2024年版 全国公募の地方&本格文芸賞 1
作家デビューは将来的な夢ではあっても、書き始めて間もない人や、今はまだ修業中の身という人もいるでしょう。自分がどのレベルなのかわからず、腕試しをしてみたいという人もいると思います。
そこで、今回は地方文芸ながら、全国公募で実施している文学賞を一覧にしました。
ちなみに、これらの文芸賞では、賞金が100万円のものも多く、少ないものでも数十万円が贈られるものがほとんど。賞金がなくとも、出版される賞もあります。まずは、ここにリストアップした文芸・文学賞の中から自身が書けそうな原稿枚数や興味の湧く題材を探ってみましょう。
【CONTENTS】
PART1 上限80枚以下でジャンル不問の公募文芸賞(①②)
大まかに、原稿枚数の少ない順に並べています。
PART2 ちょっと本格派&年齢制限や応募料がある公募文芸賞(③④)
長編やジャンル限定などちょっと本格的なものを、こちらも原稿枚数順に掲載。最後は、年齢制限や応募料があるものを紹介します。
※原稿枚数は、すべて400字詰原稿用紙換算とします。
短くて不思議な話を募集 坊っちゃん文学賞 ショートショート募集
原稿は4000字以内。愛媛県松山市の市制100周年を記念して創設。第15回まで隔年開催、第16回からは同市出身の田丸雅智が選考するショートショート作品の文学賞に。2001年の第7回には『そして、バトンは渡された』で2019年本屋大賞を受賞する瀬尾まいこを見出している。田丸さんの言うショートショートは「短くて不思議な物語」。超短編の募集ながら大賞賞金は50万円。
大垣ゆかりのエピソードや事物は? 水の都おおがき短編小説コンクール
規定字数は、4000字以内(400字詰原稿用紙にして10枚以内)。水の都「大垣」を舞台とする、あるいは大垣ゆかりのエピソードや事物が登場する短編小説。ウェブサイトの応募フォームから応募(郵送不可)。別添の専用400字詰原稿用紙の使用を推奨。最優秀賞1万円、優秀賞5000円、佳作3000円)。選考委員は、中村航、樋口健司、天岡久美子。
題材は京都市北区の短編募集 京都キタ短編文学賞
規定字数は、2,000字~5,000字(400字詰原稿用紙にして5枚~12.5枚)。京都市北区を舞台に、北区の魅力が伝わり、北区に訪れたくなる短編小説を。応募資格は小学生以上で、小学生~高校生はジュニア部門。一般部門は最優秀賞5万円、優秀賞3万円、ほか。ジュニア部門は図書カード。選考委員は大垣守弘(大垣書店グループ代表取締役)、川妻聖枝(京都市北区長)、栗城浩美(講談社文庫出版部編集者)ほか。
小説・シナリオ
第3回 京都キタ短編文学賞
京都市北区では、令和4年度、北区の魅力を全国に発信するため、北区を題材にした短編小説を募集し、優れた作品を表彰する「京都キタ短編文学賞」を創設しました。
この度、第1回・第2回の盛況を受け、更なる北区の魅力発掘と発信を目指し、「第3回 京都キタ短編文学賞」の作品及び一次選考委員の募集を開始しますので、お知らせします。
2024年10月15日(火) 締切
賞金5万円+デジタルメモ「ポメラ」
近松門左衛門を顕彰し、恋愛譚を募集 さばえ近松文学賞 ~恋話(KOIBANA)RETURNS2~
規定枚数は、400 字詰原稿用紙10 枚以内。または4,000 字以内。作品の中に最低1ヶ所は鯖江に関する歴史・文化・産業などを入れる。近松門左衛門を顕彰し、恋にまつわる短編小説を募集(男女の恋愛だけに限らない)。近松賞10 万円、優秀賞3万円、佳作 1万円。入選者には清酒“梵”が贈られる。入賞作品は電子書籍で販売。
芥川賞作家、宮本輝が選考! 北日本文学賞
規定枚数は30枚厳守。テーマは自由。富山県の北日本新聞社が主催。第26回から富山ゆかりの宮本輝が選者を務めている。第24回のときには、高嶋哲夫が受賞。令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた地域もある富山県だが、本賞は2024年も予定通り開催された。最新情報は、公式WEBサイトを確認しよう。入賞賞金は100万円。
小説・シナリオ
第59回北日本文学賞
北日本新聞社は「第59回北日本文学賞」の短編小説を募集します。
初代選者に故丹羽文雄さんを招いて1966年に創設しました。
第3回から故井上靖さん、第26回から富山ゆかりの宮本輝さんが選者を務めています。
前回は国内外から969編の応募がありました。
2024年08月31日(土) 締切
副賞100万円
隔年開催、2024年は募集の年、選考委員は柚木麻子! 神奈川文芸賞 短編小説部門
規定枚数は30枚。神奈川を題材とした小説を募る本賞は、かつての神奈川新聞文芸コンクールが全国公募に昇格したもの。隔年開催で、2024年は開催年。今回の審査員は柚木麻子。大佛次郎や吉川英治ら、多くの文豪を輩出してきた神奈川。また、鎌倉や湯河原、箱根は川端康成、夏目漱石、芥川龍之介、与謝野晶子らから愛され、名作が生まれた地でもある。U-25小説部門、現代詩部門も同時開催。短編小説部門の大賞賞金は30万円。
小説・シナリオ
神奈川文芸賞2024
「神奈川文芸賞2024」の作品を公募します。部門は「短編小説」「現代詩」、作品は4月1日から6月30日まで受け付けます。「短編小説」の審査員は、巧みな心理描写とともに社会の問題にも鋭く斬り込む作風で人気を集める小説家の柚木麻子さん、「現代詩」は記憶を喚起させるような詩世界や身体感覚に優れた文章で読み手を魅了する詩人の大崎清夏さんが担当します。
前出の2部門に加え、25歳以下を対象とした「U-25部門」も引き続き設けます。「三題噺(ばなし)」形式で創作に取り組んでいただく同部門は一般読者らによる審査を予定しています。
過去50年間にわたって開催してきた「神奈川新聞文芸コンクール」を刷新し、2022年に新たなスタートを切った「神奈川文芸賞」の第2弾となります。
2024年06月30日(日) 締切
①短編小説②現代詩大賞各部門1編=①30万円②10万円、③U-25最優秀賞1編=10万円
中村航選! 創作意欲をかきたてる「物語」が眠るまち 西の正倉院みさと文学賞
規定は30枚以内。宮崎県美郷町から連想した小説を募集。審査員長は中村航。百済の王族が隠れ住んでいたという伝説や、証拠とされる品が収められた西の正倉院を有する美郷町。そんな同町ならではの文学賞。中村さんは、Koubo「プロットだけ大賞」でも選考委員を務めている。大賞賞金は50万円。
作文・エッセイ
第6回 西の正倉院みさと文学賞
古代の朝鮮半島に栄え、仏教をはじめとする多くの文化を日本にもたらした王国「百済(くだら)」。その百済の王族が隠れ住んでいたという伝説が残る村……。今の美郷町にかつて存在した九州山地の山間にある小さな村、南郷。百済の内乱から逃れてきた百済王一家の伝説は今もなお語り継がれ、この村に謎とロマンを残した。現存する百済王一家を祀る神社や、ゆかりのある地名、伝説に因む祭、西の正倉院がその伝説を物語る……。
西の正倉院に象徴される百済王伝説を背景とした、美郷町の<物語資源>を意識したテーマの文学賞を開催します。一次審査、最終審査を経て、大賞ほか選出。受賞作品は当ウェブサイトにて発表後、美郷町で贈賞式を行います。受賞作品は作品集として書籍化。郷土のPRに寄与するものとします。
2023年11月16日(木) 締切
賞金50万円・副賞