江戸川乱歩と杉原千畝。異色の組み合わせが生み出す驚きの物語!青柳碧人『乱歩と千畝─RAMPOとSEMPO─』本日発売!
戦後80年、乱歩没後60年、「命のビザ」発給85年のメモリアルイヤーに大注目の一冊。直木賞作家の門井慶喜氏も絶賛!
株式会社新潮社は、青柳碧人さんの長篇小説『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』を、本日5月14日(水)に新潮社より刊行いたします。
江戸川乱歩と杉原千畝。ふたりの知られざる「接点」を手がかりに、『むかしむかしあるところに、死体がありました。』などで知られる実力派の著者が放つ、誰も書いたことがなかった小説です。

■ 意外な組み合わせで描く波瀾万丈の友情ストーリー!
日本ミステリー界に偉大な功績を残した巨匠、江戸川乱歩(1894-1965)。
外交官として多くの人命を救った「東洋のシンドラー」杉原千畝(1900-1986)。
同じ高校大学に通い、同じ時代を生きたふたりが、もしも学生時代に出会い友人となっていたら――。
そんな斬新で大胆な発想で、今までの枠を超えた壮大な物語を書き上げたのが、『乱歩と千畝』です。
時代に翻弄されるふたりの人生は、時に交差しながら新しい歴史を作っていきます。感動のラストでは、思わず熱いものがこみあげてくる展開に。著者の持ち味の明るく読みやすい文体で一気に読ませる本書は、青春小説でもあり、人生の物語でもあり、まぎれもなく「ふたりの友情」を描いた物語です。

(C)鳩山郁子

■ 今年は乱歩と千畝にとってのメモリアルイヤー!
2025年は、昭和100年・戦後80年を迎えることで話題になっていますが、本作の主人公であるふたりにとっても、大きな節目の年となります。
● 江戸川乱歩:没後60年(命日は7月28日)
日本探偵作家クラブ(現在の日本推理作家協会)の設立や、江戸川乱歩賞の制定など、ミステリー界発展のために奔走した乱歩は、70歳でその生涯を閉じました。一昨年にデビュー100年、昨年に生誕130年を迎えた乱歩の記念イヤーは、今年が集大成です。
● 杉原千畝:ビザ発給から85年
リトアニアの日本領事館に赴任していた千畝は、1940年7月~8月の間、ナチス・ドイツの迫害を受けていたユダヤ人に対してビザを発給し、亡命を手助けしました。「命のビザ」として知られるこのビザの発給数は、わずか1か月間に2,139通にも上ります。
本作『乱歩と千畝』のなかでも、日本ミステリー界のために尽力した乱歩の晩年や、ビザ発給をめぐる千畝の葛藤などが、克明に描かれています。
■ じつは高校大学の同窓生! ふたりの意外な関係性
三重県出身の乱歩と、岐阜県出身の千畝。
6歳違いのふたりは、いずれも早稲田大学に通っていました(千畝は中退し官費留学)。
作中でふたりの出会いの場として描かれるのは、
カツ丼発祥の店として知られる蕎麦屋「三朝庵」。早稲田OBにはお馴染みの店です。
また、ふたりは旧制愛知五中(現・瑞陵高校)の同窓生でもあります。これらの事実が、本作を構想するきっかけとなりました。

(C)鳩山郁子
■ 横溝、清張、松岡、広田…… 実名で登場する大物たちにも注目!
史実に基づきながら書かれた本作には、各界で活躍した歴史上の人物たちが実名で描かれます。
文壇からは、乱歩の盟友であった横溝正史をはじめ、松本清張、高木彬光、山田風太郎、木々高太郎、鮎川哲也など、名だたる昭和の名作家たちが登場。
また、松岡洋右や広田弘毅といった政治家や、根井三郎ら外交官たちが、千畝の上司や同僚として登場します。
ほかにも、北里柴三郎、徳川夢声、淡谷のり子、古賀裕而など、豪華な登場人物の活躍も注目ポイントです。
■ 直木賞作家・門井慶喜が認めた! 著者・青柳碧人の新境地
青柳碧人さんといえば、累計100万部を超える「浜村渚の計算ノート」シリーズや、「昔ばなしシリーズ」「赤ずきんシリーズ」など、軽快で明るいミステリーで知られる作家。ですが、本作ではその手法をあえて封印しています。
著者の新境地となる本作は、『銀河鉄道の父』(直木賞受賞)や『家康、江戸を建てる』など歴史ものの著作も多い作家、門井慶喜さんの折り紙付きです。
これは乱歩と千畝だけではない。その二つの焦点を楕円状に取り囲むすべての人の物語なのだ。読後の印象ののびやかさ、ふところの広さは格別である。
青柳碧人はこの一作によって、いきなり歴史小説の大物となった
■ 装画は漫画家・鳩山郁子さんによる書き下ろしイラスト!
鳩山郁子(Hatoyama Ikuko)
漫画家。神奈川県生れ。1987年漫画雑誌「ガロ」(青林堂)にて『もようのある卵』が入選。以後、少年にしかない儚さと美しさを、理知的かつ繊細に描く作風で知られ、熱烈なファンが多い。主な刊行物に、『月にひらく襟』『カストラチュラ』『エルネストの鳩舎』『寝台鳩舎』『羽ばたき』(原作:堀辰雄)等。装画として青柳碧人著『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』がある。

(C)鳩山郁子

■ 書籍内容紹介
大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。まだ何者でもない青年だったが、夢だけはあった。希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく……。若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。「真の友人はあなただけでしたよ」──泣ける傑作。
■ 著者紹介

青柳碧人(Aoyagi Aito)
1980年千葉県生れ。早稲田大学卒業。2009年『浜村渚の計算ノート』でデビュー。2020年『むかしむかしあるところに、死体がありました。』で第17回本屋大賞にノミネートされ注目を集める。読みやすく明るい文体でひねりの効いた作品が多く、年代を超えて数多くのファンを得ている。主な著書に、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』(Netflixで映画化)『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』『怪談青柳屋敷』『令和忍法帖』『オール電化・雨月物語』のほか、「西川麻子シリーズ」「猫河原家の人びとシリーズ」など多くの人気シリーズを手がける。
■ 書籍データ
【タイトル】乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO
【著者名】青柳碧人
【発売日】2025年5月14日
【造本】ハードカバー
【定価】2,420円(税込)
【ISBN】978-4-10-356271-9
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/356271/
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