せきしろの自由律俳句 第97回「景色」結果発表


結果発表
第97回 課題: 景色
せきしろの一句
一秒後に変わるかもしれないと見ている
最優秀賞
絵の具が少ししかなかったみたいな春空
( 東京都 みずら 16歳)
春の空はどこかぼんやりとしていて薄い色をしている。でもそれは嫌な色ではなく、私をわくわくさせ、かつそわそわさせる。そんな空を「少ししかない」絵の具と表現しているのが良い。
優秀賞
雪景色は目隠し
( 北海道 まなとふじむら 23歳)
一面真っ白で何も見えない。それはまるで目隠しをされたよう。そう捉えることもできるし、逆に景色が目隠しされていると捉えることもできる。いずれにせよ真っ白な世界を感じることができる句だ。
隣の瓦が濡れてゆくのを見てる祖母
( 福岡県 雨 35歳)
風景と一言で言っても無数にある。美しく綺麗な風景を思い浮かべがちであるが、もちろんそうではないものもある。静かな風景を見て静かな時間を過ごせたら良いなとと思わせてくれる句だ。
イラスト:飯田研人/撮影:賀地マコト