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作家インタビューWEB版 原田マハさん

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撮影:賀地マコト

公募ガイド1月号の特集「“書く力”の秘薬、スローリーディング」では、小説家の原田マハさんにご登場いただきました。
誌面に入りきらなかったインタビューをご紹介します。

原田マハ(小説家)はらだ・まは

1962年東京生まれ。2005年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞。アート小説を多数執筆。

2005年に『日本ラブストーリー大賞』を受賞してデビューされますが、受賞作の『カフーを待ちわびて』を書いたきっかけはなんでしょうか。

原田先生

仕事で沖縄の伊是名島に行き、浜辺でラブラドール犬と遊ぶ男性に、「なんて名前のワンちゃんですか」と聞いたところ、「カフーっていうんです」。「どう言う意味ですか」と聞くと、「沖縄の言葉で、『幸せ』という意味です」。その瞬間、何かが、どーんと下りてきて、帰りのレンタカーの中で、すっかり小説のプロットができあがっていました。

小説を書く前に、プロットは作りますか。

原田先生

作るときと作らないときがあります。連載を始めるときは作りますが、だいたいプロットどおりにはいきませんね。でも、新刊の『風神雷神』で言えば、「俵屋宗達が、天正遣欧少年使節団と一緒にローマに行って、カラヴァッジョと会う」というフレームは変わりません。

20代のとき、原田宗典さんが「すばる文学賞」(佳作)を受賞してデビューされていますが、お兄さんの影響はありましたか。

原田先生

兄が読書家だったので、子どもの頃は競い合うようにして本を読んでいました。

ご自身も小説を書こうとは思われなかったですか。

原田先生

何か書きたいという気持ちはどこかにあったのかもしれませんが、身近なところに小説家がいて、その喜びと苦しみを見ていましたので、安易な気持ちでは小説家になりたいとは思いませんでしたね。

原田マハさんはアートの専門家でした。専門性を持っている方にアドバイスをお願いします。

原田先生

専門家である時点で一歩リードしていると思いますので、それをぞんぶんに生かすといいと思います。ただ、専門分野が成しきれていないまま小説を書き始めたら、どっちも中途半端になると思います。私もアートの世界で20年やってきました。やりきるほうがいいと思います。

公募ガイド1月号

公募ガイド1月号では、原田マハさんに「時代小説を書く醍醐味や、ご自身の小説についての思い」を伺っています。

公募ガイド2020年1月号
特集「“書く力”の秘薬! スローリーディング」

2019年12月9日発売/定価680円

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