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【挫折せずに長編小説を完結させるには】小説の書き方大全|執筆前の準備から応募前のチェックまで完全網羅

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原稿を書いて完結させて応募 執筆にとりかかろう

着想を得て構成ができたら、あとは粛々と書いていくだけ。途中で挫折しないように、最後の最後でしくじらないように、万全の体制で挑戦しよう!

取材の必要性は?

ネット環境があれば下調べは楽

取材というと普通は立ち入れない場所に許可をとって行くような印象がある。そういう取材もあるが、ここでの取材の多くはネットや資料を見て調べること。

そんなの面倒だと思う気持ちはよくわかる。仕方なくやる調べものは苦痛でしかない。そういう向きは、いっそ書いてしまうといい。

警察官による事情聴取の場面を書いたとしよう。知識も実体験もないと、まるでテレビドラマの焼き直しのようになり、そのとき、こう思う。「もっとリアルな描写をしたい。そのための資料がほしい」。そう思ってから調べると不思議と面倒くささがない。リアルに書くという目的があるので能動的になり、知識も身につくので、むしろ楽しいと感じる。それも図書館に行っていた時代は面倒だったが、今はネットがある。

下調べが必要なとき

法律・常識
離婚、相続、逮捕されたあとなどを書く場合、用語や手続きなどを調べる。法律のほか、これに準ずるもの、たとえば交通道徳なども必要があれば調べておく。

社会・世相
固有の社会、たとえば反社会的勢力について書くならその世界の常識などを、時代設定を昭和などにした場合は当時の世相などを調べ、事実との齟齬がないようにする。

歴史・事件
歴史時代小説は当然のこと、多少でも歴史とからむ小説であれば時代背景を、歴史的な事件があった場所を舞台とするならその事件と事件の周辺について調べておく。

職業・仕組み
身近でない職業、経験したことのない職業を主として扱うのなら関連書籍やネットで調べる。職業のほか、固有の仕組み、習慣などをもつ団体の場合は下調べが必要。

場所・交通
外国など自分の知らない土地、住んだことも行ったこともない場所を舞台とする必要がでてしまったなら、これも調べて土地勘をつけ、交通事情なども調べておく。

道具・ファッション
警察官であれば拳銃、鮮魚店であれば包丁、建築関係なら工具など道具について、また、主人公が服飾関係のおしゃれな若い人ならファッションについて調べておく。

長編執筆に関するよくある質問

大きな物語なので、神の視点でもいい?

神の視点で語るのは物語のアウトラインなどの説明だけにし、場面を語るのは人物にしましょう。神の視点(客観三人称)で書くと全部説明になってしまうので推奨はしませんが、やるなら語り手を二人にする手も。

ワープロの書式は、20字×20行でよい?

400字詰め換算10枚以下なら20字×20行でもいいですが、長編ではページをめくるのが大変になってきますので、40字×30行などがいいでしょう。もちろん、応募規定に指定があればそれに従ってください。

10枚の掌編なら書けるが、長編が書けるか不安

筆力そのものに不安があるのなら、掌編をたくさん書きましょう。100編書き上げる頃には相当筆力がついています。すぐに長編を書くなら、10枚の場面をリレーのようにつないでいく感覚で書いてみては?

二視点で書きたいが、書いていて混乱する

警察と犯人を交互に書くような場合、書いていて混乱するなら、「警察 場面1」「警察 場面2」…「犯人 場面1」「犯人 場面2」…のように細かく分け、警察編と犯人編を別々に書いてあとで統合するという手もあります。

長編の書き方で、奥の手はありますか?

直木賞作家の荻原浩さんは、思いついた場面から書き出し、「あとから編集方式」で書いたことがあるそうです。五十嵐貴久さんは、最初から本番のような詳しいプロットを書き、あとで細部をつめていくそうです。

100枚なら書けそうですが、500枚は書ける気がしません

第一幕100枚、第二幕前半100枚のように設定すれば400枚になり、100枚の短編を5編書けば500枚の連作短編になります(5編に共通する縦軸が必須)。100枚が書けるならこれを繰り返すだけだから書けるはずです。

執筆の心得

書く習慣と自分のペース

長編を書く場合は、急に思い立って完結というわけにはいかない。まず構想を練り、プロットを作る。

掌編ならプロットなしでも書けるが、これは暗算のようなもの。長編は構造が複雑だから暗算はできない。筆算をしよう。小説ではプロットがこれに当たる。

プロットができたら、または同時進行でスケジュールを立てよう。毎朝5時〜7時や、週末の午前8時〜午後3時までのように自分に無理のないスケジュールを組み、決めたら実行する。書くことが習慣になったら完結は近い。

やめる誘惑にそそのかされない

挫折するポイントは二つある。

一つは、書き出した途端、「面白くない」と思ってしまったとき。これは考えるスピードと書くスピードにギャップがあるだけで、決して作品自体がつまらないわけではない。とにかく前に進もう。

もう一つは、思い込みとの落差。「すいすい書ける」「早く完結させたい」と思った人はあてが外れる。長編では行き詰まるときもあるし、短期間ではとても完結しない。「これから長い道のりが始まる。一歩ずつ行こう」と覚悟できた人だけが完結に到達できる。

応募に関する規定について

未発表作品
未発表とは、新聞未掲載、商業出版もされていないもの。WEBに上げている作品も問題ないが、不可とする賞もあるので応募要項をよく見よう。

落選した作品
再応募も可能(最初に応募した賞が「応募作品の著作権は主催者」でないこと、再応募する賞が「別の賞に応募した作品は不可」でないこと)。

オリジナル作品
自分で書いたならストーリーは似ていても著作権上は問題ない。ただし設定も展開も引き写したようにそっくりだとオリジナルという点で問題に。

応募時のチェック表

最後にしくじったら元も子もない

締切日に応募し、1週間後に何か届いたと思ったら、なんと「宛先不明」で戻ってきたなんてことになったら最悪。今までの苦労が水の泡だ。

原稿をプリントする段階でページ番号を入れ忘れたり、プリントされていないページがあったり、表紙や必要事項を書いた紙を付け忘れたりは、審査の対象外とまではいかなくても、注意すれば防げるミスだ。そうならないようにチェック表を作り、すべて確認してから応募しよう。

応募最終チェック表

郵送後、差し戻されたりしないか、規定違反はないか、選考に影響がないかという観点でポイントを挙げた。

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推敲チェックポイント

モチーフ・構成の推敲

推敲の第1段階。作品を大局的に見て、大がかりな修正になる箇所や話が成り立たなくなる箇所はないかチェック!

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文章・表現の推敲

推敲の第2段階。段落のまとまり、流れ、段落と段落の関係、文章のつながり、表現方法など文章の書き方をチェック!

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用語用字の推敲

推敲の最終段階。文章を読むというより、一文字一文字を記号として見て表記が正しいかどうかチェック!

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ワーク:これまでに学んだことを生かし、応募締切までに書き上げ、文学賞に応募しよう。

※本記事は2022年1月号に掲載した記事を再掲載したものです。