文章を書く7大お悩みを解決!⑧:落選理由編 なぜ入選しないかわからない


落ちたのは下手だから、またはもっとうまい人がいたから。が、自分ではうまいと思っているのに落ちる人も。その理由を探ろう。
解決策:素人は素人らしい作品を!
プロが応募したら入選するだろうか
「自分ではうまく書けていると思うのに、なぜか入選しない。なぜだろう」と言われたことがある。
普通に考えれば、「実はうまく書けていなかったのではないか」が正解かもしれないが、ここはひとつ、「うまく書けている」が本当だと仮定してみる。
では、うまいのになぜ入選しなかったのか。うまい文章と言えばプロの作家が書いた文章だが、うまければ入選するのなら、プロの作家が書いた文章ならそれで応募すれば入選するという理屈になる。それは本当だろうか。
いい意味での素人らしさを
プロの作家が文章を書くときは、名前と経歴が知られていることを前提に書く。読者の興味も著者への関心が先行する。多少難解なうんちくが続いても「さすが」と感心こそすれ、「素人が何を偉そうに」とは思わない。
プロは毎日のように書いて発表するという事情もある。驚くような実体験がそうそうあるわけではないから、題材は小ネタになり、それを補うように爆笑で売ったり、毒舌で売ったりする。キャラクターありきの文章だ。
こうした文章の影響を受け、そっくりそのまままねしても入選は難しい。方向がズレている。公募では笑いも毒舌もうんちくもさほど求められない。それよりも題材への関心が求められる。著者名がなくても共感、感動でき、無名人であっても嫌味にならないいい意味の素人らしさが必要だ。
入選するためにあれこれ考えた落選した理由
実は人並みだった
実は人並みのレベルだったのかもしれない。しかし、過信も自信のうち。次はもっと手ごたえのあるものが書けると信じて書こう!
上には上がいた
入選枠5名。あなたは6位だったのかもしれない。今回はあと一歩だった、次はその一歩を埋めようとまた原稿に向かう姿勢が大事。
出来が悪かった
亡くなった両親の話などを書いていると、本人は涙に暮れてしまいそうだが、実は普通の話だったかも。自作を冷ややかに見てみよう。
趣旨がずれていた
入選作を読んで、「そういう方向の話を求めていたのか」と思うことも。わかっているつもりでも、趣旨が微妙にズレていることも。
勢いがなかった
趣旨を汲むことと矛盾するが、傾向を考えすぎると勢いや熱のない作品になる。テーマに書かされず、書きたいことは自分で選ぼう。
いつか使ってみたい! 文章家っぽい! 慣用句辞典
- 【あごが干上がる】食えなくなる、生活に窮する
- 【浅き川も深く渡れ】浅い川も深い川を渡るときのように用心して渡れ。
- 【足下から鳥が立つ】身近なところでだしぬけに事件が起きる。
- 【辺りを払う】威風堂々として立派である。
- 【生き馬の目を抜く】すばしつこく抜け目がない。
- 【行きがけの駄賃】ついでにほかのこともすること。
- 【石が流れて木の葉が沈む】物事があべこべのたとえ。
- 【衣食足りて礼節を知る】生活にゆとりができれば、何事も礼節をわきまえてできる。
- 【一葉落ちて天下の秋を知る】わずかな前触れを見て、その後の大勢を察すること。
- 【一炊之夢】人生の栄華のはかないこと。
- 【一頭地を抜く】飛び抜けてすぐれていること。
- 【色を失う】顔面蒼白。
- 【殷艦遠からず】戒めとする失敗例は案外近くにある。
- 【烏有に帰す】すっかりなくなること(主に火災に使う) 。
- 【瓜のつるにはなすびはならぬ】子どもは親に似るもの。
- 【栄耀のもちの皮】この上ない贅沢のこと。
- 【縁なき衆生は度しがたし】無関心な人はどうしようもない。
- 【遠交近攻】遠い国と仲よくして近い国を攻めること。
- 【岡目八目】第三者のほうがよしあしがよくわかること。
- 【屋上屋を架す】屋上の上に屋上を作る。重複して無用なことをする。
- 【落ちれば同じ谷川の水】帰羞するところは同一であること。
- 【音に聞こえた】有名な。
- 【会稽の恥を雪ぐ】人から受けた恥をはらすこと。
- 【快刀乱麻を断つ】もつれていることを見事に処理する。
- 【随より始めよ】言い出した本人から始めよ。
- 【蝸牛角上の争い】はたから見るとつまらない争い。
- 【蟹は甲羅に似せて穴を掘る】自分の身分や地位に応じた考えや行いをすること。
- 【禍福はあざなえる縄のごとし】幸と不幸は交互にやってくる。
- 【眼光紙背に徹する】書物を深く読むたとえ。
- 【奇貨居くべし】珍しい品物だから買い求めておこう、得がたい機会だから利用しよう。
- 【木によりて魚を求むる】見当違いの努力をし、方法を誤っては目的が達成できない。
- 【鬼籍に入る】亡くなる。
- 【九牛の一毛】ほんのわずかなもの。ほんの一つ。
- 【曲学阿世】権力者や世間におもねって学問の真理を曲げた説を唱えること。
- 【錦上花を添える】美しいうえにさらに美しくさせる。
- 【管を巻く】酒に酔って理屈に合わないことをしつこく言う。
- 【君子豹変】人格者は過ちをたちどころに改める。
- 【警咳に接する】尊敬する人とじかに会って話を聞く。
- 【鶏口となるも牛後となるなかれ】大きな集団の中で人の後ろにつくなら、小さな団体でもそのかしらになれ。
- 【牽強付会】道理に合わないことを都合のよいようにこじつけること。
- 【捲土重来】一度失敗したものが全力をあげて盛り返すこと。
- 【好事魔多し】よいことにはとかく妨げが多いこと。
- 【黒白を争う】是非をはっきりさせる。
- 【護摩の灰】旅人を装った泥棒。
- 【猿の尻笑い】自分の欠点に気づかず、むやみに他人のことをあざわらうこと。
- 【去る者は日々に疎し】遠ざかっていると自然に縁が薄くなる。
- 【三顧の礼】礼儀を尽くしてオ能のある人を迎える。
- 【鹿を逐う者は山を見ず】一事に夢中になると他のものを全く顧みない。
- 【自家薬籠中の物】思うままに利用できる人や物。
- 【獅子吼】真理や正義を説く。
- 【車軸を流す】大雨がざあざあ降る。
- 【愁眉を開く】心配がなくなって安心する。
- 【出藍の誉れ】弟子が師より優れること。
- 【小人閑居して不善をなす】つまらない人間が暇だとよくないことをする。
- 【掌中の珠】もっとも大切なもののこと。
- 【白河夜船】ぐっすり寝ていて前後を知らないこと。
- 【尻が来る】苦情を持ち込まれること。
- 【尻が割れる】隠していた悪事が発覚する。
- 【心肝をくだく】一生懸命に考えをめぐらす。
- 【沈香もたかず屁もひらず】よい点も悪い点もない。平凡。
- 【水魚の交わり】非常に仲のよい交際。君臣、夫婦が親しい。
- 【積善の家には必ず余慶あり】よいことをいつもしている家には思いがけない喜びがくる。
- 【赤貧洗うがことし】持ち物が何もなくてはなはだ貧乏。
- 【是々非々】よいことはよい、悪いことは悪いと公平にはっきり判断すること。
- 【栴檀は双葉より芳し】優れた人は子どもの頃からほかの人とは違っている。
- 【船頭多くして船山に上る】命令する人が多すぎると仕事がうまくいかない。
- 【喪家の狗】飼い主が亡くなった家の犬。元気がないたとえ。
- 【糟糠の妻】貧しい生活をともにした妻。
- 【袖をしぼる】そでをしぼると涙が出るほどひどく泣く。
- 【袖を連ねる】多くの人が連れだって行くこと。
- 【袖を引く】人を誘う。こっそり注意する
- 【大山鳴動して鼠一匹】前触ればかり大きく、結果は期待外れ。
- 【他人の飯を食う】他人の中でつらい目にあいながら世間の経験を積む。
- 【玉みがかざれば器を成さず】優れた素質があっても修業しなければ立派にならない。
- 【血道を上げる】異性や道楽に夢中になる。
- 【地を掃う】昔あったものがすっかりなくなる。
- 【杖を曳く】歩きまわる。散歩。旅をする。
- 【月に叢雲花に風】とかく世の中は思っょうにならない。
- 【月夜に釜を抜かれる】明るい晩に釜を盗まれる。不注意。
- 【月夜に提灯】無用なもの。
- 【角を矯めて牛を殺す】部分をよくしようとして全体を悪くすること。
- 【爪に火をともす】けちけちして暮らす。
- 【天に唾する】他人を傷つけようとすると自分に返ってくる。
- 【天網恢恢疎にして漏らさず】悪事をなせば一時はごまかせても早晩天罰を受ける。
- 【問うに落ちず語るに落ちる】聞かれても真実は言わないが、話しているうちにうっかり。
- 【十日の菊、六日の菖蒲】時機に遅れて役に立たないこと。
- 【鳥なき里の蝙蝠】優れた人のいないところで、つまらない者が幅をきかすたとえ。
- 【南船北馬】たえず旅行する。
- 【二世を契る】夫婦になる。
- 【鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん】ちょっとしたことを処理するのに大げさな道具を使う必要はない。
- 【人情紙のごとし】人の心は紙のように薄く頼りにならない。
- 【嚢中の錐】優れた人は衆人の中にあっても目立つこと。
- 【白眉】もっとも優れている人物、事物
- 【旗を巻く】降参する。
- 【鼻毛を伸ばす】女に甘くする。
- 【鼻毛を読む】女が、自分に甘い男を思い通りにすること。
- 【半畳を入れる】大声で野次を飛ばしたり、進行を妨げたり。
- 【日暮れて道遠し】仕事がなかなか終わりそうもないこと。
- 【顰に倣う】人の意見にむやみに従うこと。
- 【百尺竿頭一歩を進む】工夫を凝らしたうえさらに工夫する。
- 【百年河清を候つ】あてにならないことを待つ。
- 【貧すれば鈍する】貧乏すればろくでなしになり下がる。
- 【弁当を使う】弁当を食べる。
- 【辺幅を飾る】衣服などをよくして、よく見られようとする。
- 【胴を固める】固く覚悟する。
- 【胴をかむ】後悔する。
- 【洞が峠を決め込む】形勢を見て優勢なほうにつこうとする。
- 【蒔かぬ種は生えぬ】何もしなくてはよい結果は得られない
- 【マッチ・ポンプ】自分で火をつけて、自分で消す。
- 【冥加に余る】ありがたすぎて、もったいない。
- 【紅葉を散らす】少女が恥ずかしがって顔を赤くする。
- 【門前雀羅を張る】訪ねてくる者もなく寂しいさま。
- 【焼野の雉夜の鶴】親が子を思う切々の情のこと。
- 【柳に風】逆らわずにうまくあしらうこと。
- 【八幡の藪知らず】迷い込んだら出られないような場所。
- 【病膏盲にいる】悪習などがしみ込み、抜けがたい状態。
- 【闇夜の鉄砲】目的のない、でたらめな行動。
- 【夜郎自大】身のほども知らず、仲間内で偉そうにしている者。
- 【葦の髄から天井のぞく】狭い見聞をもって広い世間の物事を判断しようとするたとえ。
- 【横車を押す】自分の考えを通そうとすること。
- 【横槍を入れる】横から口を出すこと。
- 【弱り目に祟り目】不運のうえに不運が重なること。
- 【李下に冠を正さず】人に疑われるようなことはしないほうがいいというたとえ。
- 【立錘の余地もない】錐を立てる余地もないほど満員。
- 【溜飲が下がる】胸のつかえがおりてすっとなる。
- 【柳眉を逆立てる】美人が怒ったときの様子。
- 【魯魚の誤り】誤字。
- 【露命をつなぐ】ほそぼそとかろうじて生活する。
※本記事は「公募ガイド2018年4月号」の記事を再掲載したものです。