鎌倉の歴史と自然が織りなす芸術の旅路 - 椎橋良太「時のトラバース」展が開催
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鎌倉の豊かな自然と悠久の歴史が織りなす風景を舞台に、現代美術作家・椎橋良太による展覧会「時のトラバース」が2025年9月12日から28日まで開催される。東アジア文化都市2025鎌倉市の事業の一環として行われるこの展覧会は、鎌倉市浄明寺のQuadrivium Ostiumと朝比奈切通を会場に、写真を素材とした彫刻的アプローチによる新作を中心に展開される。
椎橋良太は、彫刻家としてのバックグラウンドを持ちながら、写真という平面媒体を用いて立体的な表現を追求するアーティストとして知られる。韓国や中国でのアーティスト・イン・レジデンスを経験し、各地の山や空の風景を捉えた作品を制作してきた。今回の展覧会では、鎌倉の土地に潜む名もなき時間や歴史の痕跡に目を向け、自然と人間の境界に潜む生命のかたちを探求した新作が発表される。
展覧会期間中には、アーティストトークや参加型イベントも予定されている。9月14日には椎橋良太と熱海アートグラント2024ディレクターの吉田山による対談「風景に関わることについて」が開催。また9月20日には、鎌倉在住の現代アーティスト・マイケル・フランクをガイドに迎え、朝比奈切通を歩くイベント「椎橋良太、生意気マイケル・フランクと歩く朝比奈切通」が行われる。
会場となるQuadrivium Ostiumは、奥鎌倉と呼ばれる浄明寺エリアの山中に佇むギャラリー。自然光を取り入れた空間で、椎橋の中国・韓国、そして鎌倉での作品群に触れることができる。「美術館のような空間に住まう」をコンセプトに設計されたこの場所は、現代アートと古美術が共存する独特の雰囲気を醸し出している。
「時のトラバース」という展覧会タイトルは、登山用語で「山頂を登らずに中腹を横切るように進む」ことを意味する。椎橋は鎌倉の山や谷戸を歩き、リサーチを重ねることで、この土地特有の時間の流れや生命の形を作品に昇華させた。展示される作品群は、鎌倉の風景に潜む記憶と生命のかたちを浮かび上がらせ、観る者を時空を超えた旅へと誘う。
「時のトラバース」展は、アートを通じて鎌倉の新たな魅力を発見し、東アジアの文化交流を促進する貴重な機会となるだろう。歴史と自然が息づく鎌倉の地で、現代アートが織りなす新たな風景との出会いを体験してみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000077317.html