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【シナリオ・センターの講師に聞く!】良いキャラクターの条件とは、共通性×憧れ性×個性的

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物語が盛り上がる方法を教えてください!

面白いドラマには、面白い理由がある。それを創作に生かしたい。そこでシナリオ・センターの講師・浅田直亮先生に、話が面白くなる秘訣を聞いた。

キャラクターで重要なのは個性

——いいキャラクターとは?

個性があること。そして、感情移入できることがポイント。

——感情移入させるにはどうしたらいいですか。

シナリオ・センターでは「共通性」と呼んでいますが、自分と同じだなあと思わせること。自分とかけ離れたことをしているのでは他人事ですから、同じだと思える入り口を作ってあげることが大事です。また、それとは逆に自分にはできないことをやってくれることも大事です。シナリオ・センターではこれを「憧れ性」と言っています。

——共通性を出すには?

人間の弱いところ、だめなところを出すこと。手っ取り早いのは性格を設定することです。シナリオ・センターの生徒で「パンティーストッキングフェチ」という設定にした人がいて、パンティーストッキングフェチもだめなところではありますが、しかし、自分と同じだとは思いませんよね。しかし、「パンティーストッキングフェチをやめようとしてやめられない」のように性格的なものにすると、「やめたいのにやめられないってあるな」と感情移入する。

つまり、弱いところ、だめなところならなんでも感情移入するわけではないということです。よく、「もてない」という設定にする人がいますが、みんながみんなもてないわけではない。でも、「口下手で、思ったことが言えない」とすると、多かれ少なかれ人にはそういうところがありますので、感情移入できるんです。性格を考えることです。

個性や性格は、かぶることはない

——別のドラマでも「人づきあいが苦手な人物が出てきた」のようにかぶったりしませんか。

人って十人十色ですよね。無尽蔵とは言いませんが、ストーリーのパターンよりは範囲が広いと思います。

——「あの主人公に似ている」と言われないようにするには?

よほど模倣しない限りは似ないと思います。題材、設定、展開については「似ている」と言われがちですが、キャラクターはそうはならないんじゃないかな。どこかのドラマを観て、ああいうキャラクターがウケるのかとまねすれば似てしまいますが、素直に個性を持たせて、性格を考えて、その性格から共通性や憧れ性を考えていけば、そんなにかぶらないと思うんですけどね。それよりコンクールで圧倒的に多いのはキャラクターがないことです。

——性格は大げさなほうがいい?

ジャンルにもよりますね。コメディーなら「慌て者すぎる」というように大げさにしたほうがいいですが、生活感のある現実的な物語やシリアスな恋愛ものなら少しおさえたほうがいい。

観たい原動力はキャラクター

——小説ではエンターテインメント小説以外はキャラクターはおさえめかもしれません。

メディアにもよりますし、ドラマでも2時間ドラマより連ドラのほうがキャラクターが強い。次も観たいという原動力ってやっぱり人ですよね。たとえば、『半沢直樹』だって、第1話はどういうストーリーだったかはそんなに明確に覚えてないんですよ。でも、半沢直樹というキャラクターは覚えている。たぶん、あのキャラクターが観たいんですね。半沢直樹が困らされて、「倍返しだ」と言ってやり返すところを観たいわけです。そういう意味で、2時間ドラマよりは連ドラのほうが個性的なキャラクターが多い。2時間ドラマは現実的な話が多いということもあると思いますが。

——現実的なドラマではそんなに突飛な人がいてもおかしいかもしれませんね。

とは言え、ふだんは言わないようなセリフも言わせたいとなったとき、頭だけで考えたセリフでは不自然になるので、「負けず嫌い」のように性格的なものを考え、そこで初めて「倍返しだ」のようなセリフが出てくるわけですね。

名前とキャラクター

名前は単なる記号ではない。効果的な名前を!

「ブー」「フー」「ウー」というキャラクターがあるが、「ブー」はブーブー文句ばかり言っている怒りんぼ。「フー」はすぐにフー疲れたとヘタってしまうくたびれ屋。「ウー」はウーといつも気合を入れ全力投球のガンバリ屋。このように名前も登場人物のキャラクターと結びつける。

また、「さん」付けで呼ばれるか、あだ名で呼ばれるかで付き合いの深さが示せるし、へらへらしているから「へら」と呼ばれているとすると性格が示せる。名前ひとつでもおろそかにできない。

良いキャラクターの条件

【共通性】自分と同じだと思わせる

登場人物が宇宙人の場合、姿かたちも内面も何も共通するものがなければ共感できない。しかし、ほかに何も共通点がなくても、悩んだり、迷ったりなど人間っぽいことをすると感情移入しやすくなる。

【憧れ性】できないことを代わりにする

『ハケンの品格』というドラマがあったが、派遣社員として一日勤務し、家に帰ってまた現実的なドラマを見せられるのではつらい。社員をやりこめてしまうスーパー派遣社員だからこそ痛快。

【個性的】キャラクターが際立っている

日常生活を描いたドラマやテーマ性のあるドラマでは等身大の人間にすることが多いが、それでもドラマでは無個性ということはない。どこか1点「〇〇すぎる」のように強調するとわかりやすい。

浅田直亮
早稲田大学卒。93年、『八丁堀捕物ばなし』シリーズで脚本家デビュー。著書に『いきなりドラマを面白くするシナリオ錬金術』『シナリオ・パラダイス 人気ドラマが教えてくれるシナリオの書き方』などがある。

※本記事は2018年8月号に掲載した記事を再掲載したものです。