入賞作品から学ぼう!「ポスター公募」
公募ガイドONLINEでは募集中のコンテスト情報だけでなく、結果発表についてもご紹介しています。今回取り上げるのは「ポスター公募」。入賞作品から、作品づくりのポイントを探ります! 分析をおこなうのは、以下のポスターです。
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平成30年度「瀬戸内海環境保全月間」ポスターの公募
最優秀賞受賞 桑原杏奈さん
テーマ:「こんな瀬戸内海にしたい」、「瀬戸内海から得られる恵み」など、瀬戸内海の環境に対する思いや守りたい瀬戸内海の環境をポスター図案にする。
[2]
平成30年「海の日」ポスターコンクール
大賞受賞 福田美里さん
テーマ:「海の日」を紹介するとともに「海」の大切さや海事産業の重要性を広く一般に訴えかけるようなポスター。必ず「海の日」、「7月15日」のワードを入れる。
[3]
平成30年度世界エイズデーポスターコンクール
最優秀賞
小学生の部、堀澤奈津実さん
中学生の部、細谷璃紗さん
高校生の部、小栁湧志さん
一般の部、竹原実咲さん
テーマ:HIV感染予防に取り組むことを訴える作品、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援やHIV検査の受検を呼びかける作品を募集。
【1】共通点はインパクトと分かりやすさ
みなさん、5作品を見てどのような印象を受けましたか? 瀬戸内海のポスターは鳥の目線で俯瞰する構図が大胆ですね。海の日のポスターは、色とりどりの魚たちが目を引きます。そして世界エイズデーポスターは絵とコピーが一体となりインパクトがあります。さらにそれぞれの作品を見れば、何を表すポスターなのか、テーマは何か、詳しい説明がなくても伝わりますね。やはり、ポスターの構図・デザインは、インパクトや分かりやすさが重要になるようです。
【2】気持ちを表現しよう
次は、各作品が入賞したポイントをみてみましょう。瀬戸内海のポスターは、どんな瀬戸内海であったほしいと思っているかが問題になり、芸術的なうまさよりも思いをわかりやすく表現したものが選に残るそうです。最優秀作品は、大胆な構図や瀬戸内海を象徴する渦潮が瀬戸内海への思いを力強く表現していますね。また、青少年の作品が比較的多く入選しており、最優秀賞作者の桑原杏奈さんも小学生。青少年の素朴で力強い絵がポイントかもしれません。
海の日のポスターは「海」の大切さや海事産業の重要性を広く一般に訴えかけると共に、「海の日」の意義が多くの人に伝わるようなデザインが求められます。大賞作品は美しい海に様々な魚たちや船・ダイバーが描かれ、海と海事産業が表現されていますね。さらに、魚たちで作られた海という文字が特徴的です。
世界エイズデーポスター小学生の部では「HIV検査を目立つ形で呼びかけており、『自分の体をのぞいてみよう』というメッセージもユニークで行動につながりやすい」と絵に加えコピーも受賞ポイントとなりました。中学生の部ではユニークな着想と、広い層へのアピールが期待できるかわいらしい絵が受賞ポイントに。全会一致で最優秀賞作品が決定した高校生の部では「グラフィックの強さ、メッセージの単純さ、構図のシンプルさ、見ているだけでそのパワーに圧倒されます。」と訴求力が評価されました。一般の部では「こちらを見られているようで気になる『引っかかり』があり、絵とコピーがぴしゃりと合致して声をかけられているような気分にさせられます。」と印象的な点が受賞ポイントとなりました。
ポスター公募というと、絵のうまさや技術が必要なのではと思ってしまいますよね。しかし、必ずしも画力や技術が求められるのではなく、作品への思いや着想も受賞のポイントに。絵に加えコピーも入れる場合は、コピーと絵の一体感やコピーの内容も大切になるようです。いかがでしたか? ぜひ、ポスター公募の参考にしてみてくださいね。
平成30年度「瀬戸内海環境保全月間」ポスターの公募https://www.koubo.co.jp/result/art/poster/034682.html
平成30年「海の日」ポスターコンクール
https://www.koubo.co.jp/result/art/poster/034250.html
平成30年度世界エイズデー ポスターコンクール