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公募Q&A「応募」 年齢や性別は審査に影響する?

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応募時に年齢や性別を書くよう指定されていることがよくありますが、審査に影響するのでしょうか。

年齢や性別が審査に影響することはまずありません。

必要事項は著名人でいうプロフィール

応募の標準必要事項を挙げると、「郵便番号、住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号」になるでしょうか。「郵便番号、住所、氏名、電話番号」は賞品の発送用として、あるいは、記入事項に不備があったときの問い合わせのために必要と理解できますが、「『年齢、性別、職業』はなんのために書かせるのだろう」「選考に使うのだろうか」ということは昔からよく言われていました。

そもそもなぜ必要事項を書かせるのでしょうか。そのルーツは新聞投稿にあります。新聞投稿(投書)では、原稿の前後に「東京都・山田和子・30歳・専業主婦」のように書かれています。これは投稿内容の背景を示すためにあります。著名人でいう「プロフィール」ですね。

たとえば、教育について投書が掲載されていたとしましょう。で、これを読むとき、この意見の背景は「30歳・専業主婦」なんだというように理解するわけです。だからどうということではなく、「年齢不詳、職業不詳」ではなんともイメージがわかないから添えているのですね。
現実には「30歳・専業主婦」といってもいろいろですが、これがあると書き手の顔が見えて理解が深まる気がするということです。

この慣例が公募にも流用されて、応募時に必要事項を書かせるようになったわけですが、「年齢、性別、職業」は絶対必要かというと、そうでもありません。ほとんどの公募ではなくても支障がないと思います。あっても困らないからという理由で、慣例的に書いてもらっている主催者も多いと思われます。

選考には使わないが、あると便利という面も

逆に「年齢、性別、職業」があってよかったと思うケースを考えてみましょう。

・電話連絡のときに目安にする
住所の不備などがあって問い合わせるとき、「会社員だから昼間は不在かな」というような使い方をする。

・同姓同名かどうか区別する
抽選の賞を大量に選んで同姓同名の人がいたとき、年齢などによって同一人物か別人か判断する材料とする。

・新聞報道するときに使う
受賞結果をプレス発表する際、必要事項がわかっていると、改めて聞く手間が省ける。

・部門違いがわかる
一般部門に応募してきているが、「15歳・中学生」とあったので、ジュニア部門の書き間違いだとわかり、正しい部門に入れられる。

・資料としてまとめる
応募資料として「男女比」「年齢別割合」などのグラフや表を作るときに使う。

こうしたことがありますので、あらかじめ書いてもらうようにしていると、そうした事情もあるようです。

公的団体では、年齢が偏らないようにする場合も!

「年齢、性別、職業」は選考に絶対影響がないのか考えてみましょう。
「性別、職業」が選考に影響したという話は聞いたことがありませんが、「年齢」はたまに聞きます。

公的団体の主催者に多いですが、年齢の偏りをなくすため、各年代からバランスよく採用者を選ぶことがあります。モニターの場合がそうですね。採用者は年齢も職業も居住地もあまり偏らないようにします。

公的団体が作品募集を行う場合も、偏向に配慮することがあります。
さすがに上位の作品については作品本位で選考しますが、全体を見渡して、「男性ばかりだ」「10代ばかりだ」「全員東京の人だ」となったら、選考基準がおかしいのではないかとクレームが来るかもと恐れるのですね。それで下のほうの賞に違う属性の人を何名か入れておくといったことをすることがまれにあるそうです。もちろん、優劣つけがたい作品に限ります。

年齢を言いわけにせず、年齢を感じさせない作品を!

プロを発掘するような公募はどうでしょうか。
単に「小説募集」というだけなら、もっとも優れた作品が受賞すればいいことです。
しかし、プロの登竜門的な文学賞などでは、「その後、プロとしてやっていけるかどうか」という将来性も重要なポイントになります。

ただ、かつてはこの将来性の中に「若い」ということが含まれていた時代もありましたが、今は一部の人気作家が出版社を背負って立つという時代ではありませんし、作家の全盛期は10年と言われていますので、デビューできる年齢が上がっています。人生100年時代ですから、70歳でデビューし、80歳まで頑張ればいいとも言えます。
この傾向は2014年に黒田夏子さんが75歳で芥川賞を受賞して以来、明確になりました。今、60代で受賞してもニュースにもなりません。

ただ、ライトノベルは厳しいかもしれません。作者は読者の10歳ぐらい上がちょうどいいと言いますが、そうなるとライトノベル作家のデビューは遅くとも40代が限度。
加えて、ライトノベルの世界は量産が必須です。年齢不問とはいえ、70歳の応募者がいたら、体力的に無理と判断されるかもしれません。一般文芸と違い、ライトノベルは年に4冊ペースで新刊を出していきますので、多作速筆でないとやっていけないという面があります。

同様に脚本も厳しいと言われています。
数年前に、「書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」という生田斗真主演のドラマがありましたが、脚本家はプロデューサーやディレクターに使われる立場です。50代以上はちょっと使いづらいかもしれません。

「年齢、性別、職業」が選考に影響しているかは、確かに気になるものです。
作品を読む前に「70歳、はい、ボツ」とはなりませんが、「70歳ではセンスも古そう」という先入観を持たれてしまう不安はあります。反対に「15歳では大した人生哲学もないだろう」となめてかかられるリスクを感じなくもありません。

しかし、実年齢はどうにもなりません。70歳は70歳だし、15歳は15歳です。
決して年齢を言いわけにせず、「さすが70歳は違う」「15歳とは思えない」という作品を目指しましょう。

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