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【お悩み回答】どんな言葉を歌にするか|プリキュアやバーミヤン、猫ミーム…固有名詞入り短歌は古くなる?それでも詠む理由

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今回はこちらの質問について考えていきたいと思います。


流行りの人名や現象名を織り込んで作歌すると、賞味期限が極端に短い歌ができてしまいます。作らない方がよいでしょうか。

「良い短歌とはなにか」というような議論をする際に、よく出てくる話題です。結論からいうと、作らない方がよいということはないと考えています。どんな目的で、なぜ短歌を詠むかではないでしょうか。

私自身は「プリキュア」「バーミヤン」の短歌を詠んでいます。また、少し前に流行った猫ミームの短歌も詠みました。むしろ積極的に流行りを取り入れてみたいと思っている方です。なぜかというと、私は自分が生きている日々を詠むことに興味があるからです。

ただ、そういった流行りの人名や現象名を取り入れることに否定的な人もいます。和歌のように時代を超えて残るものを目指したい人、目指すべきだという人もいます。それは個人個人の自由なスタンスだと思います。ただどんな時代でも、はるか未来の人間が知っている作品よりも、その時代の人間が読んで共感し、未来には残らなかった作品の方がたくさんあっただろう、ということは忘れずにいたい気がします。「残す、残さない、残らない」にどこまで創作の意識を傾けるべきかは、自由だと思います。

もちろん、言葉は目まぐるしく変化するので、たとえば仮に詠んでから3年後に歌集にまとめようとしたとして、読み返したら「なんだか古くさいな」「いま読むと意味がわからないな」と思う短歌もでてくるかもしれませんね。固有名詞を入れると、そのものが無くなったり、トラブルを起こしたりして印象が変わるというリスクもあります。それが嫌なら避けてもいいのかもしれませんし、後から見返した際にカットしてもいいと思います。

つまり、自由です。ただ1点、企業や自治体などが主催するコンテストに応募し、採用されたいと思う場合には、主催者のイメージや競合に注意しましょう(そうでないと採用されにくい面は否めないと思います)。そぐわない作品は別の場所に発表するといいかもしれません。



語彙を増やすために努力してきたことは何かありますか?

私自身は「短歌のために語彙を増やそうとして取り組んできたこと」は特にないのですが、上記で述べたとおり、ミームや最近生まれた言葉、表現の変化などにも興味があります。

「本当はきちんと学ぶべきかも」とは思ってはいるのですが、言語学・音韻論にも興味があります。短歌は短い歌なので、創作時には音がとても気になります。この言葉は濁点の入り方が面白いとか、同じ母音だなとか、この歌詞はメロディの盛り上がりに合わせてだんだん口が開く言葉を使っているなとか、考えることが好きです。

例えば、ゴールデンボンバー「女々しくて」の歌詞を音で考えると「めめしくて めめしくて めめしくて」の部分は口が閉じた(ストレスの強い)音が弾丸のように打ち出されており、そこからの「つらーいよーおー」と一気に口を開く開放感が、聞いていてもカラオケで歌っていても心底気持ちよく、爆発的な人気になるのも頷けるなあと思います。

短歌を詠む人には、演劇やラップに興味がある人や関わってきた人が多い印象があります。私も長く演劇をやっていて、脚本を音読することが好きです。歌人は、意味だけでなく音にもグッとくる人が多いかもしれません。

作品や質問のご投稿ありがとうございました。
今月は、テーマ詠「卵料理」を募集しています。
テーマ詠は、お題の単語を短歌のなかに入れても入れなくてもOKです。そのテーマにあった短歌をお待ちしています。
どこかに応募した作品も、未発表も作品もぜひご投稿ください。(著作権がご自身にある作品に限ります)
分かち書き、句ごとの改行はしなくてOKです。採用されている短歌の書式をご参考に!

 
応募要項
応募規定 短歌(57577)を募集します。
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応募点数制限なし。
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締切 2025年9月30日
発表 2025年11月1日