プロに聞く! YouTubeを始めるための4ステップ! スマホで手軽に始めてみよう!


動画の制作をしてみたいという人に向け、動画制作の手順を紹介!撮影から編集、投稿まで、スマホ1台で完結できるので、気軽に挑戦してみよう!
動画ジャンルは多彩スマホでもOK
今回の特集で、自分も動画を作りたいと思った人も多いのではないだろうか。そこでこのページでは、You Tube 動画の制作に詳しい山之内真さんにその手順を教えてもらおう。
「動画のスキルはYouTubeで〝収益を得る〞ためだけでなく、家族や友人を喜ばせるなど、幅広い場面で生かせます。基本を学んで、実際に作ってみましょう」
動画制作には、「テーマの決定」「構想」「撮影」「編集」の4つの行程がある。撮影機材、編集ソフトは高額なものを想像しがちだが、スマホ1台あればOK。
「最近のスマホは1080という高解像度で、ハイビジョン動画を撮影することも可能。編集アプリもたくさんあって、無料でプロ顔負けの編集作業ができます。機材のほかに企画力、コミュニケーション力といったスキルも重要と思われがちですが、動画のジャンルは多彩で、顔出し・声出しが必要ないものもあります。ハードルの低いものから始めましょう」
また、動画の要素は大別すると「映像・音声・テロップ」の3つがあるが、たとえば、コニュニケーション力に自信がなければテロップで面白くするなど、ほかの要素でカバーすることもできる。
STEP1 テーマを決める
自分の得意分野、好きなことからテーマを決めよう。
まずはテーマを選び、3つの柱を決める
まずテーマを決める。テーマは料理やペットなど身近なものでいいが、自分が得意なもの、熱量を伝えられるものが〇。
どうしてもテーマが見つからない場合は、Vlog(ビデオブログ)や「やってみた」という企画をまねるのもいいだろう。
「テーマが決まったら、軸となる3つの柱を決めます。ペットであれば、『えさやり・しつけ・散歩』など。これらを軸に動画撮影していけば企画に行き詰まることもありません。3つ以上になるとチャンネルの統一感がなくなります」
活躍しているYouTuberがサブチャンネルを開設するのは、メインのテーマとは違うジャンルの動画を投稿するためだ。
豆知識 収益を得るのは大変!
チャンネル登録者数1000人以上、直近1年の動画総再生時間4000時間以上になれば「YouTubeパートナープログラム」が利用でき収益に。ハードルが高いので、まずは楽しみながら慣れよう。
STEP2 構想を練る
テーマを決めたら次に、「何を」「どのように」撮るかを決めて、作品のイメージを具体化しよう。
自分一人で完結できる動画から始めよう
構想を練る段階では、決定したテーマから「何を」「どうやって」撮影するかを計画していく。
まずは自分が伝えたいことを考えて、撮影前に動画の全体のイメージを構成していこう。あらかじめ動画の全体像を把握することで、どんなシーンを撮影すればいいか、どんな演出が必要になるかが判断がしやすくなる。
「最初は自宅で撮影できる構成にしましょう。屋外だと天候や時間、周囲の音などに左右されてしまいます。出演者も少人数か、一人で完結できる動画がおすすめです」
初めての動画では、視聴者のことを考えるよりも、極力、準備するものの少ない、スマホ1台だけで行える企画を考えよう。
2-1 尺を決める
15秒や1分など、短い尺から始める
長い動画を撮ってみたいと思う人もいると思うが、いきなりは難しい。まずは15秒や1分といった短い尺から始めよう。
「長い動画を撮っても情報量が少ないと間延びして、見る人を退屈させます。短くてもかまわないので、伝えたいことがギュッと絞られている動画がいいですね」
撮影に慣れたら、長い尺の動画に挑戦してみよう。
2-2 撮影計画を立てる
撮影に必要となるものを準備しよう
撮る内容が決まったら、いつ、どこで、どんな動画を撮るか、日程は? 必要な人員や機材、小道具は?を考え、計画を立てよう。
最初から高額な機材をそろえる必要はなく、スマホ用の三脚や自撮り棒は100円ショップでも販売している。
なお、尺の長さや準備するものは、絵コンテを考えてから決めるか、同時進行でもかまわない。
決めておくことリスト
・どこでどんな動画を撮るか
・日程、必要な人員
・動画全体のイメージ
・撮影に必要な機材、道具
2-3 絵コンテを描く
絵コンテは設計図、必ず描いておくこと
絵コンテは、動画の構成や演出方法を示す設計図。撮影するときや編集するときに迷わないように、カメラのアングルや被写体の位置、セリフ、効果音のイメージなどをメモ感覚で書いておこう。
「絵コンテに描いたものは、撮影では必ず撮ります。描かないと企画から逸脱してぶれてしまう危険があります」
複数人で撮影する場合は全員で共有しよう。
STEP3 撮影する
撮影体験を重ねることで、観やすくするための工夫がわかってくる。まずは始めてみよう!
絵コンテどおりに動画を撮影しよう
撮影は明るく、雑音が少ない場所で行おう。YouTubeは横画面なので、撮影時のカメラは必ず横向きにすること。
「最初から高度な動画を撮ることは意識せず、小さな撮影体験を重ねるのが上達への近道です」
撮影に慣れたら、カメラのアングルや構図、被写体との距離を工夫してみよう。伝えたいことがわかりやすくなり、見栄えもよくなる。
魅力的に見せる撮影テクニック
「日の丸構図」は被写体が中央にあって見やすい。「シンメトリー構図」は左右(上下)対称で安定感がある。「三分割構図」は画面を9分割し、四つの交点のどこかに被写体を置くとバランスがよい。カメラアングルは、水平アングルは安定して見え、上から撮るハイアングルは弱さを強調できる。ローアングルは逆に迫力がでる。被写体との距離も、全体(広い範囲を広角に入れる)・中間・クローズアップ(被写体にぐっと近づく)を使い分けよう。
STEP4 編集する
集めた素材を組み合わせる作業。映像、音、テロップを効果的に使って動画を魅力的に。
動画の編集もスマホ1台あれば簡単!
撮影した動画をスムーズにつなげたり、音やテロップで演出をしたりするのが編集だ。作業はスマホの動画アプリで十分。無料のものでも動画のカット、色・音量の調整、テロップやBGM・効果音の挿入など実用的な機能が使える。
「編集作業は動画の内容をわかりやすく伝えたり、重要なことを強調して伝えたりする『スパイス』のような役割です」
4-1 カットする
必要なシーンだけをつなぎあわせよう
撮りっぱなしでは間延びする。アプリを開くと大まかな画面が表示されるので、必要ないものを選択し、削除しよう。削除後の残りの時間は右上に表示される。
4-2 音を付ける
過度な演出は逆効果!
音はBGM(日常、キッズ、旅行)と効果音(生活音、交通)などが選べる。音楽を取り込むことも。ただ、過度の演出は動画の内容を伝わりにくくするので注意。
4-3 最終チェック
全体の統一感に気をつけよう
音の挿入が映像とズレていないかなどを確認しよう。編集方法に統一性があると、編集作業も効率的にこなすことができる。
動画のクオリティーをあげるには?
YouTuberの作品やテレビ番組の演出方法を参考にして研究しよう。人気作品は映像だけではなく、テロップや音で、視聴者を注目させたり笑いを誘ったりしている。自分のチャンネルのオリジナルロゴを作って動画に表示すれば、視聴者にも認識されやすくなる。
おすすめアプリ
VLLO(ブロ)
iPhone 、Androidに対応している動画編集アプリ。無料と有料があるが、無料でも編集に必要な一通りの機能が使えて、初心者にもおすすめ。
おすすめ機材
撮影に慣れてきたら、機材投入で動画の質をグッと向上させよう!
ライト
ライトの役割は明るくすることだけじゃない! 光と影の強さ・柔らかさや色味などの表現、立体感アップのためにも役に立つ。スマホに取り付けて使うものと置き型のものがある。
三脚
スマホを手に持ったまま長時間の撮影を続けると、どうしても手ブレが発生してしまう。三脚で手ブレを防止しよう。木などに巻き付けて使用するタイプのものもおすすめ。
マイク
内蔵マイクでは、声以外の音を拾ってしまい肝心の声が聞こえづらいことも。動画において重要な要素の1つである「音質」をマイクで向上させよう。
山之内真
株式会社IVIS代表取締役。ブライダルを中心に映像制作、YouTuber指南などを行う。約15年間にわたり、1万作品以上の映像制作実績がある。著書に『親子で楽しく学べる人気YouTube動画の作り方』。
※本記事は2021年7月号に掲載した記事を再掲載したものです。