【書きたくても書けないあなたへ】『作家になりたい!』に学ぶ!初心者必見の名言&小説の書き方・キャラ作りのポイント


未央と一緒に小説がうまくなろう!
『作家になりたい!』の中で未央が柊真しろ先生に教わったこと
「創作は思い立ったが吉日よ! だれでも、やりたいと思ったら、始めればいいのよ!」
「小説を書くときは、『わたしは、絶対に、おもしろい小説が書ける!』と思いながら書くのがコツよ。『自分なんか、ダメ。どうせ、つまらない小説しか書けない。』なんて、思いながら書いていると、自然とブレーキがかかって、ほんとにつまらない文章になっちゃうのよ。だから、自己暗示もたいせつよ!」
「同じく、『どうせ、また落選するんだろうな。』とか、先のことを考えて、くよくよするのはよくないわよ。取りこし苦労は、ソンよ。『とりあえず、今日を、がんばる!』それだけ考えて書けばいいのよ!」
(小林深雪『作家になりたい!9』より)
『作家になりたい!』登場人物 柊真しろ先生の実践小説教室
小林深雪さんのインタビュー特別編として、登場人物でイヤミスの女王、柊真しろ先生が特別講義!
今の子どものことを調べるべき?
誰でも子ども時代はありますので、それを思い出して書けばいいと思います。時代が変わっても、子どもの感じ方や悩みはそう変わるものではないですから。
逆に変に取材しすぎて、今の子ども像のようなものを描いても、子どもが読めば作りものだとわかってしまうと思います。それだったら、自分の子ども時代のことを書くほうがいいです。もちろん、スマホを持っているなど、現代的にアレンジすることは必要です。
題材については調べたほうがいい?
書こうとする題材に興味があることが前提になりますが、たとえば、料理だったら料理に興味も熱量もあるけれど、料理については詳しくないというのなら下調べをして書くべきです。
しかし、単に料理小説が子どもにウケそうだと思って書くのだったら、やめたほうがいいかもしれません。そういう姿勢だと主人公も料理について熱く語ることができませんし、面白くならないからです。
まとまらないのは何が原因?
何が書きたいのか、何を伝えたいのかがまだ見えていないのだと思います。「何が書きたいの? どんな話なの?」と聞かれたら、一言でパッと言えるくらいでないと、書いているうちに話がズレてきます。
そうなったら、もう一度、起きる出来事を箇条書きにして、何が起きて、どうなるのかを確認したほうがいいです。まとまらない人は、たぶんゴールが見えていないのだと思います。
キャラクターはどう作りますか。
『作家になりたい!』で言うと、主人公の宮永未央ちゃんは作家志望ですが、天才作家で双子の礼央、理央のほうが小説を書くのがうまく、教えられたりします。おまけに「牛耳る」を「牛汁」と間違えて注意されたりします。少しとぼけたところがあるわけですが、欠点があることで、読者に共感されやすいキャラクターになっています。
なんでもできて、完璧な人物がいたら、すごい人だと尊敬したり、憧れたりするかもしれませんが、感情移入はできませんよね。感情移入できないと話が進みませんし、「こんなにうまくいっている主人公なんて応援できない」と思ってしまいます。
また、主人公の味方と敵を作るといいです。味方がいないとくじけてしまいますし、敵がいないと話がすんなり進みすぎてしまうからです。
ストーリーに既視感を覚えます。
ストーリーを考えて、どこかで読んだ話だなと思うことは誰にでもあることです。ストーリーはどの小説も、主人公が何かしたいと思い、その実現までの過程を描きます。型はみな同じですから、ストーリーだけ取り出せばどこかで読んだ話だと思っても不思議ではありません。だから、気にしないこと。
それより、あなたにしか書けない1行があるかどうかのほうが問題です。小林深雪先生は『泣いちゃいそうだよ』シリーズで、「後輩にタメ口きかれちゃったけど、どうしよう」というような「些細な悩み」を大事にしました。一見すると同じような恋愛ものでも、作者なりのこだわりを大事にすれば、同じ話とは思えなくなるものです。似たようなストーリーでも、その中に「どうしてもこれだけは伝えたい」という1行があれば、既視感の問題は気にしなくていいです。
※本記事は2021年4月号に掲載した記事を再掲載したものです。