ネットの海で物語る【第14回】初心者のための文章校正 1/2
初心者のための文章校正
昨年は大変お世話になりました。蜂賀三月です。
公募を愛する皆様は、年末年始も公募に励んでいた方が多いのではないでしょうか。
2024年が皆様にとって希望に溢れる1年となることを心より祈っています。
本年も『ネットの海で物語る』をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は「校正」についてのお話をさせていただきます。
初めての校正作業
当時、私は初めての単著刊行に向けて、担当編集さんと一緒に書籍化作業を始めました。 初稿から始まり、校了まで何度も編集さんと原稿のやり取りをします。
私は小説投稿サイト「野いちご」のコンテストに応募していた作品が書籍化しました。 もともとの原稿があるので書籍化作業は書き下ろしより楽なのでは?と思っちゃいそうですが、 少なくとも私の場合は楽ではありませんでした。
自分の想像以上に修正が必要な部分がたくさんありましたし、物語の矛盾点や描写の不足、設定を変更した方がいいところが次から次へと見つかるのです。
編集さんと相談しつつ、アドバイスをいただきながら改稿・加筆するところからスタートでした。なので、この初稿が一番大変だったんです……。
どこかの設定を変えたらほかの設定がおかしくなったり、小説内の日付と曜日がずれてしまったりもしました。物語の整合性を取ることの難しさを実感させられました。
デビュー作ということもあって初めての作業ばかりです。そんな私だったので、編集さんには何度も助けてもらいました。
プロットから書き直して物語全体を俯瞰的に見ながら、改稿作業を進めました。 資料を編集さんに共有しながら物語を整えていく過程は大変でしたが、本当に楽しかったです。
校正作業においては、どう修正したいか、なぜここを変えるのかというコミュニケーションを繰り返します。書き方や伝え方を間違うと、誤解させてしまったり、自分が勘違いしてしまうこともあります。
そんななか、スムーズなやり取りをするために校正の知識が役立ちました。 いい機会なので、ここで校正についての基本的な情報を共有したいと思います。
校正とは?
校正はおおざっぱに言うと文章の誤りや不備を正していく作業です。
誤字・脱字・衍字、そして前回お話した文章作法のミスなどを指摘・修正していくものです。
原則文章の誤りを潰していく作業で、その文章の内容に言及することはありません。
内容に踏み込んで指摘・事実確認をする場合は「校閲」となります。
※出版社やメディアによっては校正と校閲作業を同時にすることも多々あります。
校正に必要なもの
原稿をデータでやり取りするケースもありますが、書籍化を目的としたものだと紙原稿(ゲラ刷り)に直接書き込んで原稿を送る場面も多いです。
・Wordが使える機器(パソコン)
・赤色のボールペン(赤字で校正記号や修正した文章を書き込む)
・鉛筆(疑問出しや確認してほしい場所を伝えるのに必要)
この3つは必要です。出版社さんによっては違うかもしれないので、そのときの指示に従ってくださいね。
赤色のボールペンはペン先が細いものがおすすめです。
原稿の余白や文字の間に線を引くことが多いからです。
■profile
蜂賀三月 (はちが みつき)
小説家。ショートショート、児童書、YA小説をメインに執筆活動を行う。著書に『絶対通報システム~いじめ復讐ゲームのはじまり~』(スターツ出版)、 短編小説収録『5分後に奇跡のラスト』(河出書房新社)など。小説情報メディア
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