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ドンバスから宇宙へ:歌舞伎町で開催される衝撃のアート展が問いかける「死」と「復活」の真髄

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報道発表
プレスリリースより

新宿・歌舞伎町のアートスペース「デカメロン」で、ウクライナ出身のアーティスト、マルコ・コロミツキーによる個展『Из Донбасса в Космос(ドンバスから宇宙へ)』が2025年7月18日から開催される。この展覧会は、現代社会への鋭い批評と新たな希望を提示する、注目すべきイベントとなりそうだ。

コロミツキーは、ウクライナのドンバス地方出身で、現在はパリを拠点に活動するアーティスト兼文筆家である。彼の作品は、言語、政治的記憶、形而上的コミュニケーションの関係を主題に、インスタレーション、サウンド、版画、パフォーマンス、文章など、多様な手法を駆使して表現されている。

本展の特徴は、コロミツキーが独自に発展させたロシア宇宙主義の概念「Citizen Zinc(亜鉛の市民)」にある。これは「戦争、官僚制度、見捨てられることといった現代のシステムの重圧によって命を落とした存在」を指す。展示では、この「Citizen Zinc」を描いたリトグラフや、それを作るためのマニュアル、さらには「死や惑星という限界を超えて生命を記録し、蘇らせ、延命させるため」のモニュメントなどが公開される。

コロミツキーの作品は、ドンバスでの厳しい経験や、ロシア宇宙主義、ロシア・アヴァンギャルドの影響を強く受けている。特に、ロシア宇宙主義の父ニコライ・フェードロフの「死は誤りである」という言葉は、彼の創作の根幹を成している。この思想は、コロミツキーが経験した母の死や、ウクライナ侵攻の激化といった個人的な出来事とも深く結びついている。

展示されるアート作品には、"Cosmist Performance"、"COW"、"IRA"、"Life of the Insect"、"The Man Who Got off the Bus"などがあり、コロミツキーの独特な世界観を体感できる。これらの作品を通じて、観客は現代社会への批評的視点と、新たな希望のあり方を見出すことができるだろう。

「デカメロン」は2020年に開廊した比較的新しいアートスペースだが、実験的な現代アートの展覧会を次々と開催し、注目を集めている。1階のバーは展示鑑賞前後にアーティストや観覧客が交流するコミュニケーションスペースとなっており、アートを通じた対話の場としても機能している。

この展覧会は、現代社会が直面する課題や、生と死の概念について深く考えさせられる機会となるだろう。アートファンはもちろん、社会問題や哲学に関心のある人々にとっても、見逃せない展示となりそうだ。7月18日から8月3日まで開催されるこの個展は、夏の歌舞伎町に新たな文化的刺激をもたらすことは間違いない。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000042926.html