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あなたとよむ短歌 テーマ詠「数字を含む短歌」佳作 結果発表

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結果発表

それでは、佳作6首のご紹介です!


24時間営業のファミレスのファミリーはたぶん人類のこと
(村川愉季さん)

夜中の3時に親子連れで来店するケースは想定されていないでしょう。それでも「ファミリーレストラン」なんですよね。自由律っぽさもありますが実は「24時(句跨り)間営業の/ファミレスの/ファミリーはたぶん/人類のこと」とかなり定型に近く、特に結句が7音になっていることで引き締まっています。



妹が食べてるポテチの一枚が光って見えるダイエット中
(佳丸さん)

軽くて、小さくて、でも高カロリーで、油でテカテカで……。ダイエット中の身からすると光って見えるのも納得です。「妹」という、少なくとも自分よりは若いボディを持つ人が食べている点も秀逸。



美しい雨の名前を一つずつビーズのように通す休日
(ともりゆめさん)

真っ直ぐに降る雨。一つ一つはビーズのようですが、降っている様子は糸のようでもあります。さみだれ、はるさめ、ゆうだち、しぐれなど、雨の名は響きも豊かです。喧騒から離れてゆっくりと過ごしている休日の空気。



暑い日に財布をみれば完全に命の形をした五百円
(まだ間に合えさん)

500円あれば自販機で冷たい水が買えます。店があればアイスが買えます。喫茶店があれば涼しい席でアイスコーヒーが飲めるかも。他の硬貨よりずっしりした500円玉の頼もしさ、たましいのように輝く円型の存在感を感じます。



三度目の嘘は静かに喉くだる魚の骨のやうなかなしみ
(箭田儀一さん)

一度目の嘘はすっと飲み込めて、二度目の嘘は喉に引っかかり、三度目の嘘は骨のまま喉をくだっていったのかもしれません。「かなしみ」を丁寧に形容しているところに、覆らない確固たる意思を感じます。



三十になってしまった 人生の五分の一が過ぎてしまった
(糸間ケントさん)

上句も下句も数字がある一首。「しまった、しまった」と焦りや後悔がみられる言葉づかいなのに、計算すると150歳生きる予定のようです。その太々しさというか、生命力に笑ってしまって、なんだかこちらまで元気がでます。



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