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高原すいか

あなたとよむ短歌 vol.73 テーマ詠「インターネット」結果発表

柴田葵のコメント

SNSで自分をフォロー(登録)している「好きな子」が、自分をリムーブしたら(登録を外したら)ものすごく落ち込むでしょう。もしもそうなったら、かわいい猫の動画や、自分の好きな米津玄師の画像やらを送って自分の気を紛らわせてくれ! という短歌です。 「リムーブ」や「米津玄師」も、10年後には言葉の意味や、その位置づけが変わっているかもしれませんね。また、猫も米津玄師も、それぞれに肖像権などの権利があるはずなのですが、癒してくれるモノやツールとして動画や画像が流れ、それを「くれ」と言っている点にも、インターネットの混沌を感じます。現在のインターネットはファジーで、ときに独りよがりで、だからこそ万人の居場所たらしめる側面もあります。 「好きな子」「猫の動画」「米津玄師」が好きだとわかるだけでも、ちょっとこの人のことを知ったような気持ちになり、つい共感して応援してしまいそうです。とてもインターネットらしい短歌だと思いました。

華盛頓

あなたとよむ短歌 vol.73 テーマ詠「インターネット」結果発表

柴田葵のコメント

「マイアカウント」「あなたの情報」など常に問われるインターネットにおいて、身体はどれほど意識されているのでしょうか? 最近は指紋や瞳で認証するケースもありますね。では、インターネットにとって指紋や瞳だけが「私」なのでしょうか? 画像や音や文字にあふれ、3Dアバターなども一般的になってきたインターネットで、ふと自分自身の身体性について考え直す瞬間。スッと体温が下がるような短歌です。私たちは生きる上でその身体から離れられないのに、インターネット上ではその身体性を問われることはほとんどありません。それが良い面も悪い面もあるでしょう。「ID」というアルファベットと「身体」という熟語が、視覚的にも鮮やかな一首です。

竜泉寺成田

あなたとよむ短歌 vol.73 テーマ詠「インターネット」結果発表

柴田葵のコメント

夜勤する人でなければ、深夜3時に誰かと会って会話をすることはほぼありません。でも、自分が起きていて、地球のどこかで相手が起きていれば、通知を目にすることもあるのがインターネットです。 「達者で」という言葉がとてもいいですよね。おそらく「達者で」と声に出したわけでも、相手に送信したわけでもないでしょう。会ったことのない、SNS上で見かけるだけの人かもしれません。それでも「達者で」と相手のことを思うくらいには、近しい感情が湧くことがあります。SNSでポツポツと呟いている私もあなたも、誰かから「達者で」と思われているのかもしれません。インターネットの体温のような短歌です。