見て書く
第68回瀬戸市文芸発表会の川柳部門で入選しました。
瀬戸市の文芸発表会での入選は二回目で、大変嬉しく思います。
前回は、もう一方の川柳選者である、なかはられいこ先生に選んでいただきましたが、今回は全日本川柳協会の理事である、松代天鬼先生に選んでいただきました。
11月に行われた文芸発表会には残念ながら参加することができませんでしたが、作品集を楽しませていただいております。
この公募は「自選部門」と「選者選部門」があり、自選部門には一人一句だけ投稿が可能で、作品集に載せていただくことができるようです。
俳句、短歌、川柳、詩の4つの部門のうち、今回私は選者選部門に川柳を投稿しました。
今回入選した作品はこちら
「カーテンの揺れにも笑う恋をする」
テーマは自由でしたので、恥ずかしながら少しロマンチックな作風にしました。
たいていの文芸作品では「好き」だとか「恋」だとか、ダイレクトに書かずにほかの表現をするほうが良いと聞きましたが、あえてストレートに「恋をする」という言葉で挑戦してみました。
何をしても、何を話していてもなんだか笑えてくるという、恋が始まったばかりの無邪気さ。
本来カーテンが揺れたところで、笑うことなどないでしょう。
しかし、そんなちょっとしたことで笑う二人の関係性と、互いの間にしか流れていない空気感を表したかったのです。
風には形がなく、同じ場所にいなければ感じられないものですが、その瞬間を分かち合うことで、刹那的な部分も描けたのではないかと思います。
この公募のようにテーマが自由である時、私は目に留まったものから書き出すことがよくあります。
今回は、自宅のカーテンを眺めながらこの作品を思いつきました。
私の場合は、背伸びをしたり、美しいものを書こうとすると、どうしても作り物っぽくなってしまいます。
ですので、なるべく身近にある、なんということのないものから、発想を広げるようにしています。
絵も見て描いたほうがその物の特徴を捉えやすいように、文章も見て書いたものにはリアルな動きが出てくるのではないでしょうか。