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中村航選 プロットだけ大賞 第5回 入選 黄泉の守り人

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小説・シナリオ
プロットだけ大賞
結果発表

-第5回-
結果発表

お題ログライン

過去から現代にタイムスリップしてきた主人公が、現代での経験によって元の時代で歴史に名前を残す話。


入 選

「黄泉の守り人」
瑞波草(著)

4.3★★★★
カテゴリ SF 冒険 小説

舞台・世界観

古墳時代、大和朝廷の治める倭国では身分の高い死者のために古墳が作られる。2024年、日本国における葬送は火葬が主流である。古墳造営に従事する安麻人が火葬場職員の下山夫妻の元へタイムスリップする。

登場人物

安麻人(あまひと)(15)
男性。古墳時代に生きる古墳造営従事者。豪族など一部の人間のために古墳を作る状況を疑問視し、辟易している。

「こんなに大切にしてもらえるなんて、死んだ人も幸せだ」

下山徹(44)
男性。現代に生きる火葬場職員。1人1人の最期を丁寧に見送る仕事に誇りを感じている。

「ご遺灰に金持ちも貧乏人も無いんだ。みんな平等なんだ」

下山春香(40)
女性。下山徹の妻。専業主婦。夫婦2人暮らし。タイムスリップした安麻人を母のように見守る。

「生まれた意味のない人間なんて居ないのよ。あなたの使命を探しなさい」

ストーリー

第1章

324年、大和。安麻人は下働きとして古墳造営に従事している。しかしながら、亡くなった親戚や兄弟が集落の隅に乱雑に埋められる中で、威張り散らす豪族達のために豪奢な古墳を作る不平等さに疑問を持つ。

第2章

2024年、東京。下山夫妻の元へタイムスリップした安麻人は、火葬場職員の徹と共に火葬場で働く。驚いたことに、棺に入った亡骸1つ1つが区別なく丁重に扱われ、同行する家族・知人らが故人へ想いを馳せている。

第3章

元の時代に戻った安麻人は、古墳の廃止や平等な葬送を主張。意外にも賛同者は多く、個人・家族単位での葬いを指導する。驚いたことに、死の平等化は身分制是正にも発展し、個人を重んじる平等な社会へ歴史を動かす。

第4章

2024年、日本共和国。格差無き福祉国家として世界を牽引する。安麻人は古墳時代の指導者として歴史に名を残すが、平等な死、平等な社会が当たり前の世の中では、恩恵の発端が安麻人であることに誰も気付かない。


中村先生からの一言コメント

「黄泉の守り人」は葬儀のありようから日本というものまで変えてしまう物語で、作者の挑戦心が感じられた。
※中村先生の大賞選評全文は
2024年秋号にて掲載中です


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