あなたとよむ短歌 vol.46 テーマ詠「あいさつ」結果発表 ~短歌の質問、回答します!~(3/3)
さて、前回の募集から、投稿時にご質問もお送りいただけるようになりました。初回ということもあり、今回はいただいたご質問にいくつか答えていきたいと思います。
取らない、取れない短歌はどんなものなのか教えて下さいませ!
コンテストや投稿欄に応募する際には、その選者の感性にもよりますので、応募前にどんな人が選考するのかを確認するのがいいと思います。
もし歌人が選考するのであれば、代表歌を検索したり、歌集を読んでみるのも◎です。また、町おこしや何かの意識向上など、目的があって募集しているコンテストに応募する場合は、その目的を汲んだ作品でないと採用されないのは事実だと思います。
ただ、私個人としては、短歌は自分の詠みたいものを詠むのが第一だと考えています。イヤイヤ詠んだ短歌には(たぶん)魅力がありません。ですので、自分を無理に投稿先に合わせるよりは、自分にマッチしたコンテストや投稿欄を見つけたら「ラッキー!」と思ってぜひ挑戦してはいかがでしょうか。
採用・不採用について考えると、応募について不備がないこと、その一首だけで魅力が感じられることが大前提かと思います。つまり、その「一首だけで意味が通る短歌」の方が有利ではあると思います。また、投稿前にぜひ音読してみてください。
なお、「あなたとよむ短歌」は、57577の間にスペース(空白)を入れる「分かち書き」はNGです。また、575だけの作品も多く寄せられます。基本的に採用できませんのでご注意を!
我々老人は若い人の感覚には程遠いものがありますので、
この頃の投稿ではほとんど選歌されません。
お悩み、わかります。昨今の「短歌ブーム」は若い世代に注目があつまりがちで、どうしても口語の現代短歌が取り上げられやすい傾向があります。SNSやインターネットで短歌に触れていると、まるで短歌が若い人のもののような気がするかもしれません。
けれども、なんやかんやと言って、俳句や短歌は今もなおご高齢の人が多く参加し、活躍するジャンルです。たとえば、短歌専門雑誌(角川「短歌」や「短歌研究」、「歌壇」などの月刊誌)に注目すると、誌面や投稿欄にはさまざまな年代の作品が掲載されています。書店で手に入りにくいかもしれませんが、ぜひ読んでいただきたいです。自分の感性に合う短歌が見つかったり、全国に同世代の仲間がいる気持ちになるかもしれません。
短歌では、自分の経験ではなく想像を詠んでもよいのでしょうか。
もちろんOKです。歌人にはそれぞれ信念があるので「ダメ」という人もいるかもしれませんが、短歌のルールとして定められているわけではありません。
たとえば、俵万智さんの有名な一首【「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日】は、俵さんが恋人に手料理をふるまったことから発想したものだそうですが、
実際に作ったのは唐揚げで、日にちも7月6日ではなかったという話は知られています。
ただし、経験というのは、自ずと「その人だけのもの」です。経験を丁寧に詠めば自然とオリジナリティがでます。これも捨てがたいものです。
また、自分のなかの引き出しにまったく入っていないことを完全に「見様見真似で詠む」のは高難度です。どうしても物事の核をとらえきれない気がします。私自身、経験したことだけを詠んでいるわけではなく、むしろ自分の経験そのままを短歌にするケースは少ないのですが、それでも、
その短歌が一首として成り立つ根っこの部分は、自分の心のなかから出すようにしています。
作品や質問のご投稿ありがとうございました。引き続き、テーマ詠「はじめる」を募集しています。
テーマ詠は、お題の単語を短歌のなかに入れても入れなくてもOKです。そのテーマにあった短歌をお待ちしています。
どこかに応募した作品も、未発表も作品もぜひご投稿ください。(著作権がご自身にある作品に限ります)
応募規定 | 短歌(57577)を募集します。 テーマは「はじめる」。 応募点数制限なし。 応募フォームに柴田さんへの質問欄を設けています。短歌のことや、作品づくりについて選者:柴田葵さんに質問があればご自由にお書きください。匿名で質問内容とその回答を記事に掲載させていただく場合があります。必ずしも回答があるわけではございませんので、ご了承ください。 |
応募方法 | 応募フォームもしくはTwitterでご応募ください。Twitterの場合は公募ガイド公式アカウント「@kouboguide」をフォローして、ハッシュタグ「#あなたとよむ短歌はじめる」をつけてツイートしてください。 ※応募者には、弊社から公募やイベントに関する情報をお知らせする場合があります。 |
賞 | 最優秀賞1点=Amazonギフト券3000円分 優秀賞2点=Amazonギフト券1000円分 佳作数点=ウェブ掲載 ※該当作品なしの場合があります。 ※作品を記事内で推敲する場合があります。 ※発送は発表月末を予定しております。 |
締切 | 2024年1月31日 |
発表 | 2024年3月1日 |