絵本を作ろう!④絵本づくりのための色使いの基本のき


彩色をするときは、感覚でやることが多いが、ポイントを押さえておくと便利。作品の内容やテーマを色で表現しよう!
絵本の内容やテーマに応じ、色彩計画を!
絵本を制作するときは、色彩計画を立てる。それは彩色のときでも間に合うが、できればラフの段階でも考えておきたい(ラフをカラーで描くプロもいる)。
配色は絵本というよりデザインの範疇になるが、ここではその基本のきについて解説する。
ただし、決まった公式のようなものはなく、「色数はおさえめにしよう」とか、「途中からバーンといこう」など、作品の内容やテーマにそって考えていこう。
筒井大介さんが編集した絵本の表紙に見るまとまる配色
『ぽぉぽぉぽぉってどんないみ?』 (しんよんひ著・岩崎書店・1760 円)
同じ色相で明度や彩度が違う組み合わせ、たとえば、紺と水色といった組み合わせにすると統一感がでる。同じ色相でなくても、近い色相を組み合わせればまとまる。色調(トーン)は明度と彩度が似ている色をグループ化したもので、同じ色調、似た色調を組み合わせるとトーンのイメージがそのまま伝わる。
筒井大介さんが編集した絵本の表紙に見るメリハリがつく配色
『オレときいろ』 (ミロコマチコ著・WAVE 出版・1650 円)
まとまる配色は統一感はでるが、色相環の反対側の補色、または補色に近い色を選ぶとそれぞれが引き立ってメリハリがつく。また、色調に大きく変化をつければコントラストが生まれる。色調の差のつけ方は、「明度に差をつける」「彩度に差をつける」「明度・彩度ともに差をつける」の3パターンがある。
※本記事は2021年9月号に掲載した記事を再掲載したものです。