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公募Q&A「受賞」 一度受賞すると同じ公募では受賞できない?

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公募Q&A

一度受賞すると、同じ公募で受賞することはできないのでしょうか。

大きな文学賞では二度受賞することはありませんが、定例コンテストならあり得ます。

業績や売り上げで選ぶなら複数受賞もある

いきなり余談で恐縮です。
2022年、アメリカのシャープレス氏がノーベル化学賞を受賞しましたが、これは2001年に続き、二度目の受賞でした。
また、キュリー夫人は1903年にノーベル物理学賞を、1911年には化学賞を受賞しています。

日本の音楽界には日本レコード大賞がありますが、EXILEは四度受賞。浜崎あゆみは三度受賞。ほか、安室奈美恵、AKB48、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、乃木坂46、Mr.Childrenらがそれぞれ二度受賞しています。

ベストジーニストは1994年から5年連続で木村拓也が受賞し、毎年同じ人ではつまらない、けれど外すのもおかしいということなのか、木村拓也は殿堂入りしました。
現在、殿堂入りは木村拓哉のほか、草彅剛、亀梨和也、相葉雅紀、藤ヶ谷太輔、中島裕翔、浜崎あゆみ、倖田來未、ローラ、菜々緒の10人がいます。

このように業績や貢献度、売り上げなどを基準に受賞者を決める場合、受賞者は同じ人物になることもあります。

新人発掘が目的の公募では、同じ人が同じ賞を受賞することはない

公募文学賞の場合はどうでしょうか。
文芸新人賞の場合は、応募対象はアマチュアに限りますから、一度受賞してしまえばその人はもうプロです。二度目の受賞はありません。

応募資格に「プロ・アマ不問」と書かれた完全資格不問の文学賞の場合はどうでしょうか。
宮部みゆきさんのように、オール讀物推理小説新人賞を受賞後、日本推理サスペンス大賞を獲り直すということはありますが、それでも同じ人が同じ賞を二度受賞することはありません。
文学賞を実施する目的は新人発掘だからです。

ちなみに公募ではありませんが、芥川賞、直木賞は一度受賞すると、以降は選考の対象から外れます。
漫画『響 〜小説家になる方法〜』では主人公の鮎喰響は芥川賞と直木賞を同時受賞しますが、これは漫画だけの話です。

佳作などの入選なら次回以降もまだチャンスがある

文学賞では過去の受賞者は選考の対象外になりますが、しかし、最優秀賞でなければ次回以降も受賞の対象になります。
貴志祐介さんは第4回日本ホラー小説大賞を『黒い家』で受賞していますが、その前年の第3回は『ISORA』で長編賞の佳作に入っています。

文学賞の場合、大賞と佳作ぐらいしか賞がありませんが、もっとたくさんの褒賞がある公募もあります。その場合、過去の入選者も上位の賞でなければ次回以降もまた受賞の対象になり得ます。

たとえば、宣伝会議賞のQ&Aを見ると、〈過去に当賞の金・銀・銅賞、もしくはグランプリ・準グランプリ・コピーゴールド・CMゴールドのいずれかを受賞された方は応募できません。〉とあります。
逆に言えば、もっと下位のシルバー賞、協賛企業賞の受賞者は再チャレンジが可能ということですね。

公募でも新人発掘が目的でなければ二度目もある

文学賞と似ているものに懸賞小説があります。実質的には大きな差はありませんが、文学賞が新人発掘を目的に実施されるのに対し、懸賞小説は作品募集のほうにややウェイトがあります。

特に定例の懸賞小説になると、新人を発掘するというより、創作者に書く機会を提供するという趣旨になります。
書く場の提供がメインであり、誰が受賞するかは最優先事項ではありません。だから、同じ人が何度も受賞したりします。

古い記録で恐縮ですが、明治30年に「万朝報」懸賞小説という公募が始まり、週一回投稿募集をしていました。歴代受賞者を見ると、永井荷風、国木田独歩、広津和郎、獅子文六、浜田広介、宇野千代といった文学史にその名を残す人が複数回受賞しています。

懸賞小説でも年一回の募集となると、そうそう同じ人が受賞することはありませんし、受賞者自身が「私は卒業かな」と応募しなくなるものですが、毎週、毎月というサイクルだと毎回応募するのがルーティーンになったりしますから、なかには二度、三度と受賞する人もいます。

公募ガイド社の例だと「小説でもどうぞ」は二度受賞した人がいます。「TO-BE小説工房」では三度受賞した人もいました。

選考する側は「応募者は誰か」はあまり気にせず、「どの作品がもっとも優れているか」しか見ていません。直近の受賞者が連続して候補に上がった場合は多少は厳しく見られるかもしれませんが、それでも作品として明らかに上であれば受賞します。

ということで、過去の受賞者も選考の対象になるかどうかは、公募を実施する目的が人材発掘なのか、それとも作品の発掘なのかと考えると、ある程度、線引きができそうです。文学賞などでは対象にならず、月例の投稿募集などでは対象となることが多いと言えます。

なお、応募要項に過去の受賞者が対象になるかどうか書かれてあることもありますので、受賞経験のある方はまず応募要項をご確認ください。

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