落選供養をもっと楽しむ! 「落選作品活用術」
- タグ
- Pickup!
小説やエッセイ、俳句・短歌、イラスト、写真、どのコンテストでも、入選作より落選作の方が何倍も多いのが現実です。たくさん応募すればするほど、誰だって落選作が手元に残るもの。応募することで入選するチャンスが広がり、応募することで落選作品も生まれる……これは仕方のないことです。
ただ、落選したからといって、その作品に価値がないわけではありません。これもまた、まぎれもない事実! コンテストに落選した作品をしまいこんだり、無かったことにしたりしていませんか。もしかしたらあなたの作品を誰かが待っているかもしれません。
今回は、落選した作品の活用術を4つご紹介。どんなジャンルに取り組む方も、ぜひ一度チェックしてみてください!
その1 他の公募に応募しなおす
どのコンテストにも開催の「狙い」があります。たとえば、文芸誌の新人賞ならその文芸誌からデビューさせたい作家を探すため、漫画誌や漫画サイトはそこで将来的に連載できる漫画家を見出すためです。町おこし系の公募なら、ダークな内容よりも明るいものが受け入れられやすいかも。
このように、いくら魅力のある作品でも、その場にふさわしくなければ受賞を逃してしまうケースは多々あります。
落選作品を別のコンテストに応募して入選し、デビューを果たした作家や漫画家は数多くいます。特に漫画賞では「他の賞で落選した作品も歓迎する」と明記している公募も。応募のしなおし自体は、一概にNGではありません。
ただし、落選作品を他の公募に流用する場合は以下の点に注意が必要です。
・落選作品の権利(著作権)が自分にあるか?
・落選作品を再応募するコンテストに「他のコンテストに応募した作品はNG」という規定がないか?
上記の2点は必ず確認を。コンテストのなかには「応募作品の著作権は主催者に帰属」というものもあります。その場合、たとえ入選していなくても、自分の作品をそのまま勝手に使用することはできません。
落選したコンテストも、これから応募するコンテストも、規定をすみずみまでよく確認しましょう。
また、以下の点にも気をつけたいものです。
・落選した理由が必ずあるはず。その理由を考えるべし。
・再度応募する前に冷静に見直して、改善できる点は改善するべし。
一度は落選したのであれば、その理由は必ず考えましょう。「応募したコンテストと、自分の作品の系統が違った」と思うなら、次は応募する先を厳選したほうがよさそうです。
小説や漫画の場合、落選作の設定やプロットを要素ごとに分け、一部の要素のみを生かして別の作品をつくる、という手法を採用する人もいます。高度な技ですが、良いところだけを残し、あとは思いきって捨てるのも大切な判断。どんどん洗練された作品になりそうですね。
その2 WEB上で作品を発表する
公募に応募するだけが創作活動ではありません。インターネットが普及した今、WEB上で作品を発表する人はたくさんいます。発表すれば誰かから感想がもらえるかもしれません。
なかには、「SNSで作品を発表しつづけていたら、それを見た会社から仕事の依頼がきた」という人も。特に漫画やイラスト、動画の分野ではそのようなケースが増えてきました。実は筆者の知人も、ブログに小説を投稿していたらデビューの話がきたそうです(実話です)。
WEBで発表するのは、インターネットに接続できれば(この記事を読めている方なら)簡単です。多くの人が閲覧する「投稿サイト」を利用するのがおすすめ。ただし、ジャンル別におすすめの投稿サイトは異なります。どのサイトも登録は無料です。以下を参考に選んでみてくださいね!
X(旧Twitter)
漫画、イラスト、俳句・川柳・短歌向け。無料プランは1回に140字以内の文字が投稿できる。人から人にシェアされて拡散される「バズる」現象が起きると話題になり、そこからプロデビューに至るケースも。
写真向け。Instagram経由で応募する写真の公募も増加中。公募ガイド社の公式アカウントでも写真公募を開催することも。写真仲間がたくさん見つかるかも。イラストも可。
note
小説、エッセイ、漫画向け。物書きのために作られたサイトなので、初心者でも書きやすい。サイト内でさまざまなイベントがあり、気軽に参加できる。
pixiv
イラスト、漫画向け。二次創作などの投稿も多い。プロも多く使用している。
小説投稿サイト
小説向け。カクヨム、小説家になろう、魔法のiらんど、エブリスタ、野いちごなど。それぞれ、二次創作、女性向け、ファンタジー向けなど、強いジャンルが異なるので自分の作品にマッチするサイトを探すと◎。
関連記事:ネットの海で物語る【第10回】小説投稿サイトの特徴を見極める
漫画投稿サイト
漫画向け。少年漫画のジャンプルーキー、少女漫画のマンガMeets、白泉社のマンガラボ!など、作品のジャンルや運営出版社で選ぶのがオススメ。