あなたとよむ短歌 vol.49 テーマ詠「アニメ・マンガ」結果発表 ~「い抜き」言葉について考える~(3/3)
今回は、共通するポイントで気にかかる短歌が複数ありました。ご紹介します。
サザエさん10歳の頃始まって60過ぎてもいまだやってる
かめはめ波君のこころへ届けてるなにも知らずに桜は散って
カツオより年上という現実に慣れてないままアラフォーになる
この3首の共通する「気になりポイント」、おわかりでしょうか。そう、「い抜き」言葉です。
「やってる」「届けてる」「慣れてない」は、文法的に正しく書くならば「やっている」「届けている」「慣れていない」です。気楽に喋っているときには、むしろ「い」を発音しないことの方が多いかもしれません。短歌においても「い抜き」言葉を使っている秀歌はたくさんあります。でも、ちょっと考えてみましょう。
短歌はたしかに「短い歌」ではありますが、誰かに届ける場合には(投稿するということは、誰かに読んでもらうということです)音ではなく文字で届けるのが基本です。 つまり、どうしても「書き言葉」的な側面が拭えません。安易な「い抜き」言葉は、単純な音数合わせの印象や、幼い印象を与えるリスクがあります。本当に「い抜き」言葉を使うのが効果的なのか、考えてみる必要があります。
「い抜き」言葉を避ける改作例を考えてみました。いろいろ試してみて「やっぱり元のものがいい!」と思えば、それが一番です。比べて、ぜひ検討してみてください。
サザエさん10歳の頃始まって60過ぎてもまだやっている
かめはめ波君のこころへ届けたいなにも知らずに桜は散って
カツオより年上という現実に慣れないままにアラフォーとなる
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発表 | 2024年6月1日 |