せきしろの自由律俳句 第100回「記念」結果発表


結果発表
第100回 課題: 記念
せきしろの一句
覚えているのはまた自分だけか
最優秀賞
今日祝われた人がバスを待ってる
( 千葉県 ような恵 27歳)
花束などを持ってバス停にいるのだろうか。祝われた人はこれからバスに乗り、帰宅する。そうやって少しずつ記念日と日常がクロスしていき溶け合い曖昧になっていく。そんな時間経過まで伝わってくる句である。
優秀賞
誕生日はなくて君を拾った日から数えた
( 岡山県 白とり貝 35歳)
保護した犬、あるいは猫の誕生日は知る由もない。そこでこちらが誕生日を設定することになる。その瞬間新しい記念日が生まれるのである。いつまでも続いて欲しい記念日だ。
遺された赤べこが見ている
( 千葉県 山和ウラ 46歳)
旅行先で買ったお土産だろうか。実家にも私が修学旅行で買ったお土産がまだある。それがこの赤べこのようになる日が来るのだろう。それがいつかはわからないがきっとこの句を思い出すだろう。
イラスト:飯田研人/撮影:賀地マコト