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第47回 高橋源一郎「小説でもどうぞ」 課題「逆転」結果と講評 

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小説
小説でもどうぞ
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結果発表
イラスト:福士陽香
■選考委員/高橋源一郎

1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』でデビュー。
小説、翻訳、評論など著書多数。日本のポストモダン文学を代表する作家。

募集中のテーマ

■第50回 [ まちがい ] 
9/1~9/30(23:59)

■第51回 [ 寄生 ] 
10/1~10/31(23:59)

第47回結果発表
課 題

逆転

「逆転」といえば「どんでん返し」。「なにそれ! そんなのあり?」と驚かされたいです。でもそれはなかなか難しい。「逆転」のチャンスもなくゲームセット……がふつう?

最優秀賞

 僅差で最優秀賞を受賞したのは保科燈里さんの「今日の配信、あげてます」。「『配信開始』にカーソルをあげる道子の手は重い」で始まる。なぜ「道子の手」が重いのか。ひきこもりの「息子」がゲームをやっている画面を、無断で配信しているからだ。思いつきで始めたその「配信」、人気コンテンツになり、家計にも助けになっている。やめられない。でも息子には内緒なのだ。そんなある日息子が「ひきこもり」をやめ、アルバイトに行くと言い出す。良かった……良くない、配信どうしよう。そこからの逆転はおみごと!

佳作

 さとう美恭さんの「シャネリエNo.1」は、憧れのファッションブランド「シャネリエ」に勤める「私」が主人公。どんなお客さまにも「お似合いです!」と喜んでもらって売り上げを伸ばす、敏腕の従業員。今日は特にやる気満々。「フランス本社への研修旅行」がかかっているからだ。そして、ひとりのお客さまが高級品を買ってくれる。やった、達成! と思ったら、その商品は、もともとライヴァルの「百香」がそのお客さまのために選んだものだったのだ。黙ってさえいれば……しみじみ泣けるオチ。好きです、これ。


 進之介さんの「再怪会」、「いらっしゃいませ、こんにちは」と「僕」が「ドーナツをガラス張りのケースに入れながら言う」ところから始まる。「僕」は「本日オープン」したドーナツ・カフェのオーナー(兼店員)なのである。そんな「僕」の前に現れた最初の客が、なんとも態度の悪い若者なのだった。文句をつけ、サーヴィスしろと言いたい放題な若者はどんどん増長していく。大人しく従っていた「僕」だったがやがて……ここから見事な「逆転」が始まる。痛快だが、ちょっと予想できたかもしれませんね。


 小憶良肝油さんの「ウサギとカメの延長戦」は、「俺」(カメ)がウサギにカケッコを挑む物語だ。で、結果はどうなる。もちろん、ウサギが勝つ。次の日も勝負。もちろん、ウサギが勝つ。そして次の日も……以下繰り返しでウサギが勝つ。勝つのだが、なんだか徐々になにかが変わってくる。そして「俺」が勝負を挑んで千日目。先にゴールに着いたウサギが倒れる。そしてこう言うのである。「寿命が尽きたんだ」。そうか、カメの方がずっと長生きだったのか。その後と千と一日後のオチがわかりにくかったのが残念。


 青野ミドロさんの「タイクツな出来事」は、スカイダイビングという趣味に没頭する「私」のお話。週末の朝、出かけようとすると、息子から「どこへいくの!」と声をかけられる。息子とは祭りに行って金魚すくいをする約束をしていたのに、である。ひどい父親だ。でも「ベルトコンベアで進むような順調な人生」に少しくらいスパイスがあってもいいじゃないか。そしていつものように仲間たちとダイビング。するとなんと……まあ、ダイビング中にとんでもないことが起こるわけです。オチが綺麗すぎるかな。惜しい!


 三山敦さんの「ボケとツッコミ」は、タイトル通り、漫才のコンビのお話。ある大きなコンテストに出場した「私達」は決勝進出の四組に残る。さあ決戦だ。そして、舞台が始まると、予想外の展開に。「ボケ担当の英二が突然ツッコミを始めた」のである。あせる「私」。実はこのコンテストは、お互いに違う道を歩むつもりの二人にとって最後の舞台でもあった。だから「私」は意を決して、予定通りのオチではなく、出たとこ勝負の笑いを選択する。そして優勝……まではグッド。でもオチがちょっと不完全燃焼だったか。


 苗育果来さんの「閻魔大王」は「三十歳で地獄に堕ちた」「俺」の物語。地獄にやって来た「俺」は閻魔大王に出会う。なんと「俺がいじめて校舎の屋上から飛び降りたヤツ」なのだ。ショックを受けた「俺」はまず「親父」に会いに行く。なんと「地獄」で「親父」は「少年」になっていたのだ。いったいなぜ。その理由を「閻魔大王」が教えてくれる。「親父」は「俺」が間違った道に行かぬよう、「少年」になって「俺」の「友達」になろうとしていたのだ。そして……確かに逆転だけど、ちょっといい話すぎるかも。


 桜坂あきらさんの「魔法のランプ」に出てくる「魔法のランプ」は、あの有名な「魔法のランプ」だ。魔神が出てくるやつです。でも、状況はずいぶん変わり、先代(?)の魔神は高齢で半ば引退、その役目を「見習い」に譲った。その修行中の「見習い」が、知事選を戦う「私」の前に現れたのである。時は投票日前夜。「願い」を叶えないとランプに戻れない泣き言をいう「見習い」に、「私」はこう告げる。不利なわたしの票と現職知事の票をそっくり入れ替えろ、と。その結果……何度読んでも結末がよくわかりません。

応募要項
課 題

■第50回 [ まちがい ]

 記念すべき50回目の課題は「まちがい」。どんな場所、どんな時でも、「まちがい」はあります。人生、「まちがい」だらけといっても過言ではありません。とりあえず送り先は「まちがえ」ないでください!

■第51回 [ 寄生 ]

「寄生」といえば「寄生虫」の「寄生」です。なにかにくっついて、なにかに依存して、なにかの栄養を吸収して生きてゆく。自分でもなにもせずに。「この寄生虫!」といわれて喜ぶ人いませんよね……。

締 切

■第50回 [ まちがい ] 
9/1~9/30(23:59)
■第51回 [ 寄生 ] 
10/1~10/31(23:59)

応募規定

本文2000字程度。縦書き。
(テキストデータは横書きでかまいません)
書式は自由ですが、A4判40字×30行を推奨します。

応募方法

WEB応募に限ります。
応募専用ページにアクセスし、原稿のファイルを添付。
(ファイル名は「第○回_作品名_作者名」とし、ファイル名に左記以外の記号類は使用不可)
作品の1行目にタイトル、2行目に氏名(ペンネームを使うときはペンネーム)、3行目を空けて4行目から本文をお書きください。
本文以外の字数は規定枚数(字数)にカウントしません。


Wordで書かれる方は、40字×30行を推奨します。
ご自分で設定してもかまいませんが、こちらからもフォーマットがダウンロードできます。

応募条件

作品は未発表オリジナル作品に限ります。
入賞作品の著作権は公募ガイド社に帰属します。
AIを使用して書いた作品はご遠慮ください。
入選作品は趣旨を変えない範囲で加筆修正することがあります。
応募者には公募ガイド社から公募やイベントに関する情報をお知らせすることがあります。

発 表

第50回 2025/12/1、Koubo上
第51回 2026/1/1、Koubo上

最優秀賞1編=Amazonギフト券1万円分
佳作7編=記念品
選外佳作=WEB掲載
※最優秀賞が複数あった場合は按分とします。
※発表月の翌月初旬頃に記念品を発送いたします。
配送の遅れ等により時期が前後する場合がございます。

お問い合わせ先

ten@koubo.co.jp


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受講料 5,500円
https://school.koubo.co.jp/news/information/entry-8069/