短歌・俳句・川柳 どこが違うか? 短歌編
五七、五七をくり返し、最後が七七で終わる長歌に対し、この内容を反復、要約し、最後に五七五七七で締めくくった反歌が起源(所説あり)。
長歌、短歌、
五七五七七(31音)
促音(小さい「つ」など)、撥音(ん)、長音(ー)も1音だが、拗音は「きょ」「しゃ」などで1音。
■例:「ほっとする(5音)」「ボーリング場(7音)」「香港(4音)」。
やわ肌のあつき血汐にふれもみでさびしからずや道を説く君
(与謝野晶子)
原則は文語。恋愛の道具として使われた歴史があり、叙情的な作品が多い。改行、分かち書きをすることがあるが、本来はしない(短冊に1行で書く)。現代短歌では記号や空白、外来語を使うこともある。数え方は1首、2首。
短歌人間は主観的、情熱的、自己陶酔的。心が沸騰中で、個人的な感情を吐き出さずにはいられない人や、そんな心情のときに向く。
季語はない。俳句より七七の部分が長く、その長さゆえに〈「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの(俵万智)〉のように、情景だけでなく心情も詠み込むことができる。俳句はその短さゆえ、心情は奥に引っ込め、情景だけをさらりと詠むことが多い。
■プロ志向
プロの登竜門的な公募は、50首1組などで応募する。
■文化事業
新聞社や自治体が偉人の名を冠して公募することが多い。
■広告宣伝
企業等が商品に絡め、気持ちを込めた歌を募集する。
字余りや字足らずのこと(句またがりや句割れなど、五七五七七のリズムでないものも破調に含める考え方もある)。
句またがりは、〈おっぱいのこと考えて一日が終わる今日は何曜日だっけ(俵万智)〉で言えば、「今日はな/に曜日だっけ」のように五七五七七で切れず、句をまたいでいることを言う。
句割れは、「一日が終わる。今日は」のように五七五七七の切れ目でないところで意味が切れる(文章で言えば句点=マルがつく)ことを言う。