつなぐような、華やかさや美しさのある形にデザインされています。
どの作品も誰でも便利に使うことができるように考えられていますね。最近の応募作品の傾向を主催者の方に伺ったところ、「ユニバーサルやリサイクルといったSDGsを意識したり、コロナ禍を経験して感染症とどう共存するかと思考したり、これまでになかった発想から物作りやデザインについて考えた作品が生まれているようです」とのこと。身の回りで起きている小さな問題に目を向けたり、社会の問題について考えてみたりすると、新たな発想やデザインが浮かんでくるかもしれません。
主催者HPには、今回ご紹介した作品を含む過去の受賞作品が掲載されています。応募の参考にぜひご覧ください。
香山衣美
ライター。公募の入選回数は400回以上。得意分野は川柳や短いエッセイだが、最近はアートや料理公募でも入選している。「公募ライター香山が挑戦!」企画も連載中。
出典:https://www.inpit.go.jp/patecon/index.html
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