日本の方言っておもしろい! 何種類ある? どう広まった?(1/2)
関西弁、博多弁、東北弁……。同じ日本語のはずなのに、地域によって特徴が異なる「方言」。自分のふるさとの方言はもちろん、遠い地域の方言に魅力を感じた経験もあるのではないでしょうか。
この記事では、日本における方言の数や、現在使われている方言が広まった過程などについて解説します。公募・創作の視点から見た方言の面白さも取り上げるのでぜひ最後までお読みください♪
日本に方言ってどのくらいあるの? 特徴は?
東条操が提唱した「方言区画」の考え方によると、現在の日本にはだいたい16種類ほどの方言が存在すると考えられています。これは諸説あるうちの一例ですが、「意外と多い!」「もっとたくさん種類があると思った!」という声も。皆さんはどう感じたでしょうか。
<方言区画による16の方言(赤字部分)>
日本に息づく数多くの方言の中には、皆さんが耳にしたことがあるものも少なくありません。たとえば、関西弁として触れる機会が多い「おおきに」「ほんま」といった近畿方言、「~やけん」などのやわらかさやかわいさが魅力でもある四国方言、難しすぎてまったく聞き取れない!と言われることもある東北方言……。また、「方言がない」と思われがちな関東にも、実は関東方言が存在するんです。日本語のバリエーションの豊富さが見て取れますね。
また、日本語の方言の特徴として、「東日本と西日本の区分」は外せません。「なおす」という言葉を例に挙げてみましょう。関東では「修理・修繕する」という意味が根強いですが、関西では「片づける」「ものをもとに戻す」といった意味で使われることが目立ちます。
こうした使われ方の違いは、「糸魚川市~浜名湖間の日本アルプス」の存在が関係していると考えられているとか。日本列島の中心部分に広大な山脈があることで、東西間の文化交流が難しくなったと推測されています。該当エリアにはフォッサマグナが位置していることもあり、日本の方言が地形や地質と強い関連性を持っていることがうかがえますね。
方言はどうやって今の形になった?
「新しいことばが各地方に伝わるまでに時間がかかること」「各地方の言葉がそれぞれ発展したこと」によって、日本の方言は形作られたと考えられています。
明治維新によって日本社会がさまざまな観点で変化を迎えたころ、方言の撲滅や標準語の拡大が叫ばれるようになりました。ちなみに、標準語は東京の一部で使われていた「山の手言葉」をもとに作られたという説があります。
しかし、今も私たちが方言を使っていることからわかるように、結果的に方言は消滅せず各地域に残りました。「プライベートではない場では標準語」「プライベートの場では方言」といった言葉の使い分けは、こういった流れから来ているのではないでしょうか。