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【新人賞応募の基本】文学賞応募前に知っておきたい! 応募マナーと推敲の手順

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応募マニュアル編

応募の際の注意事項、応募規定にもあるオモテとウラを解説!

二重投稿は禁じ手ですか。

ヒルモ:同じ作品を複数の公募に応募することを二重投稿と言い、禁じられています。ダブって受賞したら著作権者が複数いることになりますし、受賞を辞退されても困ります。再応募するなら落選が決まってからにし、中身も再考して書き直して応募を!

ヨルモ:落選した作品は根本的な欠陥を直さない限り、再応募しても意味がないけど、例外中の例外として、作品は受賞レベルだけど、賞の趣旨と合わなかったということも。課題があるのに気づかずに応募してしまったとか、枚数を間違えたとか。そういう場合は軽い手直しで済む場合も!

ストーリー自体はまねしても問題ないですか。

ヒルモ:ストーリーは著作権で保護されません。誰かに独占させるのではなく、社会の共有財産にして文化を発展させようという趣旨です。文章的にも引き写したようにそっくりでなければ著作権的にも問題ないですし、換骨奪胎は創作の基本です。

ヨルモ:盗作の問題と著作権の問題は別と考えたほうがいいね。著作権的にはセーフでも、「これは同じ作品だよ、リライトしたんだよ」と言われたらだめだよね。既存の作品とそっくりでは誰も納得しないし、受賞者も喜べない。社会的にアウトだね。

締め切りぎりぎりまで推敲したほうがいい?

ヒルモ:「締め切りまでまだ2カ月もあるけど、書き上がったから応募しよう」ではなく、さらに見直ししましょう。推敲すればするほどよくなります。時には致命的なミスや大幅に直したい箇所が見つかったりします。応募してからは訂正できませんので慎重に!

ヨルモ:推敲はきりがない。十分やったと思ったらすっぱり覚悟を決めて応募するのも手。でないと、ほかの作品に手がつけられない。それとあまりにもぎりぎりすぎると、宛て先違いで戻ってきてしまったときに困る。無理して締切日まで待たなくていいかと。

手書き原稿でも問題ないですよね?

ヒルモ:規定で「データ原稿に限る」「WEB 応募限定」のようになっていないならOK。手書きでも楷書で書いてあれば読みやすいし、おかしな書式のデータ原稿よりずっといい。手書きの味わい、勢いみたいなものを感じる原稿もあります。

ヨルモ:選考はされますが、印象はよくないね。「才能ある人がパソコンを使えないはずがない。進取の気概のない人は作品もそうだろう」と思われてしまうんですね。川柳、コピーなどは手書きもまだ入選していますが、文学賞はつらいかな。

入選に年齢は関係ないですよね?

ヒルモ:年齢制限がないなら、若くても高齢でもかまいません。2013年に黒田夏子さんが75歳で、2018年には若竹千佐子さんが63歳で芥川賞を受賞し、高齢者も期待されています。若い人に交じって頑張ってください。

ヨルモ:年齢は関係ないけど、ライトノベルは読者の年齢層プラス10歳の20~30代、一般文芸は40~50代の受賞が多いかな。一般文芸の純文学系新人賞は一から育てたいのか若い子が多い気がする。放送局系の脚本募集も同様。

カテゴリーエラーは気にしたほうがいい?

ヒルモ:エンタメ小説の賞なのに純文学作品を送ったり、純文学の賞なのにライトノベルを送ったり、本格推理の賞なのに広義のミステリーを送ったりしても受賞しません。賞の中に「ミステリー部門」のようにある場合もご注意を!

ヨルモ:本格推理とSFは別ですが、これ以外は境界線が明確ではないですし、純文学にしてエンターテインメント小説という作品もあり得ますので、神経質にならなくていい。また、あえてカテゴリーエラーをさせて目立つという手も!

あらすじは結末まで書くのですよね?

ヒルモ:あらすじを付ける規定になっている文学賞もありますが、その際、文庫の裏表紙の作品紹介のように序盤の筋だけ書いて、あとを濁すのはだめ。結末まで書く。また、「渾身の一作」のような筋でないことは書かないこと。

ヨルモ:あらすじとは何かを考えてみよう。文字どおり、大まかな筋だね。逆に言えば、大まかでない筋は書かなくていいということだよ。「何がどうしてどうなった」と結末まで書くけど、細部やトリックは筋ではないよね。

40字×30行は原稿用紙換算3枚ですか。

ヒルモ:40字×30行は1200字で、400字詰め原稿用紙3枚も1200字だけど、改行したときにできる空白の字数が違うのでイコールにはなりません。画面上で20字×20字にして、最終ページを見れば換算枚数がわかります。

ヨルモ:ところが、「400字詰め原稿用紙300枚」という規定で、「ワープロ原稿は40字×30行で100枚」と規定している賞も。これではワープロ原稿のほうが規定枚数が短いことになるが、規定なら仕方ない。悪法も法なり。

知っておこう! 正しい推敲の手順

①構成・バランスを見る

推敲は、「あとで直すのは大変」というところから始める。具体的には構成とバランス。起承転結で言うなら、転がないとか、あっても結に向かっていないなどの齟齬をチェックする。また、起が長い、むだな説明があるなどバランスも見る。

②文章を磨く

大改修になる芽を摘んだら、今度は少し細かく見ていく。たとえば、流して書いた描写文を改めて丁寧に書いたり、前後の文章を入れ替えたり、セリフに連動する説明文を工夫したり、不足を埋めたり、余分を削ったり、一文を磨いたりする。

③用語・ファクトチェック

最終チェックに入る。テニヲハの確認、テンの位置と過不足、用語用字の適切さ、表記の不統一、改行一字下げの確認、曖昧表現、二重に解釈できる文はないか、語順、係り受け、書式などをチェック。また、事実、固有名詞の確認もする。

初心者は気をつけよう! 原稿のこんな常識!

縦書きは右綴じ

文芸公募では「原稿は綴じる」という規定があることがあるが、ビジネス文書(横書き)は左綴じのため、そうしてしまう人も。縦書きの場合は右綴じにする。

綴じはヒモよりクリップ

従来は原稿にパンチで穴を空け、ヒモで綴じたが、この穴がコピーの際に紙詰まりの原因になる。長い作品は適正なサイズのバインダークリップを使おう。

タイトル・氏名忘れずに

住所などを書いた別紙にタイトル、氏名を書き、原稿には本文しかないのは×。原稿には必ずタイトルと氏名(ペンネーム)を書くこと。これは規定字数外。

手紙を添えない

「一生懸命書きました」「ご苦労さまです」「よろしくお願いいたします」といった手紙やメモは添えないこと。手心を加えるはずもなく、ゴミになるだけ。

ノンブルをふる

ノンブルとはフランス語で「ナンバー」という意味。ページ番号のこと。ノンブルがないと原稿がバラバラになったときに困る。規定になくてもふること。

過剰包装禁止

郵送の場合、開封したらすぐ原稿という状態が理想。ビニール袋、クリアファイルなど不要。A4用紙なら角3封筒など封筒のサイズも適正なものを!

個人情報を分ける

最近は選考委員に余計な情報を与えないため、個人情報部分を外して審査をすることが多い。外しやすいように、規定になくても個人情報は別紙に書く。

色をつけない

原稿は黒1色が原則。地色は白。たまに部分的に文字に色をつけた原稿があるが、原則禁止。データ原稿の書体は明朝。変なところで目立とうとしないこと。

※本記事は2020年3月号に掲載した記事を再掲載したものです。