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【魅力的な主人公を作りたい!】読者を惹きつけるには欠点・極端・特技・ギャップを盛り込むのが鉄則

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人物造形の基本

人物造形とは、具体的にはどんなことをすればいい?基本的な作業と人物を立たせるコツを解説しよう。

基本となる、性格を考える

人物造形で重要なのは性格。

現実の人間は相手によって性格が変わったり、善良さと邪悪さが同居していたりして、性格を一言で言うのは難しい。

しかし、小説(特に娯楽小説)の場合はわかりやすさを優先し、「陽気で明るいが、興味のない人には極めて冷淡」のように性格の中のいくつかの面を強調しよう。

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主要人物の履歴を考える

登場人物は生きた人間。だから、過去や経歴を持つ。昔話の登場人物とは違い、親もいれば誕生日もあり、プロフィールを持つ。

実際には作品の中には出てこないとしても、人間であれば生まれた土地、通った学校、取得した資格、働いた職場などもあるだろう。

履歴を考えているうちに、ストーリーが浮かんでくることもある。

生い立ちや原体験を考える

履歴を考えると言うと、履歴書の事項を思い出すが、大事なのはむしろ履歴書には書かないこと。

たとえば、どんな境遇で生まれ育ち、そこで何を感じたか、その後の性格を決定づけるようなどんな原体験をしたかといったことがより重要になる。

登場人物の性格を作った背景を設定しておくと人間らしくなり、貫通行動にもつながる。

他の人物の造形と相関図

人物の履歴は、主要人物ほど綿密に作り、脇役になると簡単なプロフィールぐらい。端役になると個性一点を与える程度になる。

すべての登場人物について綿密に履歴を作ってもいいが、主要人物だけでよく、端役のキャラが立ちすぎても主要人物を食ってしまうのでよくない。

人物が多い場合、確認用に人物相関図を作ってみるのもマル。

性格の二面性と、キャラ分け

これまでにも触れたように、人間の性格は多面的。しかし、すべての面を出してはかえってわかりにくくなるので、その中のいくつかを強調する。これを二面性と言う。二面性と言っても必ずしも二面でなくてもよく、主要ないくつかの性格と考えよう。

性格が1つしかないと類型的な人物になるので要注意。娯楽小説ではあえて類型的にすることもあるが、主要人物には二面性を持たせたほうがいい。

個々の人物に与えられる性格は、ダブらないようにしたい。人物設定のときにキャラ分けをしよう。

登場人物にインタビューしよう!

あなたが書く小説の主人公がどんな人物なのかを考えるとき、主人公に自己紹介をさせるようにし
て考えていく方法がある。

「私は昭和55年、山陰地方の猪しかいないような農村に生まれました。中学校までは分校で、全校生徒より教職員のほうが多いような学校でした。これといった趣味はありません。学校から帰れば農作業を手伝わなければならず、唯一の趣味は読書でした」

これだけでも、なんとなく人となりがわかってくるが、さらに主人公を質問攻めにしよう。

「もっとも感銘を受けた本は? 好きな作家は?」
「これまでの人生で一番記憶に残っていることはなんですか」
「あなたの性格を一言で言うとなんですか。長所と短所を挙げてみてください」
「あなたの人生の中で消したい思い出はありますか」

こんなふうに掘り下げていけば、どんな人物か見えてくる。

人物を立たせるには?

魅力ある人物にするための鉄則を4つ挙げよう!

欠点

性格的、環境的な欠点を持たせる。完璧な人物も魅力的だが、共感は覚えない。また、欠点があるからそれを解消しようとするところにストーリーが生まれるのであり、欠点がないとストーリーが展開しにくい。その意味でも欠点の設定は必須。

極端

個性的すぎる人物は実在しないかもしれないが、小説の中では多少誇張するとよい。たとえば、「結婚したいと思っている人」は無数にいると思うが、それでは人物が立たない。「結婚したいと思いすぎる」のように「○○しすぎる」と設定しよう。

特技

ほかの人は持ちえない主人公だけの特技があると人物が立つし、話も転がりやすい。たとえば、「人に見えないものが見える」とか。特技があるがゆえに苦しむが、最後にはその特技によって問題を解決するなどすれば、物語的にも必須アイテムになる。

ギャップ

二面性に近いが、2つの相反するものを持たせること。「天才的な数学者なのに、計算が苦手」とか、「捜査1課の刑事なのに、猫が怖い」とか、「仕事はできるが、恐妻家」とか。対照的な2つの面を持たせることで、それぞれがより際立つ。

サブキャラのパターン

ライバル
主人公と同じぐらいの頻度で登場する副主人公。スポーツものなどによくある好敵手。または刑事ものでの刑事と泥棒など。

正反対
バディーもの(相棒)によくある。同じ目的に向かって努力していくが、性格や考え方、育った環境などは正反対。何から何まで対照的。

恋人
主人公の恋人、または恋をしている相手。恋が成就する場合としない場合、密かに恋心を抱いているが表面化しない場合も。

補完関係
主人公のほうが能力があり、それを補う子分がいる場合と、主人公が暴走しがちで、それをカバーする相棒というパターンがある。

人物の設定に連動して同時に考えよう!

ストーリーに必須の4つを挙げてみた。

目的

主人公には物語上の目的が必須。主人公には何か欠落、損害があり、それを回復することが目的となる。人物設定をして、目的を持たせ、そこに向かわせればストーリーになる。

障害

目的があっても、容易に実現してしまうと盛り上がらない。強力なライバル、妨害する者など障害が必要。障害は大きいほど盛り上がるが、解決のさせ方には工夫と納得感がいる。

葛藤

障害を取り除くことを躊躇したり、しがらみがあったりして迷う、悩む。主人公に降りかかるすべての要素は主人公の目的を阻み、主人公を困らせるものとして登場する。

対立

主人公の目的を阻み、困らせる最たるものが対立。競合企業、ライバル、派閥、恋敵、社会の敵などを配す。偏見、差別なども敵になり得る。エンタメには必須の要素。

※本記事は2019年5月号に掲載した記事を再掲載したものです。