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テンには原則がある|読点の打ち方に正解はない

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、(てん)と。(まる)の新ルール

テンには原則がある

テンの打ち方には一つだけ大きな原則がある。
これは1970年代にジャーナリストの本多勝一氏が提唱し、現在では言語学的にも認められている理論だ。

テンを打つ打たないを決めるのは、修飾語の長さだ。
ここで言う修飾語・被修飾語とは、

「美しい → 山」(形容詞 → 名詞)や、
「吾輩は → 猫である」(主語 → 述語)など、

係り受け関係にある語句のことを言う。

では、以下の文章には修飾語はいくつあるかわかるだろうか。

三日前に旧友が勤務先で表彰を受けた。

正解は、四つ。
被修飾語は「受けた」で、修飾語は「三日前に」「旧友が」「勤務先で」「表彰を」だ。
つまり、

三日前に → 受けた
旧友が  → 受けた
勤務先で → 受けた
表彰を  → 受けた

みんな「受けた」に係る(修飾する)。
まずは、このことをしっかり頭に叩き込んでおこう。

テンが必要ない場合

修飾語が長い順の場合

修飾語が長い順に並んでいる状態、これを「正順」としよう。
正順の場合、テンは必要ない。

例文4
徹夜で勉強したのに試験に落ちた。

この文章の係り受け関係は、

徹夜で勉強したのに → 落ちた
試験に      → 落ちた

修飾語の「徹夜で勉強したのに」と「試験に」が長い順に並んでいる。
従ってテンは不要だ。

例文5
明日は小春日和となる。

この文章の係り受け関係は、

明日は   → なる
小春日和と → なる

長い順にはなっていないが、両方とも短い。
この場合もテンは不要だ。
 

テンが必要となる場合

修飾語が短い順の場合

逆に修飾語が短い順に並んでいる状態、これを「逆順」と言う。
逆順の場合はテンが必要となる。

例文6
妹は十分な修業期間を経てから海外リーグに挑戦した。

こちらの文章の被修飾語は「挑戦した」で、修飾語は以下の三つ。

妹は
十分な修業期間を経てから
海外リーグに

これらを長い順に並べると、

十分な修業期間を経てから海外リーグに妹は挑戦した。

となり、この場合は三つの修飾語の係り受け距離が近く、テンはいらない。

しかし、文章にとって主語は重要だから、できれば真っ先に示したい。
すると、修飾語が長い順でなくなる。つまり、逆順だ。
逆順の場合は、短い修飾語のあとにテンを入れる。

妹は、十分な修業期間を経てから海外リーグに挑戦した。

「妹は」とあり、そのあとにテンがあると、ここで切ったということは「妹は」は遠いところにある述語を修飾しそうだ(係り受け距離が長そうだ)と読者は直観し、読みやすさが増す。

例文7
乳製品は苦手だと言っていた兄が豆乳をたっぷり入れたアイスコーヒーを飲んだ。

修飾語は、

乳製品は苦手だと言っていた兄が
豆乳をたっぷり入れたアイスコーヒー

の二つで、両方とも長い。

この場合は修飾語の間にテンを入れ、以下の用ようにすると読みやすい。

乳製品は苦手だと言っていた兄が、豆乳をたっぷり入れたアイスコーヒーを飲んだ。

※注 要不要と言っても原則だから打つ打たないは自由。