文芸公募ニュース 1.17更新 文学賞発表情報
毎月第2・第4金曜日更新の「文芸公募ニュース」最新版です。
今週水曜(1.15)、芥川賞・直木賞が発表となりました。同様の賞は、三島由紀夫賞、山本周五郎賞などいろいろありますが、大きく報道されるのは芥川賞・直木賞だけですね。
芥川賞・直木賞は、昭和30年までは文壇の中の賞に過ぎませんでした。実際、それ以前に受賞した遠藤周作は「表彰式も関係者10人ぐらいが集まるだけ」と言い、吉行淳之介も「受賞しても特に何も変わらなかった」と言っています。
芥川賞・直木賞がジャーナリズムに載るようになったのは、太陽族というブームを起こした石原慎太郎以来。その意味では「石原慎太郎は芥川賞を受賞して有名になった」のではなく、「石原慎太郎が芥川賞を有名にした」というのは正解かもしません。
ということで、しばらくは芥川賞・直木賞の話題が続きそうな出版界ですが、まずは文芸公募の発表情報から行きましょう。
プロの登竜門文学賞 締切・発表スケジュール
エッセイ公募 締切・発表スケジュール
童話・児童文学公募 締切・発表スケジュール
第10回藤原正彦エッセイコンクール
数学者でエッセイスト、また新田次郎氏の次男でもある藤原正彦さんが審査員を務める第10回藤原正彦エッセイコンクールの入選者が決まった。応募総数は2,276編だった。
入選作
一般部門
最優秀賞
「母の終活」山本築(福岡県)
優秀賞
「何もない春」吉沢慎一郎(大阪府)
佳作
「地下鉄のクリスマス」茂木麻予(ニューヨーク)
※中学生部門、高校生部門は省略。
詳細はこちら(http://www.himejibungakukan.jp/event_calendar/essayconcourt_news/award/)
第59回北日本文学賞
芥川賞作家の宮本輝氏が選者を勤める第59回北日本文学賞の結果が発表になった。応募数は880編だった。
入選作
正賞100万円
「月と
選奨30万円
「子供を売る男」つくし(兵庫県)
「ちび丸の背中」すずきあさこ(千葉県)
詳細はこちら
(https://webun.jp/articles/-/732953)
第30回随筆春秋賞
第30回随筆春秋賞の入選者が決まった。応募数は879編だった。
また、随筆春秋賞応募作の中から、直木賞作家の佐藤愛子さんがこれはという作品を選ぶ第5回佐藤愛子奨励賞も発表となった。
受賞作
第30回随筆春秋賞
優秀賞
「アキさんの笑い皺」並樹澄空(長崎県)
佳作一席
「奇妙な葬儀」吉﨑もなか(東京都)
佳作二席
「くじけても、今を生きる」角田幸一(東京都)
第5回佐藤愛子奨励賞
受賞作
「母の塩むすび」辻󠄀川定男(福井県)
詳細はこちら
(https://zuishun.net/the-30th-zuihitsu-shunju-prize/)
第8回日本女性学習財団 未来大賞
「日本女性学習財団 未来大賞」は、「出発・再出発」をテーマに、男女共同参画社会、多様な人々が生きやすい社会の実現に向けて、次への一歩を踏みだしたい、踏みだした人(支援する人・グループを含む)の思いやその過程をまとめたレポートを募集。
第8回には全国から27編の応募があり、下記のように受賞者が決まった。
受賞作
大賞
「『産まなければならない』呪縛への道のりと解放-次世代の女性たちへのメッセージ-」佐藤有理さん(神奈川県)
詳細はこちら
(https://www.jawe2011.jp/nii_awards/index2024.html)
第23回大和郡山市 人権ショートレター募集
大和郡山市人権のまちづくり推進協議会では、「人権」を大切にする気持ちをしたためた「人権ショートレター」を募集。全国各地から2,574通の応募があった。
ここでは最優秀賞の作品のみ紹介する。
入選者
高校・一般の部
最優秀賞
「チャームポイント 」
生まれつき声に特徴のある我が子。保育園児の頃にからかわれたことがあった。そして私は我が子に個性の尊さを教えた。あれから自己紹介の際には「チャームポイントはこの声です!」と言うらしい。そう、個性は尊い。
小・中学生の部
最優秀賞
「 ふたごの妹 」
ぼくの妹は、ただただ可愛い。体も動かせないし、食事もできない。人からじろじろ見られることもある。ぼくが話しかけても、返事をしてくれない。でも、少しの表情の変化、少しの指の動きだけでも、ただただ可愛い。
詳細はこちら
(https://www.city.yamatokoriyama.lg.jp/soshiki/jinkenshisakusuishinka/jinken_danjokyodosankaku/1/3436.html)
第8回岩井コスモ証券presents上方落語台本大賞
第8回上方落語台本大賞の選考結果が決まった。
今年度は192編の応募があり、以下の作品が入選した。
優秀作
大賞
「娘の進学」本田久作(東京都)
優秀賞
「終活ロマンス」中嶌亜季(愛知県)
佳作
「別々の道」三宅伸幸(三重県)
「噂を呼ぶ男」神崎京一(大阪府)
「ご時世ヒーロー」竹谷裕介(大阪府)
詳細はこちら
(https://kamigatarakugo.jp/information/news/25557/access_time 2025.01.10)
令和6年度「越前 蟹と水仙の文学コンクール」
「越前がに」「越前水仙」および「越前海岸」を題材とした詩および俳句を募集したところ、県内外より詩部門に376編、俳句部門に3,624句が寄せられた。
入選作
一般の部
詩部門 一般の部
大賞
森久美子(三重県)
優秀賞
三刀月ユキ(京都府)
奨励賞
平川ミノリ(福井県)
佳作
岩田彰峰(岐阜県)
三ツ谷直子(京都府)
大江豊(愛知県)越前市
俳句部門
大賞
塚﨑広美(福井県)
優秀賞
亀田勝則(栃木県)
奨励賞
角森玲子(島根県)
佳作
大和田康夫(福井県)
ちばれいか(福岡県)
尾崎ひとみ(福井県)
※小学生、中学生、高校生の部は省略。
詳細はこちら
(https://www.town.echizen.fukui.jp/event/02/p009034.html)
文芸公募ニュースバックナンバー
2025.1.17更新 発表:第10回藤原正彦エッセイコンクール、第59回北日本文学賞、ほか
2024.12.27更新 発表:第36回舟橋聖一顕彰青年文学賞、2024年度織田作之助青春賞、ほか
2024.12.13更新 発表:第36回新美南吉童話賞、第35回伊東静雄賞、ほか
2024.11.22更新 発表:日本ファンタジーノベル大賞2025、論創ミステリ大賞か
2024.11.8更新 発表:第28回日本ミステリー文学大賞新人賞、第8回大藪春彦新人賞、ほか
2024.10.11更新 発表:第56回新潮新人賞、第61回文藝賞、第48回すばる文学賞、ほか
2024.9.27更新 発表:第18回島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞、ほか
2024.9.13更新 発表:第12回ハヤカワSFコンテスト、第6回ことばと新人賞、ほか
2024.8.23更新 発表:第14回アガサ・クリスティー賞、第2回創元ミステリ短編賞、ほか
2024.8.9更新 発表:第3回警察小説新人賞、第36回労働者文学賞2024、ほか
2024.7.26更新 発表:第15回創元SF短編賞、第7回田畑実戯曲賞、ほか
2024.7.12更新 発表:第45回小説推理新人賞、第9回カクヨムWEB小説コンテスト、ほか
2024.6.28更新 発表:メフィスト賞2024年下半期、第14回集英社みらい文庫大賞、ほか
2024.6.14更新 発表:第44回横溝正史賞ミステリ&ホラー大賞、第31回松本清張賞、ほか
2024.5.24更新 発表:第70回江戸川乱歩賞、第1回有吉佐和子文学賞、ほか
2024.5.10更新 発表:第23回女による女のためのR-18文学賞、第40回太宰治賞、ほか
2024.4.26更新 発表:第11回日経・星新一賞、第67回群像新人文学賞、ほか
2024.4.12更新 発表:第18回小説現代長編新人賞、第129回文學界新人賞、ほか