公募Q&A「応募」 WEBで公開した作品で応募できる公募は?
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WEBコミュニティー内で公開してしまいましたが、その作品で応募できる公募はありますか。
WEBで発表した作品の扱いについては、「規定されていない」「対象外」「対象」に分かれます。
WEBでも発表した作品は本来、選考の対象外だが、応募OKとする公募も!
WEBコミュニティーは会員だけの閉ざされたオンラインサロンのようなものから、オープンのものまでありますが、いずれにしてもそこで公表した作品ということは「WEBで発表した作品」ということになります。これが「未発表作品」に含まれるかどうかですね。
ジャンルにもよりますね。エッセイや作文では「未発表作品に限る」とは書かれていても、「WEBで発表した作品」にまで言及している公募はまずありません。
エッセイや作文はWEBで発表しても話題にはなりにくいですし、枚数も短いですから容易に書き直せます。程度にもよりますが、一から書き直せば別の作品です。
未発表作品かどうかを問題にするのは、多くは小説です。
小説の場合は受賞作を出版して販売するという事情がありますから、すでに多くの人に知られている作品では新しさが薄れます。
もちろん、小さなWEBコミュニティーでは「多くの人」ではないと思いますが、WEBですから「多くの人」になる可能性はあります。
ただ、すべてNGかというとそうではなく、文学賞にもよります。
大別すると、WEBで発表した作品の扱いについては、以下の三つがあります。
【何も規定されていない】
エッセイや作文と同様、WEBで発表した作品が選考の対象になるかどうか、応募要項に記載がないパターンです。
比較的小規模の公募では記載がないことが多いですが、なぜ記載がないかというと……他社の公募では推測でしか言えませんので、公募ガイド社の「小説でもどうぞ」を例にとりましょう。
ご存じのように「小説でもどうぞ」では「未発表作品に限る」とはしていますが、WEBで発表した作品が可か不可かは規定していません。受賞作を出版するわけでもありませんし、「問題になることを想定していない」というのが実際です。問題が起きたら、そのときに考えればいいというスタンスです。
こうした公募の場合は、WEBで発表した作品でも問題なさそうです。
ただし、応募の際はWEBから作品を削除してください。
【WEBで発表した作品は不可】
ざっと見たところ、大手出版社の文学賞にこのタイプが多い印象です。
一例を挙げてみましょう。
(群像新人文学賞)
(オール讀物歴史時代小説新人賞)
公表したものは一律だめということです。
SNSなどには「○○友の会」のようなものがあり、なかには10人ぐらいで細々とやっている会もありそうですが、それも対象外のようです。
こうした文学賞には、WEBで発表した作品では応募できません。
WEBコミュニティーに関わっている人はご注意ください。
【WEBで発表した作品は可】
一方、WEBで発表した作品でも営利目的でないWEBサイトならよしとするという文学賞もあります。
こちらも一例を挙げてみましょう。
(文學界新人賞)
(大藪春彦新人賞)
こちらの場合は、「営利目的でないサイトならOK」です。
ただ、最終的な可否は実物を見て主催者側が判断しますので、「その旨を明記してください」ということのようです。
この規定はライトノベルやWEB小説の賞も同様です。
※営利目的でない個人のWEBサイト等、またネット上での公開作品は未発表とみなし応募可能です。同人誌等での公開済み作品も同様に未発表とみなします。ただし、必ず掲載したWEBサイト名や同人誌名等を明記してください。
(集英社ライトノベル新人賞)
(スニーカー大賞)
若い人は、デビューするまでずっと非公表にしておくということができないようですね。
なぜでしょうか。承認欲求もあるでしょうが、やはり、周囲の環境の影響です。
周りはばんばんWEBで作品を公開し、読んだ人に「すごいね」「面白かったよ」と言われているのに、「なんで私だけ一人で作品を抱えていなければならないの」となって、「受賞するかわからないから応募はやめて、WEBで公開しよう」となるんですね。
主催者としてはつらいところですが、こうした作品まで対象外としていたら応募も集まりにくいですし、あたら秀作を取りこぼすことになるという判断もあるようです。
ということで、WEBコミュニティーで発表してしまった作品は、WEBでの発表について規定されていない公募か、規定上、WEBで発表した作品は未発表作品とみなすとなっている文学賞なら応募可能です。