【創作初心者あるあるを解決】書き始めで止まる人の思考パターンと突破法|創作が進まない理由を構造的に解説


創作の書きあぐねポイント
いいドラマを観る。こんな物語を書きたいと思い、小説にする。ところが、書き始めると手が止まる。うまく書けない。そんな初心者が陥りがちなポイントを挙げよう。
高いハードル狙いすぎ
よく知らない世界は書けないことが多い
物語を書こうとしたきっかけとして、「ドラマを観て感動し、あんな物語を作りたいと思った」と言う人が多い。そして、「予算も人脈も技術もないが、文章なら書けるので小説にした」と続く。
小説なら簡単に書けるかというとそうでもないが、その問題はおいておくとし、問題は「あんな物語」がどんな物語かだ。
それが職業ものやSF、時代ものであった場合、1行目を書こうとして、「あれ、警察の組織ってどうなっている? 検事の仕事って何?」と手が止まる。頭に世界が立ち上がらないから、何も書けなくなってしまう。
一視聴者として観ているときはわかっていても、作者として書くとなるとハードルが上がるのだ。
知識がないと書きにくいドラマ
・刑事・検事もの
・裁判もの
・医療もの
・時代もの
・SF・異世界もの
解決策 知っている世界で勝負せよ
知らない世界を付け焼き刃で調べた程度で書くと、それが裁判ものなら、「裁判官はあんなこと言わない」のように批判されたりする。それは無知のせいというより、物語が面白くないせいだと思うが、知らない世界は書けないと思うなら、よく知っている世界で勝負しよう。経験したことのある職業や分野を舞台にすれば業界の裏側や細部も書きやすいし、皮膚感覚としてわかるから、変に舞台について気にせず、物語を書くことに集中できる。
専門性が高い分野→関連書籍を読むなどし、入門書が書けるぐらい詳しく調べよう。
よく知っている分野→身近な職業であれば書きやすい。現職・前職ならなおよい。
あまりにも起伏なさすぎ
準備不足がすべての原因
とっかかりの設定だけ浮かんだが、あとはほとんどノープランで書き出したか、人生や世の中に対して言いたい思いはあるのだが、それが物語に昇華できていないと、メリハリのない話になる。
たとえて言うと、結婚式を企画することになったが、とくに中身のアイデアはなく、延々と友人知人の祝辞が続くようなもの。
純文学なら物語性のない小説もあるが、エンタメでは何も起こらないのでは始まらない。
初心者によくある設定と起伏のない展開
神様説教系
神様が現れ、説教をする。作者は説教したいだけなので、物語的にはまったく内容がない。
定年美女系
定年を迎えた主人公と美少女が恋に陥る話。素敵な恋と冒険が恐ろしく都合よく展開する
葬儀同窓会系
知人の葬儀か同窓会があり、「思えば昔」と懐かしさにひたって終わる。事件は起きない。
傷心旅行系
傷心の人物が故郷などに帰り、家族などの愛に勇気をもらって帰ってくる。みんないい人
平坦な一本道をわくわくする道に作りかえよう
起伏がないというのは、舗装された平坦な一本道ということ。それでは面白くない。
高低差をつける
主人公をまず不幸にし、それから頑張って回復、復帰するようにする。
落とし穴を掘る
うまくいきそうに見えて、再び不幸のどん底に突き落とす。
じゃり道にする
歩くこと自体、大変にする。主人公を病気にする、ハンディキャップを与える。
先を隠す
曲がりくねった道にするなどして、先が見えないようにする(謎を作る)。
迷わせる
道が2つに分かれている。
ただの散歩もこうすれば面白くなる

いい人でいようとしすぎ
悪人、罪人にはなりたくない?
たとえば、同窓会があり、そこに初恋の人がいた場合、もっとも面白くないパターンは、感情的な盛り上がりはあるものの、最終的に何も起こらないケース。
読者としては、「何も起こらないのなら、なんで書いたんだ」と思ってしまうところだが、作者はこう言う。「私は不倫をするような人間ではありませんし、不倫を助長したくありません」
いやいやいや、小説はノンフィクションではないし、作り話だし、そんなことを言ったら悪役は出せないし、殺人事件も書けない。
確かに、作者としての責任もあるが、それは社会的、常識的に正しいことを書くことではない。

解決策 作品を俯瞰して見ることで主人公を客観視しよう
自分の半生を小説にした場合、主人公=作者という構図だから、こうすれば面白くなるとわかっていても、自分や自分の家族を悪くは書けない。何か自分の過去が汚されるような気がして筆が進まない。
これを解決するには、まず主人公を第三者的に見て、自分と距離をおくこと。自分をモデルにしていて、感情移入もするが、あくまでも作中人物だと思うこと。
そのために一番いいのは、どうしたら面白くなるだろうと構成を考えること。構成を考えるときは作品を俯瞰しなければならず、俯瞰すれば第三者の目で見ることができる。
※本記事は2018年8月号に掲載した記事を再掲載したものです。