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「ホラーちゃんねる」大橋孝史さんに聞く! ホラーYouTube動画撮影の舞台裏

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※掲載している情報は過去のものの場合があります。今年度の開催状況は、主催者サイトを随時ご確認ください。

YouTubeの国内利用者数は月間6500万人以上。公募でもYouTubeを活用したコンテストやYouTubeチャンネルが主催するコンテストなど、その動きはどんどん加速しています!今回は、コンテスト主催者の裏側を追いながらその面白さに迫りました!

YouTubeホラー映画祭

ホラー動画の裏側に迫る!

「YouTube ホラー映画祭」としてホラー動画を広く募集しているのは、登録者11万人を突破した人気チャンネル「ホラーちゃんねる」だ。運営を行っているのは、『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズの初代プロデューサーとして有名な大橋孝史さん。YouTubeでは心霊・都市伝説・怪談をテーマに、短編動画や心霊写真を毎日配信している。

今回はコンテストについて聞くとともに、ホラー動画撮影の裏側にも迫っていく。

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人気動画BEST3

ほんとにあった心霊映像8 子供に視える霊

再生回数94万回。一般投稿のホームビデオのリアリティが怖さを呼ぶ。ほかにも、学校での様子を撮った心霊映像は再生回数100万回を超えている。

ホラー短編集#53 経理女~社内不倫の悲劇~

再生回数116万回。人間が怖い=通称「ヒトコワ」動画だ。コメント欄には「幽霊よりも人のほうが怖い!」というコメントが多く寄せられた。

ホラー短編集#136 八尺様

再生回数173万回。インターネット上で話題になった怖い話をベースにした動画であり、「八尺様」を見てしまったために呪いに遭う女の子の話。

撮影現場に密着取材!!

5分の動画を5時間で撮る!撮影の裏側を追いました!

ミニマムな編成で動画撮影スタート!

12時過ぎ、撮影現場として伝えられた都内のあるアパートの一室に着くと、すでに大橋さんと3名の役者さんが集まっていた。カメラマンなどたくさんのスタッフがいるかと思いきや、スタッフは大橋さんだけだという。

「YouTubeでは台本・撮影・編集、すべて僕ひとりでやることがほとんどです」とのこと。

さっそく撮影の前に台本の読み合わせがスタートした。

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初撮影の人には演技指導から

主演を務める吉川美樹さんはオーディションで選ばれ、この日が初めての撮影。台本読み合わせでは細かな演技指導が。

「早すぎるかな。もっともっとゆっくり。視聴者が『このあと何が起こるんだろう』とドキドキするくらいの間がほしい。ホラーでは間の違和感が欠かせない」「台本では『きゃー!』と叫ぶことになっていたけど、ここは『はっ』と息をのむ驚き方にしようか。その2つは全然違う恐怖だよ」と監督からアドバイス。

読み合わせが終われば実際の撮影がスタート。監督はカメラ1台を片手に、1つのシーンを3回ほどカットを変えながら撮る。同じセリフ同じシーンを繰り返しながら、顔を映したり背景を撮ったりしていく。

You Tube 動画って実は簡単⁉

運営から撮影まですべてを手掛け、コンテストも主催する大橋監督にお話を伺いました!

YouTubeの世界はライバルだった

——大橋さんと言えば、ホラー映画やドラマのイメージですが、YouTubeも長いんですね。

もう8年ですね。YouTubeって最初は映画を違法アップロードされるし敵だったんですよ。でも、このメディアは大きくなっていくだろうなとは思っていたので、撮った映画やドラマをたまに投稿していました。けれど2年前くらいかな、DVDも売れなくなってきて、新しいビジネスとして真剣にやろうと思い、オリジナルも撮るようになりました。

——撮影現場に来て、おひとりだったので驚きました。

本格的にどんどん撮るぞ!と思っていたときにコロナがはやりだしたので、スタッフを入れずに全部ひとりでやろうと決めたんです。あとは、ほかのYouTuberたちとどう戦おうかと考えて、向こうは少人数だろうからこちらも少人数で、自分と役者だけでやろうと思ったんです。同じ製作費・土俵で、カット割りや演出の技術だけでプロとして勝つっていう。

——1本投稿するまでに何時間くらいかかるんですか?

脚本を書くのに30分とか1時間、撮影に3時間、編集して投稿するのに2時間という感じです。演技指導に時間をとることもあります。

——動画ってもっとかかるかと思っていました。

今回でいえば、この部屋は幽霊役の彼女が退去したばかりの部屋なんですが、引っ越すと聞いて、じゃあその空き部屋で撮影しよう!と脚本を書き、それで今日っていう感じですね。明後日には投稿すると思います。今日は1日に1本しか撮りませんが、1日6本撮ることもありますよ。

——6本、すごい。大変さは映画と全然ちがいますか?

う〜ん、はっきり言ってしまえばすごく楽です。スマホだけで撮影から編集、投稿までできますし。不便なことは、YouTube の違反規約がちょっと不明瞭で、突然動画を取り下げられることがあるぐらいですかね。好きなように撮って、すぐに投稿できるのはいいですよ。映画だと何カ月とかかるわけですからスピード感がちがいます。

——「YouTubeホラー映画祭」ということで、どんな作品を期待しているかなどお聞かせください。

僕が『呪いのビデオ』シリーズを始めたころって、心霊写真はあったけど動画はなかったんですよ。ビデオカメラがまだ浸透していないころです。そんなときに、「心霊動画」ってどうだろうと思いついて始めました。そんなふうに、「今だから思いついた」新しいホラーを期待しています。大事なのは考えることです。あなたなりの「怖い」が表れた作品をぜひ見せてください。

監督に質問!

——審査の基準はどんなものがありますか?

新しさや完成度などいくつか項目はありますが、今回は演者にも賞を設けようと思っているので出演者の方もぜひ頑張ってほしいです。

——一度も撮ったことがないのですが応募できますか?

もちろんです。スマホだけで撮れますし、たとえば役者がいなくても主観だけの動画やアニメなどもアリです。そういう工夫も楽しみにしています。

——募集しているホラー動画は心霊系だけですか?

いえ、いわゆるヒトコワ系でも、そのほかのものでも構いません。自分は何を「怖い」と感じるのか、見つめなおしてみてください。

※本記事は2021年7月号に掲載した記事を再掲載したものです。