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W選考委員版「小説でもどうぞ」第3回「約束」募集

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作文・エッセイ
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小説でもどうぞ
W選考委員版 第2回「小説でもどうぞ」の結果発表と選考会の裏側は、こちらをご覧ください。

第3回W選考委員版「小説でもどうぞ」の募集がスタート!
第3回のゲスト選考委員は、直木賞作家の三浦しをん先生です。
今回も奮ってご応募ください!

また、季刊公募ガイド秋号(10/7発売)では三浦しをん先生のインタビューを掲載しますが、ここではこのインタビューの別バージョンをお送りします。応募前にぜひとも熟読ください。作家志望者必読の内容になっています。

レギュラー選考委員
高橋源一郎

1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』でデビュー。 小説、翻訳、評論など著書多数。日本のポストモダン文学を代表する作家。

<第3回>
三浦しをんさん

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』でデビュー。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を、2012年『舟を編む』で本屋大賞を受賞。ほか、『風が強く吹いている』『ののはな通信』など著書多数。

第3回ゲスト選考委員は、デビュー以来、絶大な人気を誇る、
直木賞作家の三浦しをんさん。今回は選考をするときの
ポイントと、デビューするために必要なものを伺った。

選考委員は審判なのか、

スカウトなのか

―― 選評を見ると、各選考委員で意見が割れていたりします。
 今までいろいろな選考会に参加しましたが、満場一致ということはほぼないと言っていいぐらい、人それぞれ読み、好み、重視する点が違います。それは読者の方も同じだと思うんです。同じ本を読んで、ある人はいいと言っても、私はピンと来なかったという人もいます。そこはふだんの読書と変わりません。
―― 選考会で話し合っているうちに意見が変わることはありますか。
 あまりないと思います。最終候補作をものすごく読み込んで、あらゆる角度から検討したうえで、「この作品が受賞だ、ほかの人を論破してやるぞ」という勢いで臨みますから。もちろん、選考会で議論を重ね、別の作品を推している人のほうが多いし、その言い分ももっともだから、と意見を引っこめることもありますが、心の底から評価が変わることはないと思います。
―― 野球でいうと審判として臨むのか、スカウトとして臨むのかで結果が違うと聞きます。大ファウルを打った場合、審判はファウル(無効)と判定しますが、スカウトは実力があると見ます。
 新人賞の場合は特に、私は減点法ではなく、作者が言いたいことがどれだけ表れているかを見ています。「これだけの大ファウル、普通は放てない、このスイング力はすごいな」というところを見たほうが絶対にいいと思うんです。
「うまいけどこぢんまりしている、本当に書きたくて書いたのかなあ」という作品はよくない。そういう人は書き続けられませんから。
―― 書きたいものがあるかどうかということですね。
 自分の中にどうしてもこういうものを書きたいんだという熱い思いがある人のほうが、のびしろがあるし、続けられると思います。そこを見極めるのは難しいですが、でも、笑っちゃうような大ファウルがあると心惹かれます。大ファウルの質にもよるんですが。
―― 選考する面白さってありますか。
 新人賞の場合は、粗削りだけど、ハッとさせられる表現や斬新な展開があります。これを小説にしたいんだという思いが濃厚に表れているものが多いので、楽しいし、刺激になります。
 プロを対象とした賞の場合は、粗削りだからいいねというレベルではなく、細かい技巧や描写のレベルなども検討して合議で決めますが、新人賞の場合は、いくらなんでも粗削りすぎると思っても、それだけ熱烈に推す選考委員がいるんだったらそっちのほうがいいかなとなることはあります。今後の可能性を重視しているからです。



小説への愛と

思いとパッションと

―― プロの作家でもデビュー後、成長していくものですか。
 もちろん成長します。でも、ずっとやっていると緩みやたるみがでることはありますし、手癖で書いてしまうということもありますから、そこは自分との闘いになります。慣れて「こう書けばいいんじゃないかな」ということが見えて、同じようなパターンにはまってしまう危険性がある。
 そうならないためには、どう書けばいいかを考え続けなければなりませんが、小説が好きだという思いがないと考え続けることができません。そう考えると、新人賞の場合は、小説への愛がある人、書きたい思いへの愛がある人を評価したほうがいいと思うんです。
―― 思いが強いだけに、大ファウルになるような無理もしてしまうのかもしれません。
 そうですね、情熱ゆえにセオリーから外れたりします。でも、それが創作物に新しい風をもたらしたり、新しい表現や魅力的な登場人物を生んだりします。いくらテクニックを磨いて小手先で書いても、そうしたいきいきとした感じは絶対に生まれません。
―― 情熱は誰かに教わったのではなく、もともと持っている?
 生まれたときから小説に対するパッションを持っているわけではなく、生きていく中で、小説に限らず、いろいろな創作物に触れ、「こういうの、好きだなあ」と自分の中に自然と生まれてくるのだと思います。
―― 小説を書きたい思いが暴れ馬のような状態になっていて、コントロールできない人は?
 情熱はあるが、まだテクニックが欠けていてうまく書けない。あるいは、アイデアをうまく結実させられなくて、ちょっと不格好になってしまうということはあると思います。
―― それをまとめるには?
 考えるしかない。情熱と客観性のバランスを取りながら、自分が書きたいものをどうすれば小説として表現できるのかをひたすら考えるしかないと思います。



渾身の一作がだめだったら、

さらに渾身の一作を

―― 選評に「一気に読めた」と書かれていることがありますが、それはなぜ起きるのでしょうか。
 やはり話が面白いということじゃないですか。本当に面白いものは、多少難解でも読めてしまうものだと思うんです。逆にすごく引っかかって読みにくいなあと思うものは、たぶん何かがうまくいってないんだと思います。文章、展開、構成、登場人物、セリフ……なんだかわかりませんが、何かが悪いから人を引き込むことができないんだと思います。
―― それが知りたいです。
 でも、私は「ちょっと読みにくいな」と感じたけど、ほかの人は面白く読めたってものだってあるわけだから、万人が面白く読めるという解決法はないんですよ。解決法がわかっていたら、この世の創作物は傑作ぞろいになっているはずで、それはそれで味気ない事態です。いろんな好みや感性や評価軸があるからこそ、多様な創作物が存在するのです。
―― 実力がなければ最終候補には残れませんが、そこから受賞するには運もありますか。
 最終候補作がものすごく粒ぞろいという回もあるので、僅差で落ちた作品がもし別の回だったら、受賞したかもなあということは正直あります。
―― 渾身の一作で落ちるのはショックです。
 デビューすることだけが目的なら気力は折れるでしょう。でも、小説家として食べていきたいからデビューを目指しているのなら、これだと思う一作がだめだったからといって折れているようじゃ、プロとしてはやっていけないです。
 だってプロになれば何作も何作も書かなければ食べていけないし、批判だってされるわけですから。それでもずっと書き続けていきたいほど小説が好きなのかということを考えないと、やっていけないと思います。
―― 最終選考まで行ったということは、実力はあるんですよね。
 はい。最終選考まで残るような人は実力がありますから、落ちても、今回はこう書いたけど、次はこうやってみようという視野が開けて、新たな発想も湧いてくると思います。受賞を逃すのはショックだと思いますが、気落ちしすぎなくて大丈夫です。
 次はもっといいベストを出そう、そのためにはどう書けばいいかともう一度小説と向き合う気持ちがある人や、渾身の一作がだめだったらさらに渾身の一作を書いて応募しようという人なら、いずれどこかの賞で受賞されると思います。
応募要項
課 題

■第3回 [ 約束 ]

人生で最初にした約束はなんでしょう。彼女と、あるいは彼とした約束は守りましたか? 守れなかった約束はいくつ? 約束する相手は誰? 神様や社会との間にも約束はありますか? いろいろ考えて! 約束ですよ!

締 切

■第3回 [ 約束 ] 
11/9(必着)

規定枚数

A4判400字詰換算5枚厳守。ワープロ原稿可。
用紙は横使い、文字は縦書き。

応募方法

郵送の場合は、原稿のほか、コピー1部を同封。作品には表紙をつけ(枚数外)、タイトル、氏名を明記。別紙に〒住所、氏名(ペンネームの場合は本名も)、電話番号、メールアドレスを明記し、原稿と一緒にホッチキスで右上を綴じる。ノンブル(ページ番号)をふること。コピー原稿には別紙は不要。作品は折らないこと。作品の返却は不可。

※WEB応募の場合も作品には表紙をつけ、タイトルと氏名(ペンネームの場合はペンネームのみ)を記入すること。

応募条件

未発表オリジナル作品とし、入賞作品の著作権は公募ガイド社に帰属。
応募者には、弊社から公募やイベントに関する情報をお知らせする場合があります。

発 表

第3回・2023/1/9、季刊公募ガイド冬号誌上

最優秀賞1編=Amazonギフト券1万円分
佳作7編=記念品
選外佳作=WEB掲載

公募ポイント

mottomo会員の方は、応募するだけで自動的にポイントがたまります。
応募者全員=10p追加
最優秀賞=100p追加
佳作=50p追加
選外佳作=30p追加

※ポイントの付与は各回ひとり一回までです。結果発表の時期の月末頃に反映されます。

応募先

● WEB応募
応募フォームから応募。
● 郵送で応募
〒105-8475(住所不要) 公募ガイド編集部
「第3回W選考委員版」係

お問い合わせ先

ten@koubo.co.jp


応募作品添削サービス!
「小説でもどうぞ」の応募作品を添削します。
受講料 5,500円

https://school.koubo.co.jp/news/information/entry-8069/