あなたとよむ短歌 vol.48 テーマ詠「はじめる」結果発表 ~短歌のつくりかた~(3/3)
今回も質問が寄せられたので、いくつかご紹介したいと思います。
短歌のお題にとらわれすぎて、頭が固くなりがちなときは
何を心がけたら良いでしょうか?
てっとりばやくて誰でもできる方法としては、一枚紙を用意し、お題やテーマを中央に書き、その周りにお題から連想した言葉をひたすら書いていくことです。
たとえば、今回のお題の「はじめる」であれば、「新学期」「引越し」「習い事」「自転車の練習」「推し活」「書き初め」「下ごしらえ」など、ためらわずに書いていきます。短歌になる・ならないは一切考えません。出つくしたと思ったら、それを眺めて自分の体験や思い出に心当たりがないか探していきます。そうすると、意外なところから短歌の種が見つかるかもしれません。
テーマ詠だと、似たようなものが集まってしまうことはよくありますか?
その場合はすぐボツになるのですか?
他のコンテストや選者の方ひとりひとりのケースまではわかりませんが、この「あなたとよむ短歌」では、普段はそこまで似たものが集まる印象はありません(毎回400首近くご応募があります)。ただ、テーマによっては確かに似た切り口のものが集まったこともあります。
たとえばテーマ詠「記念日」では、俵万智さんの「サラダ記念日」のオマージュが多く寄せられました。
類想(似た発想をした作品のこと)だからといって切り捨てるようなことはしません。類想のなかでも、際立った個性がある作品であれば、それは輝いてみえると思います。
私は仕事中や散歩中によく短歌が浮かびますが、
柴田さんはどんな時に短歌を思いつきますか?
きっちり集中して詠むタイプでしょうか?
短歌のつくりかたですが、これは本当に面白いほど、歌人によって違います。以前、複数の歌人が集まったトークイベントでその話題になったとき、あまりにも各人で違っていて驚きました。
投稿者さんは、仕事中や散歩中に短歌が浮かんだとき、どのように記録されていますか? スマホでしょうか、それともメモとペンを持ち歩いていますか? 私もぜひ伺いたいです。
ちなみに私自身ですが、短歌そのものではなく、だいたいは言葉のフレーズで思いつきます。それを忘れないうちにスマホのメモに残しておきます。
そこまではいつでもできるのですが、それらを短歌にするには、私の場合は話しかけられない環境が必要です。私には子どもがいるのですが、子どもがまもなく帰宅するときや、用事がありそうな時間帯にはとてもつくれません。
誰にも話しかけられない時間を30分でも確保できたら、スマホのメモを開き、グッと集中して歌にします。推敲を重ねて「これだ!」と思ったら完成です。
作品や質問のご投稿ありがとうございました。引き続き、テーマ詠「宇宙」を募集しています。 テーマ詠は、お題の単語を短歌のなかに入れても入れなくてもOKです。そのテーマにあった短歌をお待ちしています。 どこかに応募した作品も、未発表も作品もぜひご投稿ください。(著作権がご自身にある作品に限ります)
応募規定 | 短歌(57577)を募集します。 テーマは「宇宙」。 応募点数制限なし。 応募フォームに柴田さんへの質問欄を設けています。短歌のことや、作品づくりについて選者:柴田葵さんに質問があればご自由にお書きください。匿名で質問内容とその回答を記事に掲載させていただく場合があります。必ずしも回答があるわけではございませんので、ご了承ください。 |
応募方法 | 応募フォームもしくはTwitterでご応募ください。Twitterの場合は公募ガイド公式アカウント「@kouboguide」をフォローして、ハッシュタグ「#あなたとよむ短歌宇宙」をつけてツイートしてください。 ※応募者には、弊社から公募やイベントに関する情報をお知らせする場合があります。 |
賞 | 最優秀賞1点=Amazonギフト券3000円分 優秀賞2点=Amazonギフト券1000円分 佳作数点=ウェブ掲載 ※該当作品なしの場合があります。 ※作品を記事内で推敲する場合があります。 ※発送は発表月末~翌月頭を予定しております。 |
締切 | 2024年3月31日 |
発表 | 2024年5月1日 |