「小説の取扱説明書」~その37 プロットの書き方~
公募ガイドのキャラクター・ヨルモが小説の書き方やコツをアドバイスします。ショートショートから長編小説まで、小説の執筆に必要な情報が満載の連載企画です。
第37回のテーマは、「プロットの書き方」です。
慣れない人はプロットを作ろう
名作の冒頭部分のような文章が浮かび、なかなかいい雰囲気だと続きを書くが、そのうち、ストーリーが行き詰まり、壁にぶち当たって放り出す。初心者が全くのノープランで書き出すと、だいたいこんなふうになりますね。
行き当たりばったりでうまく書ければそれが一番いいのですが、それではうまく書けない人は、書く前に全体を設計しましょう。
小説を設計する。つまり、プロット(またはあらすじ)を作るということです。
プロットを作るときの留意点
プロットを作ること自体はいいことですが、注意点が二つあります。
一つは、プロットは頭でまとめたものであって、筋は通っているかもしれませんが、それがその作品固有のあるべき形かどうかはわからないということ。
実際、書き出してみると、全然違ったストーリーになってしまったりします。プロットはあくまでもたたき台だと考えましょう。プロットに固執すると、あまりいい作品にはなりません。
もう一つは、詳しく書き過ぎないこと。具体的なシーンが思い浮かぶと、忘れないようにとつい細かくプロットに落としたくなりますが、あまりにも細かく書き過ぎてしまうと、執筆の段になって考える隙間がなくなってしまいます。微に入り細をうがつように書かれているので、プロットのまま書き写しているような気になってしまうのです。先を考えながら文章を書くのは楽しいですが、ただ写していくのは苦痛です。
すでにあるストーリーを小説にしていくだけの行為には、「この主人公、これからどうなるのだろう」というわくわく感はなく、書くことが単純作業的になり、面白くもなんともなくなるのですね。
プロットには「点」を書けばよく、点と点を結ぶ線は書く段になってから考える。思いついたとしても、あまり詳しくは書き留めないようにしましょう。それで忘れてしまうようなシーンは、書く必要のないシーンだったのです。
(ヨルモ)
教えてヨルモ!
ヨルモって何者?
公募ガイドのキャラクターの黒ヤギくん。公募に応募していることを内緒にしている隠れ公募ファン。幼馴染に白ヤギのヒルモくんがいます。「小説の取扱書」を執筆しているのは、ヨルモのお父さんの先代ヨルモ。