公募/コンテスト/コンペ情報なら「Koubo」

若手有名俳人を多数輩出 石田波郷新人賞、まさかの形で復活

タグ
川柳・俳句・短歌・詩
俳句
公募ニュース

東京都清瀬市が主催し、2023年に惜しまれながらも終了した俳句賞・石田波郷新人賞。若手有名俳人を輩出してきた本賞が、今年、江東区砂町文化センターによって継承されることが発表されました。

どのような形で賞が実施されるのか、なぜ継承されたのか、本記事では情報をまとめました。応募を検討している人や、若手俳人の活躍に注目している人は必読です!

※掲載している情報は過去のものの場合があります。今年度の開催状況は、主催者サイトを随時ご確認ください。

若手俳人の登竜門

もともと石田波郷新人賞は、波郷の没後40周年を記念して2009年から清瀬市が開催していた公募です。30歳以下を対象に、20句一組の作品を募集してきました。受賞作は角川学芸出版の月刊誌『俳句』に掲載されます。

俳句甲子園などから始まった、近年の若い世代への俳句ブームにもマッチした本賞は、有名若手歌人を多数輩出してきました。

たとえば第1回受賞者の西村麒麟さんは、波郷賞の受賞後、田中裕明賞、北斗賞、角川俳句賞を受賞。句集や俳句入門書を出版し、NHKカルチャー青山教室でも講師を務めています。

第10回受賞者の岩田奎さんは、開成高校俳句部出身。高校時代には俳句甲子園で団体優勝し、個人としても最優秀句に選ばれました。その後すぐに波郷賞を受賞。俳人協会新鋭評論賞、角川俳句賞も受賞し、俳人として、また、コピーライターとしてもめざましい活躍をしています。

30歳以下という年齢制限のもと、若いうちに頭角を表したい俳人が切磋琢磨してきた石田波郷新人賞。第15回での終了を嘆く声が多く寄せられていました。

ゆかりの地、江東区で再開

今回、江東区で石田波郷新人賞が復活するというニュースは、多くの俳人や俳句愛好家から歓迎されています。江東区は波郷が12年間住み、「第二の故郷」と呼んだ場所です。波郷が晩年をすごした清瀬市から、妻とともに仕事や育児に励んだ江東区へ継承されることになります。

主催する江東区の砂町文化センターは、石田波郷記念館を運営しています。この記念館の開設25周年を記念して波郷賞を継承するようです。記念館の見学は無料。ぜひ訪れてみたいものですね。

砂町文化センターは、これまでも石田波郷記念「はこべら」俳句大会を開催してきました。前回(第23回)開催時には全国から838句が寄せられたそうです。全国規模の俳句公募を開催してきた主催者、という点でも、新しい波郷賞に安心して応募できそうですね。

第16回石田波郷新人賞? 締切や募集要項は?

新しくスタートする石田波郷新人賞の募集要項はまだわかっていません。ただ、砂町文化センターのX(旧Twitter)上で「応募開始は8月予定」とアナウンスがありました。また、同ポストで「石田波郷新人賞は30歳以下を対象にした俳句賞です」と記載があるため、年齢制限についても引き続き設けられる可能性が高いようです。

20句1組の形式は変更されるのかどうか、作品は手書きかデータか、選者はだれか、月刊誌『俳句』に掲載されるのか……。細かい点も気になります。

詳細は砂町文化センターのWEBサイトで発表していく予定とのこと。応募を予定している人は、こまめにチェックしましょう。

今後も多くの有力な若手俳人が現れそうな石田波郷新人賞。俳句界の朗報から目が離せません!