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筆写(写経)で小説はうまくなる?効果的なやり方は?

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ただ書き写すだけでいいの?効果的な筆写(写経)のやり方、教えます。

タイピングが速くなると、書き写すことだけに集中できるので効率はいいと感じます。
そのときふと、ただ書き写すだけで文章力が上がるのか?という疑問を抱きました。
結論からいいますと、私のように漠然と書き写すだけでは、筆写の効果を最大限に引き出せません。

宇佐見りんさんが筆写で感じたことを対談イベントで語っています。

書き写していると、読む時間の何倍も時間かけて作品を受け取るので、読むだけでは流してしまっていたところについて「この場面は、結構前から『長回し』されているんだ」とか「このあたりから効果を企んでいるんだ」とか、そういったことがわかります。

宇佐見りん×遠野遥 若手芥川賞作家は、小説を書くために「何を考え」「どんな訓練をしている」のか?より引用
 

重要なのは、文章の仕組みを理解して書くことです。一文、一文、丁寧に追っていくことになるので気づきや学びが多くなります。その学びは忘れないようにメモをしておくとよいかもしれません。

さらにもっと効率的に筆写をしたい人には、「考えて書く」以外にも方法があります。
 

目的を明確にする:筆写を通じて何を習得したいのかを明確にします。例えば、アクションシーンを上手く書けるようになりたい場合、その部分だけを集中的に書き写すと効果的です。

好きな作家の文体を真似てみる:こちらは作家の榊一郎さんのポストです。

好きな作家の文体で別の作品を書いてみるって面白そうですよね。ただ、この方法で筆写をするためには、好きな作家の文体が頭に入っていなければいけない、ということも榊一郎さんはポストの中で言っています。何度も読んだり強く影響を受けた作家の文体を真似るのがよさそうですね。

筆写はただ書き写すだけの行為ではないということがよく分かりました。
自分の目的を持ったり飽きないように工夫したりすることで、継続もしやすいですね。

結局、筆写(写経)で文章力や小説の技能は上がる?

筆写をすることで文章力や小説の技能は、上がります
実際に、筆写によって文章や物語の構成力が上がったという作家さんの声も聞きます。
 

Kouboのエッセイ「ネットの海で物語る」でおなじみの蜂賀三月さんも、筆写をされていました。
蜂賀さんは筆写をはじめて半年後に選考通過や受賞などの成果を出されているので、効果は絶大だなと思います。

さらにこちらの作家さんも執筆と筆写をしてデビューされています。

公言をされていないだけで、筆写で成果が出て受賞をされている人はまだまだいそうですね。

もちろん筆写をすれば、必ず上記の作家さんたちと同じような成果を得られるわけではありません。
筆写の本質は、「上達するかどうか」という結果よりも、「書き写す過程での気付き」にあります。筆写を通じて、作家の巧みな表現方法や構成技術に気付くことができ、それが結果として自身の文章力の向上につながるのです。 
小説を書く上でレベルアップを目指している人には、筆写はおすすめですよ。