文芸公募ニュース 9.13更新 文学賞発表情報
毎月第2・第4金曜日の「文芸公募ニュース」の9.13分更新です。
先日、ある作家の小説指南本を読んでいたら、「文学賞の選評にはあれほどオリジナリティーをと書かれているのに、そういう作品は一向に送られてこない。作家志望者は日本語がわからないらしい」とあり、「厳しい!」と財津一郎のように言ってしまいました。
それはともかく、応募した方は必ず選評を見ましょう。できれば文芸誌を買って読むと、きっとご利益がありますよ!
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第12回ハヤカワSFコンテスト
8月30日(金)、第12回ハヤカワSFコンテストの最終選考会が、東浩紀、小川一水、神林長平、菅浩江、早川書房編集部長・塩澤の5氏により行われ、以下のように決定した。
大賞の賞金は50万円ずつ、大賞2作は2025年1月に単行本で刊行、優秀賞受賞作を2025年2月に刊行予定。
入選作
大賞
「コミケへの聖歌」カスガ
「羊式型人間模擬機」犬怪寅日子
優秀作
「マイ・ゴーストリー・フレンド」カリベユウキ
詳細はこちら(https://www.hayakawa-online.co.jp/new/2024-09-03-170006.html)
「コミケへの聖歌」あらすじ
二十一世紀半ばに文明は滅んだ。東京は赤い霧に包まれ、そこから戻って来た者はいない。山奥の僻村イリス沢に生き残った少数の人々は、原始的な農耕と苛酷な封建制の下で命を繋いでいる。そんな時代でも、少女たちは廃屋を改造した〈部室〉に集まり、タンポポの〈お茶〉を優雅に楽しみながら、友情に、部活に、マンガにと、青春を謳歌する。彼女ら《イリス漫画同好会》の次なる目標は〈コミケ〉、それは旧時代に東京の海辺に存在したマンガの楽園だ。文明の放課後を描く、ポストアポカリプス部活SF。
「羊式型人間模擬機」あらすじ
当主が死の間際に羊になる一族に仕える「わたくし」は、「御羊」と呼ばれるその肉体を解体し、血族に食べさせることを生業とするアンドロイドである。一族では御羊の肉を口にしてはじめて一人前の人間として認められるのだが、病弱だった前当主は早逝しており、その子供たちは未だ御羊を味わったことがない。ある朝、先代の父である大旦那が御羊になっているのを発見した「わたくし」は一族にそれを報せに走るが、彼らはそれぞれに複雑な思いを抱えていた。非生命体視点で人間の本質を描きだした、神林長平氏絶賛の幻想SF。
第6回ことばと新人賞
「ことばと」編集長の佐々木敦氏と編集部が全応募作を読んだうえで、1次選考で16編に、2次選考で7編に絞り込み、さらに最終選考候補作5編を選出。
江國香織、滝口悠生、豊﨑由美、山下澄人、佐々木敦の5氏による最終選考の結果、大賞は該当作なし、佳作は以下の通り、2編選出された。応募総数は273編だった。
入選作
大賞
該当作なし
佳作
井村日出夫「教室教室」
福原悠介「何もない部屋」
詳細はこちら
(http://www.kankanbou.com/kotobatoaward/)
第2回~第5回まで受賞作が出ていたが、第1回以来、二度目の該当作なしでした。「ことばと」vol.8に最終選考会の討議および佳作の2作、受賞のことばが掲載されるそうです。皆さんも読んでみてください。
清流の国ぎふショートショート文芸賞
岐阜県出身の直木賞作家の米澤穂信氏を特別審査員とし、応募総数849編の中から文芸大賞1点、特別審査員賞1点、優秀賞10点を決定した。
入選作
文芸大賞
「ペットボトル・プリズン」成迫主馬(佐賀県)
特別審査員賞
「手引きのようなもの」井之辺俊(京都府)
優秀賞
「指輪の秘密」内田東良(東京都)
「柔らかい朝陽」加賀心理(大垣市)
「そよ風が吹いたから」片岡紋子(三重県)
「鵜匠の宿」相良文雄(神奈川県)
「初めてのパチンコ」桜井ひじり(瑞穂市)
「左手のピアニスト」高橋菜穂子(大阪府)
「赤い三角屋根の家」高山佳樹(愛知県)
「君、死にたまふことなかれ」戸田和樹(京都府)
「カナコー」林晋作(和歌山県)
「可愛いわたし」結城熊雄(東京都)
詳細はこちら
(https://www.g-kyoubun.or.jp/soshiki/4/short2.html)
10/27(日)に、岐阜県図書館1階で、清流の国ぎふショートショート文芸賞「みんなで書こう!『3枚の物語』の表彰式、および米澤穂信さんの講演会が行われます。
希望者はハガキで申し込んでください。応募要項はWEBを参照。定員200名以上は抽選。9/25(必着)。
第15回「あなたの『おいしい記憶』をおしえてください。」コンテスト
読売新聞社と中央公論新社主催、キッコーマン協賛の「あなたの『おいしい記憶』をおしえてください。」コンテストの結果が決まった。
入選作
一般の部
キッコーマン賞
「141枚のお好みやき」 森田愛(福岡県・51歳)
読売新聞社賞
「八重山そば食うたらなんとかなる!」秋元勇作(東京都・21歳)
優秀賞
「イワナ」近英泰(東京都・51歳)
「ウヂのジンギスカン」髙谷由美子(青森県・72歳)
「すきやきのうす切り大根」赤松光子(神奈川県・88歳)
「少し固めの稲荷ずし」櫻井俊甫(大阪府・89歳)
「祖母のコロッケ」甲斐来実(東京都・13歳)
「父が繋いだバトン」後藤結子(東京都・29歳)
「特別な魯肉飯」小野田華乃(東京都・25歳)
「二人で食べた一つの弁当」長谷川潤(滋賀県・63歳)
「モッ、ハイ、バー! ヨー!」吹田健一郎(東京都・56歳)
「夜の浜辺で」中村いつる(福井県・30歳)
詳細はこちら
(https://yab.yomiuri.co.jp/adv/oishiikioku/)
全入賞作品がWEBで読めます。笑顔や優しさ、活力などを与えてくれる作文をぜひともご鑑賞ください。あなたの次の作品のヒントになるかも!