作家インタビューWEB版 松尾諭さん
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公募ガイド7月号の特集では、
俳優の松尾諭さんにご登場いただきました。
誌面に入りきらなかったインタビューをご紹介します。
松尾諭(俳優) まつお・さとる
1975年兵庫県生まれ。俳優。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」「わろてんか」「エール」に出演のほか、「ノーサイド・ゲーム」などドラマ、映画、舞台で縦横無尽に活躍中。
『拾われた男』は、毎回、「……というのはまた別のお話で。」と、続きが読みたくなるような絶妙な終わり方をしていますが、あの書き方はどのようにして思いつかれたのですか。
松尾先生
昔、堺正章さんがテレビドラマで『西遊記』をやっていたじゃないですか。この『西遊記』では、毎回の放送の最後に「このあと、三蔵法師一行はどこどこに向かいますが、そのお話はまた次回の講釈で。」と講談風のナレーションが入ります。これがどこか頭にあったのだと思います。1話1話、独立している話ですが、どこかでつながっているというようにしたかったんです。
終わり方は講談風ですが、書き出しは落語の枕のようになっていますね。
松尾先生
子どものときの話も書きたいけど、今の話も書きたい。しかし、話の途中で、「実は十年前……」と挿入し、時系列を崩すとややこしくなる。それならポンと、落語の枕のように分けてしまおうと思ったんです。
子どもの頃はタクシーの運転手になりたかったそうですが、人とかかわるのが苦手だったのでしょうか。
松尾先生
いや、得意でしたし、好きでした。タクシーの運転手はいろんな人と出会えるし、仕事ものんびりしているように見えたんだと思います。運転席と助手席はもう自分だけの空間という感じで、偉そうで、金稼げそうで、自由でいいなと思ったのです。
役者の魅力はどのあたりにありますか。
松尾先生
一つの作品に携われるということですね。また、いろんな人と出会えることです。監督、共演者をはじめ、スタッフとも出会えますし、自分が演じる役とも出会える。人が演じた役を演じれば、前に演じた役者さんとも出会えますし、役とも出会えます。
NHKの朝の連続小説は常連に近いですね。
松尾先生
常連ということはないですが、たまたま「ひよっこ」と「わろてんか」で2連チャンになって、今回、「エール」にも出演しています。朝ドラ、大河では2連チャンというのはあまりないそうで、そうまでしてぼくを使いたい理由がわかりませんが、使い勝手がよかったのかもしれませんね。
公募ガイド7月号では、俳優の松尾諭さんにインタビューしています。
公募ガイド2020年7月号
特集「その思いを文章にしよう!お手軽文芸公募 必勝ガイド」
2020年6月9日発売/定価680円