幼なじみの誕生日を祝った翌日、彼の「存在自体」が消えていた…。残された私は、彼の行方を追い続ける。 #pixiv 小説企画「執筆応援プロジェクト〜帰ってきたあの人〜」参加作品です。 応募できましたー! #執筆応援PJ24Oct #再会 #非日常 #失踪 #大学生 #数字 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23358894
- 希家由見子
- サンド
#36回どうぞ落選供養 できの悪い作品でも、供養はしてやらねばと今回も投稿いたします。 タイトル:Art of minimalism 今日、姉のリナちゃんが、最近付き合い始めた行動パフォーマンスアーティストの彼氏と一緒に貸倉庫に引っ越っしていった。 「恵麻、倉庫で彼とパフォーマンスするから観にきてね」 後にはリナちゃんの大好きなピンクとフリルの服やキラキラした家具がまるごと残っていた。これは全部廃品業者が引き取っていった。もう要らないとのこと。 次の日曜日に倉庫に行ってみた。 「初めまして妹の恵麻です」 「ジミーです」リナちゃんのパートナーのジミーさんは白いシャツとズボンを着て長い髪を麻紐か何かで結んでいた。栄養失調の草っぽい感じの人だ。リナちゃんもお揃いの白装束姿だった。ロリータファッションをやめたのはジミーさんの影響らしい。倉庫には机とベッドがひとつ、キッチンも白一色で鍋も食器もほとんどなかった。 「リナちゃん、どんなパフォーマンスなの?」 「今パフォーマンス中なんだけど。行動パフォーマンスとしてのミニマリスム」 「そうか! わかった。パフォーマンスしないのがパフォーマンスなんだね」 リナちゃんとジミーさんは顔を見合わせると、パフォーマンス修正会議に入ってしまった。 数日後、ジミーさんから電話があった。 「リナが身体の中もミニマルにするって聞かないんだ。ぼくには止められない。とにかくすぐ来て!」 身体の中もミニマルって、どういうこと? 倉庫に着いた時はすでに遅かった。ジミーさんがさめざめ泣いていた。 「リナ、身体の中までミニマルにするなんて、そんな表現はまちがってる!」 「これは日常における解放を象徴するエレメントなの。ジミーも一度やったら素晴らしさがわかるから」 「ぼくにはできない」ジミーさんが号泣し始めた。 「ジミー、あなたが泣くとわたしまで悲しくなる。わたしを信じて。二人で一緒にパフォーマンスすれば大丈夫よ」 「君がそう言うならわかった、リナ、もう一度がんばってみる」二人だけの世界になって見つめあってる。授業まで抜け出してきたのに、バカみたい! 数週間後、ジミーさんからまた電話がかかてきた。 「リナが影を捨てるそうだよ」 「影? 影なんて捨てられるわけないじゃないですか。わたし受験生ですよ。冗談に付き合っている暇ないです」 「だったらリナに聞いてみたらいい。彼女はやりすぎだよ。ぼくは降りるよ。今日倉庫を離れるつもりだ」プッ、ツーツーツー、電話が切れた。 「ジミーさん?」 巻き込まれたくはないけれど、リナちゃんがのめり込むと止まらなくなる性格なのは知っている。やっぱり気になる。またしても授業を抜け出して倉庫に着いた頃には、もう、リナちゃんの影はなくなっていた。 「リナちゃん、影を戻してよ。街中歩いていると変だと思われるよ。幽霊みたいだから塩まかれるかもしれないでしょ」 「影を捨てるのは次のパフォーマンスへ移行するための重要なエレメントなのよ」意味不明だ。 その日の夜、リナちゃんの暴走をアメリカに赴任中の両親に電話で相談することにした。 しかし…… 「ミニマリズムって片付けのことだね、片付けなんていいことじゃないか。リナもだいぶ落ち着いてきたね」そういえばお父さんは片付け魔だった。 「だって身体の中身を捨てて、影もなくなったのよ」 「恵麻ちゃん、そんなことあるわけないでしょ。昨日リナちゃんとも電話で話したけど元気そうだったわよ。おかしなこといわないで」おかしいのはリナちゃんなのに。「恵麻ちゃんは受験生なんだから、勉強に集中してね」 「恵麻、ファイティング!」 わたしはお父さんとお母さんに失望し、そして、悟りの境地に達した。 なすに任せよ。 十二月になってリナちゃんが久しぶりに家に遊びにきた。 「ねえリナちゃん、姿が薄くなってない?」 「わかる? 身体の外側も消すことにしたの。だいぶ消えてきてるからもうすぐこのエレメントは完成。次のエレメントのパフォーマンスが待ってるの」 「透明人間になって物音だけしたらホラーだよ。うちに来たらわかるように合図してね」 「そうねえ、三回ノックすることにしようか。コンコンコン」 ちなみにこの後のパフォーマンスは、声を捨てるエレメントだとのこと。 受験の日の朝、リナちゃんが家に来てくれた。コンコンコン。 「応援に来てくれたんだね。ありがとう」 「じゃがんばってくるね。行ってきまーす」ゴンゴンゴン ゴンゴンゴン。盛大なノックで見送ってくれた。 四月、わたしは晴れて大学生になり授業が始まった。リナちゃんのノックの音はうちに来るたび小さくなっている。もうじき聴こえなくなるのかな。次はどんなエレメントをパフォーマンスするのか今となっては訊けないけど、リナちゃんは飽きっぽいから、いつか終わる日が来るはず。残念ながらパフォーマンスしても誰も気づかないけど、まあ、気の済むまでやってみればいいんじゃない? (完)
- 三波さおり
夜中に気持ちを吐き出したくてかいたエッセイ。 どこかに応募したいのだけど、ジャンルがわからなくてここに。 --- こころのゆきさき 僕のこころの行き先は、どこだろう。 僕のこころが僕自身どこへ向かうのか、わからない。 僕のこころのなかみは、なんだろう。 何をしても、こころの充足感を得られない。 小学生時代 きよたは十二歳になった。小学校も6年生になり、来年からは少し遠くの中学校に通うことになる。 「きよたくんは塾にかよいはじめたの?」 同級生の中でも大人びたかよが、きよたに訊ねた。 「…うん、そうです」 同級生なのに変なの、と、きよたの敬語にいぶかしんだかよは、他の女子との会話に戻ったようだった。 (変、、、かあ) きよた自身、ある日いきなり、同級生たちとタメ語を話せなくなったことに戸惑っていた。 というよりも、タメ語で話すことに違和感をおぼえたのだ。 (…?) きよたは自分のこころがあると教わった胸に手をあてて、考えてみる。でも、何か嫌なことがあったのだとか、きっかけがあったようには思えないのだ。 (僕のこころはどうしちゃったのだろう) 中学生時代 中学校では「さん付け」で互いに呼びましょう、という指導がされた。これによってきよたは幾分か友人とおしゃべりをするのが楽になった。相手と話す際に、苗字+さんでよいのは、小学校の時のあだなであったり、呼び捨てであったり、という呼び方にできなかったきよたにとって好都合であった。ただ、会話のなかみを話すにもずっと敬語になってしまう。 中学校でもきよたは周りから浮いた存在だった。 このころから、きよたには自分から思考が離脱する癖がつき始めた。きよたは自分が周りから浮いた存在と自覚しつつも、それを改善しようとしなかった。きよたが周りに陰口を言われていることを、きよた自身が他人事のように俯瞰するようになった。 きよたの「こころ」は、自分がいじめられていることを認識しなくなっていった。 建て前を覚えた高校生時代を経て、大学生時代 大学生になりおとなになっても、きよたには自分自身を俯瞰する癖が抜けなかった。このころになると、きよたの斜め後ろからきよたをのぞむ「きよた」がいる、と認識していた。高校生、大学生の間に、きよたは「思ったことをそのままいうのは時として不適切であること」「本音と建て前というものがあること」を認識した。この認識は、きよたに仮の面をつけさせることとなった。きよたが認識に基づいて友達と会話しようとすると、きよたはきよた自身の言葉で話せていない感覚に陥った。また、友達は仮面のつけたきよたからどんどん遠ざかった。「きよた」は遠ざかる友達の背中を、ただじっとみつめるきよたをみていた。 この時にはもうきよたは、自分のこころは「きよた」のものであり、自分のこころとは別の「こころ」があるのだと認識し始めた。 ぼくは、ぼくのこころは、こんなにも“さびしいのに” 「きよた」は、「きよたのこころ」は、ただ、じっとみているだけなんだ。 社会に出て働いて、旧来の友達と話をしても、 ぼくのこころには、いまだに「きよたのこころ」がいて。 友達と真の心とぼくのこころとが触れられない寂しさ、孤独感がつのる一方で、きよたのこころは何も感じないでいる。 ぼくのこころは、この先どうなっていくのだろう。 社会人に慣れたきよた ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 社会人を何年も過ごしていると、常に敬語で会話をする友人的存在に出会うこととなった。主には仕事仲間のうちいわゆる馬の合う人間に出会ったのである。きよたはこの人間と過ごす時間が好ましいと感じ始めた。 幸いこの友人的存在はきよたの陰口をたたいたり、きよたを疎ましいと感じるということすら認識していないようだった。「きよた」の「こころ」は変わらず、この友人的存在に対してもじっと見つめるのみであったが、きよたのこころは孤独を感じることが少なくなっていった。 ぼくは、ぼくの心のままに友達と敬語を話して距離を作ってしまったけれど、それによって「きよた」とその「こころ」がうまれてしまったのか・・・? 「きよた」、きみはぼくのこころを守るために生まれてきてくれたのかい? 「きよた」も「こころ」によってぼくを俯瞰してくれたよね。 「きよた」「こころ」 ありがとう 現在 現在の私には、幽体離脱のような症状がはっせいすることがなく、また旧来の友人ともタメ語で話せるようになった。しかし、例えば何か仕事で情報が共有されないなどの孤独感を覚えるときに、「きよたのこころ」が頭を出す。彼らにはまだまだ心配されているようだ。
- 獏太郎
厚かましいですが、私も……。 #第35回どうぞ落選供養 ---- すぐそこにある孤独---- 母は五十歳になり、突然仕事を辞めた。 高校を卒業して、何となく始めた福祉の仕事だったが、体力の限界を感じる前に、もう一花咲かせたいと、決意したようだ。私が大学に入学したのも影響しているらしい。 私はこの春から大学生活を始めて、新しいアルバイトを始めた。母と同じ職場だ。平日は母が勤務を終えるのと入れ替わりで私が入り、土曜日だけは午前中だけ一緒になる。母は休みを固定にしているので、サークル活動も始めた。それなりに、人生を楽しんでいるようだ。 今どきのドラックストアは、小さなスーパーマーケットでもある。大型店舗ほど広くはないし、洗剤などの日用品も一緒に買えるから、高齢者にはいいらしい。若い方にはコンビニ代わりになっているようだ。 店長に言われた。母は、高齢のお客さんに人気だ、と。昔取った杵柄、とでもいうのかも。何十年も向き合って来たら、そりゃあしらいも、上手いだろう。でも、それだけかな。少し観察してみた。 高齢の方は、母によく話しかけている。品物を探すのではなく、何気ない会話をしている時が多い。しかも、長話ではない。時に探し物を一緒にしてほしいという方もいるが。はて、母の何がそうさせるのか。 観察を暫くして、あることに気づいた。 母は聞き役なのだ。一方的に話しかけてくる高齢者の話を聞いて、時に相槌を打ったり、共感してみたり。ただそれだけ。聞き上手なのだ。名人級のレベルの。 レジに立っている時も、そう。 品物のバーコードを通しながら、話しかけてくるお客さんの話の腰を折ることなく、ただただ聞いている。お金を出すのにどれだけ時間がかかっても、じっと待つ。雨の日などは「お気をつけて」と一言添えて見送る。 お客さんの中には、同じ日に何度もやって来る方がいる。一回の買い物の量は多くない。何度も足を運ばなくても、まとめて買えば一回で済むのに。非常に効率が悪い。これが歳を取るってことかな。そこでやはり、母に話しかける。どんなに忙しくても、母は言葉のキャッチボールを止めない。 母と同じ職場で働き始めて、半年が過ぎた。 母と同じ苗字だねと、声をかけて下さるお客さんがちらほら出始めた。実は親子でして……と話すと、堰を切ったように話しかけられたことがあった。 「家に帰ったらTVしか話す相手がいてないし。お母さんと話すとうれしくてね。ついつい来ちゃうよ~」 えっ。 考えたこともなかった。 我が家には、両親がいて、弟がいて、犬がいて。話し相手はいくらでもいる。 歳を取って、子供が独立して、もし夫婦だけだったら。パートナーが死んでしまって。最後は、ひとりぼっちになってしまう。ご近所さんも歳を取れば、施設に入るかもしれないし、子供さんが引き取るかもしれない。いつの間にか、ひっそりと亡くなっているかもしれない。 母はそんな気持ちが、痛いほどわかっているのかも。いや、痛いほどわかっているのだ。だから短い時間でも、話しかけられたら聞き上手に徹するんだ。 そもそも、なんで母はドラッグストアという経験のない世界に飛び込んだのか。しかも人生初のレジ打ちもあるのに。 もしかしたら、高齢のお客さんが来ても、車いすや体が不自由な人が来ても、すっと対応できると考えたのではないだろうか……。 正直、反省した。 何も考えずに、もうちょっと遊びたいからと安易に大学進学を決めた自分が、恥ずかしくなった。 高校の国語で「二十億光年の孤独」という詩を知った。 二十億光年という単位がどれだけのものか、私には全く想像ができない。 でも孤独は、すぐそこにも沢山あるということは、今の私には想像できる。 (了)
- 半袖
敗者復活があると聞いて #第35回どうぞ落選供養 --- 『母の庭』 祖父が亡くなってから、もう十年が経つ。 私が小学生の頃、祖父は毎週日曜日に家に来ては、庭の手入れをしていた。つるバラの剪定や、芝生の手入れ、時には小さな池の掃除までしてくれた。その姿を見ていると、祖父の手には魔法がかかっているんじゃないかと思ったものだ。 「おじいちゃんは庭の名人だね」と言うと、祖父は照れくさそうに笑って、「名人なんてとんでもない。ただ長年続けてきただけさ」と答えるのだった。 祖父は庭いじりの合間に、よく私を呼んで話をしてくれた。 「美咲、植物にはね、それぞれ個性があるんだよ。同じ種類でも、一つ一つ違うんだ。だから、よく観察して、その子が何を欲しがっているのか、聞いてあげなきゃいけないんだ」 当時の私には、植物に個性があるなんて理解できなかった。ましてや植物の声を聞くなんて、おとぎ話としか思えなかった。 それでも、祖父の言葉は心に残った。 大学生になった私は、アパートの一室で観葉植物を育て始めた。最初は上手くいかなかった。水をやり過ぎて根腐れを起こしたり、日光不足で葉が黄色くなったりした。 そんな時、ふと祖父の言葉を思い出した。 「よく観察して、その子が何を欲しがっているのか、聞いてあげなきゃいけない」 私は植物と向き合うようになった。毎日少しずつ、葉の様子や土の湿り具合を確認した。そうしているうちに、少しずつだが、植物の「声」が聞こえてくるような気がした。 気づけば、私の部屋は緑であふれるようになっていた。友人が遊びに来ると、「美咲って植物の名人じゃない?」と言われるようになった。 その度に、私は祖父と同じように照れくさそうに笑って、「名人なんてとんでもない。ただ長年続けてきただけよ」と答えるのだった。 社会人になり、結婚し、子供ができた。忙しい日々の中でも、私は庭いじりを続けた。子供たちも、私の横で土いじりを始めるようになった。 ある日、長女の美月が言った。 「ママは庭の名人だね」 その瞬間、十年前に亡くなった祖父の顔が蘇った。私は思わず涙ぐんでしまった。 「どうしたの、ママ?」と美月が不思議そうに聞いてきた。 私は深呼吸をして、笑顔で答えようとした。だが、その時だった。 庭の奥から、今まで聞いたことのない「声」が聞こえてきた。 それは植物の声ではなかった。人間の声だった。 「美咲...助けて...」 私は凍りついた。その声は、十年前に亡くなったはずの祖父の声だった。 恐る恐る庭の奥に近づくと、一本の古木が目に入った。幹には人間の顔のようなものが浮かび上がっている。よく見ると、それは祖父の顔だった。 「美咲...やっと気づいてくれたのか...」 祖父の声が、木から聞こえてきた。 「お、おじいちゃん...?」 「そうだ...私は...この木に...なってしまったんだ...」 私の頭の中で、祖父の言葉が反響した。 「植物にはね、それぞれ個性があるんだよ」 「その子が何を欲しがっているのか、聞いてあげなきゃいけないんだ」 「美咲...私はもう...戻れない...」祖父の声が木々の間で震えた。「でも...お前は...まだ間に合う...」 私は震える手で美月を抱きしめた。 「ママ、おじいちゃんはどこにいるの?」美月が不安そうに聞いてきた。 私は答えられなかった。ただ、美月を連れて家の中に逃げ込んだ。 窓の外では、庭の植物たちが不気味に揺れていた。まるで、私を呼んでいるかのように。 その夜、私は恐ろしい夢を見た。 庭のすべての植物が、人の顔を持っていた。親戚や、友人や、知人の顔が、葉っぱや花びらの間から覗いていた。そして彼らは皆、同じ言葉を繰り返していた。 「名人になれ...名人になれ...」 目が覚めると、私の体は冷や汗でびっしょりだった。 しかし、それは夢ではなかった。 窓の外を見ると、月明かりに照らされた庭の植物たちが、すべて人の顔を持っていた。そして、その顔は私をじっと見つめていた。 私は震える手で携帯電話を取り、警察に電話をしようとした。 しかし、その時だった。 私の指が、緑色に変わり始めた。 そして、腕に葉が生え始めた。 私は叫びたかった。でも、声が出ない。 代わりに、風のような音が私の口から漏れた。 そう、まるで...葉擦れの音のように。 窓の外で、植物たちが歓喜の声を上げるのが聞こえた。 「新しい名人だ!」 「やっと仲間が増える!」 「おめでとう、美咲!」 私の意識が遠のいていく。 最後に聞こえたのは、祖父の声だった。 「ようこそ、美咲。これが名人の宿命なんだよ」 そして、すべてが闇に包まれた。 美月が近づいてくるのが分かった。彼女の小さな手が、優しく私の花びらに触れる。 「わあ、きれいな花!ママに見せなきゃ」 私は風に揺られ、永遠に答えられぬまま、美月の無邪気な笑顔に、いつか訪れる恐ろしい運命を見た。
- 島本貴広
今さらながらですが投稿いたします。最後というテーマでは暗くなるなと思い、明るい感じにしたかったんですがうまく行かず落ちがいまいちな(というか意味不明な)ものになってしまったかなと思います。 #小説でもどうぞ #第34回どうぞ落選供養 夕方のことだった。男子大学院生が人通りの少ない道を歩いていると物陰から白のジャンパー男が飛び出し倒れ込んできた。おどろいた院生は倒れた男の顔を恐るおそる覗き込んだ。顔は、まだ、若い。自分とはそこまで離れてなさそうだった。痛めたところがうずくのか苦悶の表情だ。 「だいじょうぶですか?」 「う、うるせえ」 乱暴な口調だ。男はゆっくりと起き上がるとよたよたと歩き始めた。左足を引きずっていて歩きにくそうだった。 「あの、病院とか行った方がいいと思いますよ」 「うるさい。ついてくるな」 「でも、その左足折れてませんか?」 「……折れてねえ」 その後も何度かやり取りを交わして病院へ行くよう説得を試みたが男はどこまでも頑なだった。もう構わない方がいいだろうか。そう思ったが院生は男のことを放っておけなかった。 「わかりました。じゃあ病院はいいです。その代わりに手当てだけはさせてください」 「はあ? だから良いって言ってるだろ」 「さすがにけがしてるひとをこのまま見捨てたら寝覚めが悪いです」 男はそう言われると、逡巡したあと「じゃあ」とだけつぶやいて院生についてきた。 院生の自宅マンションは男と出会った場所から五分ほどのところだった。たいしたことはできない。せいぜい男の顔や腕にできたすり傷にオキシドールで消毒しておおきめの絆創膏を貼り付けてやるくらいだ。折れているかもしれない左足はネットで調べた骨折時の応急手当てのやり方を見よう見まねで施した。 「だから別に折れてねえよ」 「折れてなくてもヒビが入ってるかもしれません。やっぱり病院まで送りますから」 「病院には行かねえよ」 「さっきからそれ、なんでなんですか?」 院生は叱る親のような口調で男に問い詰めた。 「保険証も金もないからな」と、男は目線をそらしてぼやくようにに答えた。 なるほど、もしかしたら無職のひとか。院生はそう納得した。 「あんた、法学部の大学生?」 男は院生の部屋を見渡していた。目線の先には参考書が詰まった本棚がある。 「法学部は卒業してます。いまはロースクールに行っていて」 「検察とか目指してるのか?」 「いえ、弁護士です」 そこまで聞くと男は無理やり立ち上がった。トイレかと思ったが、玄関の方へと向かっていく。 「じゃあな世話になった。ありがとうよ」 「え、どこいくんですか」 「帰る」 院生はあわてて引きとめた。 「だから、その引きずった足じゃ無理ですって」 「お前もしつこいな。余計なおせわだと……」 痛みが走ったのか男の言葉は途切れた。院生はその姿をみかねて「もう夜です。きょうは帰れないでしょうからここに泊まってください」と言った。 「正気か?」 男は信じられないと言った表情で院生を見つめた。 「はい。外も寒いですしね」 院生は窓の外を見るように部屋の方を振り返った。カーテンの隙間から見える外は暗い。すると男は無言のまま院生の横を通って部屋へと戻った。部屋の隅っこまで行くと、そこで何も言わず腰をおろしてそのままうつむいた。院生はそれをみてほっとした。 その晩はLサイズのピザをとってふたりで食べた。男はあまり手をつけなかったが、それでも何切れかは食べていた。 零時を周り、寝る時間となった。男は座っていた場所でそのまま寝ようとした。院生は毛布を一枚貸した。電気を消し、眠気が深まってきたときだった。男は突然、院生に尋ねた。 「お前、なんで弁護士になりたいんだ?」 「そうですね、やっぱり困って弱ってる人を助けたいからでしょうか」 「俺を助けたのも、それが理由か?」 「はい」 「そうか」 「ところで、あなたはなぜあんなところにいたのですか? けがはなぜしたんですか?」 院生の問いに、男は何も答えなかった。寝てしまったらしい。院生もそのまま目を閉じ眠った。 朝。うめき声が聞こえ、院生は飛び起きた。男の顔を見ると汗が吹き出していた。痛みが増したようだ。どうしようと思っていると、「おい」と男が声をかけてきた。 「寝る前の質問に答えてなかったな。俺はなずっと盗みをはたらいてきた。きのうも、民家に侵入して金を奪おうとしてたんだ」 院生はなにも言わず、男の目をじっと見た。男も院生から視線をはずさなかった。 「だれもいない時間を狙ったはずだが、なぜか住人がいてな。外まで逃げたが捕まって揉み合いになって、階段から落ちた」 「それでけがしたんですね」 「そうだ。ダサいよな」 痛み止めを渡すと男は一気に飲み込んだ。 「警察、行きましょう。逮捕されますが治療は受けられるはずです」 男はすっかり観念していたのか、院生の言葉に何度もうなずいていた。 男は警察に行く前にシャバで最後の飯を食いたいと言った。何が食べたいか聞くと「牛丼」と答えたので、近くにある牛丼屋で弁当を買ってきた。痛み止めがいくらか効いているのか、男の顔はおだやかだった。 特盛の牛丼を食べながら、男がぼそりとつぶやいた。 「俺もこれで最後。人生終わりだな」 それを聞いた院生は首を横に振った。 「なに言ってるんですか? 生きてる限りいくらでもやり直しは出来ますよ」 「バカ言うな」 「ほんとうですよ」 院生のやけに自信に満ちた言い方に男は思わず顔をほころばせた。 「……そうか、お前がそういうならそうなんだろうな」 その顔はとてもうれしそうだった。
- karai
KOUBOのトップページ。 たぶん真夜中にピックアップ公募が更新されました。 【第5回自分史コンテスト】 幻冬舎ルネッサンス 5/31締め切り 400字×10枚以上 上限なし 数か月前に書いたものが、はまりそうです。出す先もないままに書いていましたが、ようやくはまりそうな公募。 高校生から大学生時代、初めての大人の恋の思い出。 54枚、18400字。 40年も前の恋の話など、どう受け止められるかわからないけれど、私にとってはかけがえのない思い出。結果はともかく、出してみようかと思います。もう書きあがっているので、あとひと月半かけて、磨いてみます。 出す前にこんなこと書くのはどうかと思うけれど、もしダメだったら、エブリスタデビュー作にしようかなと思います。
- ゆうぞう
望月滋斗さんの凄さにおののいています。(笑) 実はきのうコロナ感染をしていたことが判明しました。泣く。 発熱もなく、軽い風邪の状態だったんですけど。 かずんどさんの情報から、望月滋斗さんが、大学生であり、今回30作応募したこと、そして去年も一昨年も、2作二次審査を突破していること、それを知り、驚愕しました。おそらく毎年30作投稿しているのでしょう。 しかも、Xをやっているというのでフォローすると、エブリスタまでやっていて、入選しているのです。 実は、私はコロナを発症した日に、(笑)、エブリスタで初めて「優秀作品」に選ばれて、舞い上がっていたんですけど、熱が冷めました。 望月さんが一年間の創作する作品の数を想像すると、恐ろしい数になるでしょうね。反省して、「小説でもどうぞ」で落ち続けても、文句を言ってはいけない、と謙虚な気持ちになりました。
- 遊字 麹
こんにちは😃 はじめまして、遊字 麹といいます。 現在大学生で、小説家志望です! ちょこちょこ書くときのメモなどを残してたりします!
- 公募ガイド編集部員マミ
Kouboメルマガvol.158「大人になっても気づきはたくさん」 こんにちは。 公募ガイド編集部のマミです。 突然ですがみなさん、 誰かの家にお呼ばれして、そろそろ帰ろうかなというとき何と言いますか? わたしは何も考えずにいつも通り 「さあてそろそろいってみようかな」と言ったんです。 そしたら「え? どこに行くの?」と言われびっくり! 標準語では「いってみる=帰る」という意味にはならないんですね。 それでは突然ですが、ここで私が方言だと気づき、 衝撃を受けた栃木弁ベスト3をご紹介します。 第3位 『おばんです』 夜の挨拶の際に使います。 相手に対して「今日も一日お疲れ様」という 思いやりの気持ちが込められているそうです。 一度「おぼんです」と聞き間違えられ、 「今はお彼岸ですよ」と言われたことがあります。 第2位 『よばれる』 誰かからおすそ分けしてもらった食べ物を食べるときや、 誰かにご飯をご馳走になったときに使います。 「お腹いっぱいよばれたわ~」と言うと だいたいこの人はなにを言っているんだ? という顔をされます。 第1位 『らいさま』 この時期多い雷のことです。 栃木は雷が多い地域なので、 畏怖の念をこめて呼ばれているのでしょう。 某茨城出身の芸人と混同されるのを防ぐのに とっても便利なのでぜひ使ってみてくださいね。 大学生時代に、今まで自分が普通に使っていた言葉が 方言だと気づかされることがよくあり、 「社会人になったらさすがに方言が口をついて出ることはないだろう」 と高を括っていたのですが……。 う~ん実はまだまだたくさん方言デッキを 隠し持っているのかもしれません。 「方言萌え」なんて言葉もあるように、 自分たちにしかわからない言葉は 実は創作のヒントになったりするのかも……? 日本語って本当に奥が深いです。 ささいな日常の出来事から アイデアが思い浮かぶこともきっとあるはず! それでは暑さにまけず、 公募・創作ライフを楽しんでいきましょう~! ――INDEX――――――――― (1)メルマガ企画 編集部マミの三行日記 (2)PR 松山市主催 「第20回坊っちゃん文学賞」受付中! (3)告知 Koubo連載 神田澪の「カキダシフォトコン」 第1回結果発表 (4)気になる公募5選! 編集部マミが超主観で選ぶ 最近の気になるコンテスト ――お知らせ――――――――― 【「公募ガイド2023年夏号」好評発売中!】 ◎特集「公募の表と裏」 応募時に最低限抑えるべき規定や 正しい書式などの「表」。 反対に審査時のチェック項目や、 審査員の本音などの「裏」。 公募のあらゆる面を知ることが 目標達成の近道かも? 公募ガイド独自情報を 大放出しちゃいます! 特集スペシャルインタビューは 爆笑問題の太田光さんと 直木賞マニアの川口則弘さんの爆笑対談! 「笑って人類!」を上梓した太田さんの 直木賞受賞の可能性について 熱く討論していただきました。 ◎連載 ・新連載「中村航のプロットだけ大賞」 ・せきしろの自由律俳句添削 ・W選考委員版小説でもどうぞ 第5回選考会 高橋源一郎さん×門井慶喜さん 第6回募集開始 高橋源一郎さん×凪良ゆうさん https://koubo.jp/magazine/latest ■Twitter:@kouboguide ■Instagram:@kouboguide_mama 雑誌、WEB、SNSのご意見、ご感想、 創作にまつわる疑問は下記まで。 club@koubo.co.jp ////////////////////////////////// メルマガ企画 編集部マミの三行日記 ////////////////////////////////// ①最近辛かったこと、悲しかったこと、恥ずかしかったこと(創作に限らず) ②最近楽しかったこと、嬉しかったこと(創作に限らず) ③今考えている公募や創作の目標 の順でみなさまの投稿内容をご紹介します。 【ベスト回答】 ☆ ①大学院入試に落ちて、進路が定まらなくなってしまったこと。 ②それでも今日あったいいことをnoteに書いて投稿すると、 読者に励まされる。 ③卒業と同時に作家になれるように、 スキマ時間を利用し、 全身全霊で公募や創作に取り組み、 最優秀賞をもぎ取ってやる。 修行僧一休(東京都/26歳) 悔しさをバネに、絶対作家になってやるという 強い意思をひしひしと感じます。 かっこいいです。 私も大学の推薦入試に落ちた経験があるのですが、 悲しさが悔しさと怒りに代わり、 「落とした教授をぎゃふんと言わせてやる!」 ぐらいの気持ちで無心で励み、 結果無事合格することができました。 イチローさんの言葉を借りれば、 『努力は夢中には敵わない』 ですね。 【次点回答】 ☆ ①眠入りを早めても、 朝の目覚めが悪く、 気分が悪くて辛い、です ②公募ガイドの、 白ヤギ黒ヤギ、 見て心休まる ③手紙という、シリーズの、 立体物絵画を製作中 (ヤギ繋がりでもあります) 佐谷香(東京都/36歳) 公募ガイドのヤギは、 ヒルモ(白ヤギ)・ヨルモ(黒ヤギ) と言います! 実はあのSuicaペンギンでおなじみ、 坂崎千春さんにデザインしていただいたキャラクターなんです。 立体物絵画、作るの楽しいですよね。 私は飛び出すカードを作るのが好きです。 ☆ ①足腰の脆弱が徐々に進み、 健常者と同等の歩調合せが難しく、 気分がなんとなく落ち込んでくる今日この頃、 イヤになります… ②先週のこと、電車乗車で吊革にぶら下がっていたところ、 学生さん風の若人が「どうぞ…」と 席をかわってくれた温かい心に 謝意を呈したことです。 僕が「杖」を持っていたのに気づかれたんでしょう… ③さてさて、こんな時どうする? という場面に出くわした時の 知恵袋サイトがあればいいなぁ…と、 常々、思っています。 オストアンデル(京都府/57歳) 電車の席を譲ってもらったことを 「最近嬉しかったこと」で書く人が 結構いらっしゃいます。 大抵の疑問は某知恵袋サイトに載っていると思っているのですが、 ほとんどの人が経験しない壁に 直面したときは自力でなんとかするしかありませんよね。 「秋号特集のデザインどうしよう……」とか(苦笑)。 ■―――――――――― 次回の投稿企画は 編集部(友)の第5回「とったるぞ、●●賞!」を お届けします。 賞を目指すみなさんが実践している、 「アイデアの出し方」です。 ぜひみなさんが実践しているor参考にしている アイデアの出し方を教えてください。 ↓詳細はこちら https://koubo.jp/contest/196978 ////////////////////////////////// [PR] 松山市主催 「第20回坊っちゃん文学賞」受付中! ////////////////////////////////// アイデアとそれを生かした印象的な結末のある ショートショートの応募をお待ちしています。 文字数は4,000字以内。テーマは問いません。 あなたの想像力を作品に生かしてください。 締切:9月30日 賞金:大賞50万円 https://bocchan-shortshort-matsuyama.jp/ //////////////////////////////////////// Koubo連載 神田澪の「カキダシフォトコン」 第1回結果発表 //////////////////////////////////////// 「140字の物語」でおなじみの神田澪が出すお題にそって 写真を募集するという、小説×写真の新感覚フォトコン! 第1回お題「あの日のことを思い出した。」の 結果が発表されました。 最優秀賞作品のタイトルは 「変わらない玄関」。 1枚の写真から神田さんが紡いだ、 140字の小説をぜひご覧ください。 第2回「旅に出ることにした」も 作品大募集中です! お題は小説の書き出し一行目。 一文から物語を自分なりに考え、 その物語を予感させるような一枚を撮影してください。 神田先生が審査を行い、 最優秀賞と優秀賞作品には 写真から受けたインスピレーションをもとに 話の続きをつけていただけます! 締切は8月25日(金)。 自分のスマホのなかにある1枚でもOKです。 まだの方はお急ぎください! ↓詳細はこちら https://koubo.jp/article/18547 (第1回結果発表) https://koubo.jp/article/18085(第2回募集ページ) //////////////////////////////////////// 気になる公募5選! 編集部マミが超主観で選ぶ 最近の気になるコンテスト //////////////////////////////////////// 「これ、私が名付け親なんだ」と 人生に1度は言ってみたいとは思いませんか? スキマ時間にサクッと考えて応募できる、 ネーミング公募を集めてみました。 締切が近いものもあるのでご注意を! ここに掲載したもののほかにも、 Kouboの「公募を探す」から、 「ネーミング・標語」を選び、 「検索条件を修正」を選択。 「サブカテゴリ」で「ネーミング」を押すと 絞り込んで検索ができます。 県立高校の愛称募集はレア! ◆香川県立高等技術学校の愛称募集【8月31日〆】 https://koubo.jp/contest/177445 「世界三大奇勝」にも数えられる、福井を代表する名勝です。 ◆東尋坊の隠れ恐竜愛称募集キャンペーン【8月31日〆】 https://koubo.jp/contest/189197 命名者ではなく、抽選で20名にQUOカードが当たるのがうれしい! ◆いしかわ鉄道公式マスコットキャラクターの愛称公募【9月6日〆】 https://koubo.jp/contest/196247 大豆イソフラボンを与えると、うなぎがメスになりやすいそうです。 なんだか美容にもよさそう。 ◆愛知県うなぎのブランド名とブランドマーク募集【9月15日〆】 https://koubo.jp/contest/196203 ネーミングで10万円はアツい! ◆志賀町が整備するアーバンスポーツ施設のネーミング(愛称)を募集【9月29日〆】 https://koubo.jp/contest/193087 #メルマガバックナンバー
- 公募ガイド編集部(友)
Kouboメルマガvol.156「笑われない場所」 こんにちは。 公募ガイド編集部の(友)です。 暑さと湿度極まる今日この頃、 みなさまいかがお過ごしでしょうか? わたしはメントール系アイテムを使いまくり 何とか乗り切る所存です。 今回のメルマガ企画では、 みなさんが創作や公募に取り組むようになった 「きっかけはこの作品」を募集しました。 きっかけエピソードでもOK。 ということで、私のエピソードを少し。 中学生当時(いまもですが)、 クラスで注目されるようなタイプではまったくなく、 仲のいい何人かと教室の片隅で 地味な日々を送っていました。 そんなある日。 「意見発表会」という、 テーマ自由で作文を書き、 選ばれた人は公民館で発表する、 という学校全体で行うイベント(?)がありました。 部活をさぼってたのしかったことを書いたところ、 なんとクラスの代表に選ばれました。 三者面談で担任教諭がそのときのことを持ち出して 「将来は作家かな?」と言いました。 衝撃的でした。 それまでは、「小説家になりたい」なんて 誰かに言ったら馬鹿にされ、笑われると思っていたのです。 何者かになりたいと言っても笑われないどころか、 大人がそんなことをスルッと当たり前に言うことに 衝撃を受け、感激し、私はそのまま素直に なりたいものを目指す大人になりました。 自分が切に望むことや好きなものを 笑われることって、とても悲しいですよね。 今でも笑われそうな場所では 素直に自分を出せないことがたくさんあります。 公募ガイドが、 たくさんの何者かになりたい人にとって 安心して自分のままでいられる場所に なっていたらうれしいです。 では、今回はこの辺で。 みなさま、今日も明日もあさっても、 素敵な公募・創作ライフを~!! ――INDEX――――――――― (1)メルマガ企画 編集部(友)の「とったるぞ、●●賞!」 (2)告知 季刊公募ガイド連載 「今日からコピーライター」 最終回 ikoru「焚き火でチャイ」募集結果発表! (3)告知 Koubo連載 ネットの海で物語る ーある介護士が小説家デビューするまで (4)告知 新連載記念インタビュー 「プロットだけ大賞」 中村航 (5)気になる公募5選! 編集部(友)が選ぶ 最近の気になるコンテスト 番外編vol.2 ――お知らせ――――――――― 【「公募ガイド2023年夏号」7/7発売!】 ◎特集「公募の表と裏」 応募時に最低限抑えるべき規定や 正しい書式などの「表」。 反対に審査時のチェック項目や、 審査員の本音などの「裏」。 公募のあらゆる面を知ることが 目標達成の近道かも? 公募ガイド独自情報を 大放出しちゃいます! 特集スペシャルインタビューは 爆笑問題の太田光さんと 直木賞マニアの川口則弘さんの爆笑対談! 「笑って人類!」を上梓した太田さんの 直木賞受賞の可能性について 熱く討論していただきました。 ◎連載 ・新連載「中村航のプロットだけ大賞」 ・せきしろの自由律俳句添削 ・W選考委員版小説でもどうぞ 第5回選考会 高橋源一郎さん×門井慶喜さん 第6回募集開始 高橋源一郎さん×凪良ゆうさん https://koubo.jp/magazine/latest ■Twitter:@kouboguide ■Instagram:@kouboguide_mama 雑誌、WEB、SNSのご意見、ご感想、 創作にまつわる疑問は下記まで。 club@koubo.co.jp ////////////////////////////////// Kouboメルマガ投稿企画 編集部(友)の「とったるぞ、●●賞!」 ////////////////////////////////// 第4回となる今回は、 賞を目指しているみなさんが 創作や公募へ情熱を燃やすきっかけとなった 作品や作家、エピソードなどを募集しました。 【ベスト回答】 ☆ 大学生の時、たまたま見た掲示板に童話の募集がありました。 その時はふーんで終わったのですが、 後になって友達から賞金が高いことを教えられ、 ちょっとやってみようかなとなりました。 いろいろ考えて作り、応募したら佳作に入りました。 しかも、図書カード5000円をもらいました。 これが私を勘違いさせ、もしかしたら才能があるのでは、 と思い込みました。 これが私の創作の始まりでした。 途中何もしない時期もありましたが、 ここまで頑張れたのはあの経験だと思っています。 やまやま(岐阜県/55歳) ちょっとやってみようかな、で佳作に入れるのは すごいです……!! 人生のときどきで情熱を思い出させてくれる 経験があるのって素敵です。 【次点回答】 ☆ 埼玉文学賞を獲りたい。 数年前惜しくも短歌で準賞だった。 そのとき励ましやアドバイスをしてくださった先生たちに また授賞式でお会いして、あのときのお礼が言いたい。 成長した(かどうかはわからないが)姿を見てもらいたい。 今年こそは頑張るゾ。 大野美波(埼玉県/36歳) こちらも受賞経験のエピソード。 「授賞式」は、 とても心に鮮烈に残る体験だという話を 私も聞いたことがあります。 ベスト回答のやまやまさんもですが、 思い出だけに留めない強い思いがある時点で、 成長しないわけがない、という気がします。 応援しています!! ■―――――――――― 次回の投稿企画は 編集部エビスの大喜利(第5回)です。 お題は 「この海の家、海とか夏が大嫌いな人が経営しているんだろうな……」 どうしてそう思った? ベストな投稿をいただいた方には ちょっとした粗品を進呈します。 ↓詳細はこちら https://koubo.jp/contest/190188 //////////////////////////////////////// 季刊公募ガイド連載 「今日からコピーライター」 最終回 ikoru「焚き火でチャイ」募集結果発表! //////////////////////////////////////// ものづくりを頑張る企業とタイアップする本企画。 今回が最終回となりました。 先日発売した季刊公募ガイド夏号で発表した、 第6回(最終回)の結果をKouboでも公開しました。 雑誌では、最優秀賞のみ ikoruの松浦俊宏さんに コメントをいただいていましたが、 本ページではすべての入賞作品への コメントを掲載しています。 ↓詳細はこちら https://koubo.jp/article/16010 //////////////////////////////////////// Koubo連載 ネットの海で物語る ーある介護士が小説家デビューするまで //////////////////////////////////////// 介護士を辞め、小説を書き始めて2年半にして書籍化デビュー。 挑戦した公募・コンテストは100を超える。 小説投稿サイトを主戦場に創作活動を展開する蜂賀三月が語る、 小説家としてデビューするまでの軌跡。 インターネットの世界に転がるチャンスをどうやってものにするのか。 このエッセイを読めば、そのヒントが見つけられるかも? 現在、第2回まで公開中! ※原則隔週水曜に更新します。 ↓詳細はこちら https://koubo.jp/article/16039 //////////////////////////////////////// 「プロットだけ大賞」 中村航 新連載記念インタビュー //////////////////////////////////////// 小説のみならず児童小説や作詞など、幅広い分野で 活躍する中村航さん選 「プロットだけ大賞」がスタート! 公募ガイド夏号では「書き方」を教えることについて、 中村さんにお話ししていただきました。 WEBでは、誌面に入りきらなかったインタビューを公開中! ↓詳細はこちら https://koubo.jp/article/16666 //////////////////////////////////////// 気になる公募5選! 編集部(友)が選ぶ 最近の気になるコンテスト 番外編vol.2 //////////////////////////////////////// 編集部(友)が最近「えっ、気になる……!」となった コンテストを5つご紹介するこのコーナー。 今回は番外編vol.2ということで、 Kouboに掲載している記事の中から オススメをいくつかご紹介したいと思います。 モチベーションが下がってる人必見! 前回のメルマガ企画で投稿いただいた作品も紹介しています。 ◆【Pickup!】創作魂に火をつけろ! https://koubo.jp/article/16765 先週、受賞作が発表されましたね! どんな歴史を持つ賞なのかを深掘り。 ◆【Pickup!】芥川賞・直木賞 作家志望者必読! https://koubo.jp/article/17360 もう観た人も、まだの人も。 公募で生き方と向き合ってみよう。 ◆【テーマ別公募】君たちはどう生きるか 「人生」を考える公募 https://koubo.jp/article/17295 漫画家を目指すあたなへ。 実は出版社発のコンテストだけではない! ◆【テーマ別公募】意外と穴場! ご当地漫画賞9選 https://koubo.jp/article/16237 最近暑すぎませんか? 最後まで読んだ人だけが味わえる寒さがここにある。 ◆【テーマ別公募】キミヲ待ッてイル…怪談公募… https://koubo.jp/article/16090 ほかにも公募をたのしむ記事を公開中! ぜひKouboトップにある「記事を読む」から すてきな公募に出会ってくださいね。 https://koubo.jp/article #メルマガバックナンバー
- 公募ガイド編集部員マミ
Kouboメルマガvol.149「しゃんとせねば」 公募ガイド編集部のマミです。 季刊公募ガイド2023年春号が先々週の7日に 発売されましたね。 みなさまもう読んでいただけましたでしょうか。 「日本語」というかなり大きなくくりでの 特集でしたので、かなり読みごたえがあったのではないかと思います。 (↓下記から見どころを読むことができます。 https://koubo.jp/article/14358) 私自身理解していたようで、実は全然認識違いだった! ということが取材中や下調べ中に何度もありました。 でも、日本語に限らず言語って 難しそうに見えて実はとても自由なんだなと 取材を通して感じることができたのが 今回わたしが得た大きな学びです。 もちろん誤読や誤用とされるものはあるけれど、 それを「変化」として捉えることができる。 日本語はオノマトペが豊富だとされているが、 それ以上にたくさんある国も存在する。 まるで大学生のような学びですよね。 全く知らない分野の勉強をし 取材をして、それを世に出すという 「公募ガイド」編集部ならではの楽しみを 入社2年目にして改めて感じることができました。 ついこの間入社したつもりだったのに あわただしく日々を過ごすうちに なんと新卒の子たちが入社してきました。 フレッシュさとやる気に満ち溢れた表情を見ていると 「自分ももっと精進せねば!」と 背筋がしゃんとします。 もしかしたら新卒の子たちが メルマガをお届けする日も近いかもしれません。 新体制でぐんぐん成長していくつもりですので、 今後とも「季刊公募ガイド」、「Koubo」、「公募メルマガ」をどうぞよろしくお願いいたします! 最後に残念なお知らせですが、来週の配信は ゴールデンウイーク休業につきお休みです。 次の配信は5月9日(火)です。 みなさん首を長くして待っていてくださいね! 春の訪れを感じる気持ちい季節。 長いお休みもあることですし、 創作・公募ライフを存分に充実させていきましょう~! ――INDEX――――――――― (1)Kouboメルマガ投稿企画 編集部マミの三行日記 (2)告知 Koubo新連載 氏くんの空想リプ 初回作品募集中! (3)告知 Koubo連載 W選考委員版「小説でもどうぞ」 第4回「老い」選考会&結果発表 (4)気になる公募5選! 編集部マミが超主観で選ぶ 最近の気になるコンテスト ――お知らせ――――――――― 【「公募ガイド2023年春号」発売中!】 ◎特集「日本語『読む・遊ぶ・使う』」 わたしたちが普段何気なく使用している日本語。 当たり前にありすぎて気づけない、 使い方や魅力がまだまだたくさん。 さまざまな視点から、日本語を 読んで・遊んで・使い倒していこう。 辞書編纂者の飯間浩明さんや 日本語検定委員会審議委員の上田まりえさん、 言語学博士の川原繁人さんの3人に それぞれの専門分野から 日本語の変化や特性などについて伺いました。 ◎連載 ・佐渡島庸平さん「創作お悩み相談」最終回 ・W選考委員版「小説でもどうぞ」 第4回選考会 高橋源一郎さん×井上荒野さん 第5回募集開始 高橋源一郎さん×門井慶喜さん ・新連載「せきしろの自由律俳句添削」、ほか https://koubo.jp/magazine/latest ■Twitter:@kouboguide ■Instagram:@kouboguide_mama 雑誌、WEB、SNSのご意見、ご感想、 創作にまつわる疑問は下記まで。 club@koubo.co.jp ////////////////////////////////// Kouboメルマガ投稿企画 編集部マミの三行日記 ////////////////////////////////// ①最近辛かったこと、悲しかったこと、恥ずかしかったこと(創作に限らず) ②最近楽しかったこと、嬉しかったこと(創作に限らず) ③今考えている公募や創作の目標 の順でみなさまの投稿内容をご紹介します。 【ベスト回答】 ☆ ①新しい職場も3ヵ月、 自分の良さを明るくて、 おおらかなとこがいいところですよね^^と言われ、 そうさせているのは、貴方ですよと言いたかった。 ②転職して3ヵ月、年度末で打ち切りありから、 再雇用契約が決まった。 ③賞金金額が少なくて、 公募レベルが高くない物をコツコツこなして、 公募する習慣を身に付けていきたい。 キユロヒ(栃木県/64歳) 1つ目の回答にハートを射抜かれました。 「そういうところですよ……!」と 思わず少女漫画のようなセリフを言ってしまいそうです。 新しい職場で働くなかでも、 自分のペースで頑張ろうとする 春らしいイキイキしたキユロヒさんの気持ち、 とても素敵です。 【次点回答】 ☆ ①通っていた中学校が大島てる(事故物件紹介サイト)に載っていた。 ②中学以外は載ってなかった。 ③今まで色々講座や本で学んだことを実践する。 文芸の(幽霊ではなく)神様が舞い降りてくるように。 Kojihan2385(東京都/34歳) 三行続けて読むと話がつながっているという 今までにない斬新な回答でした! オチまでついていてすごいです。 ☆ ①パートで長年働いているが、 去年入った会社でボーナスがでた。 やったーと喜んでいたら。たまたま社員さんのボーナスの金額をみる羽目に、 私の5倍もらっていてがっくりしてしまいました。 身分が違うとわかっていても、 金額で表されると、ずっしり実感しました。 ②あるコンテストの金賞を受賞できたこと。 ますます懸賞に熱がはいりました。 金額としては、大したことはないと思うのですが、 それ以上に自分の考えが認められ自信にもなります。 ③今投稿できているのは、 実際に自分が体験したエピソードを書いているだけ。 これを少し想像も入れてアレンジできるように工夫してゆきたいです。 ゆくゆくは空想や創造で、 小説を書いて投稿できるまでにしてゆきたいです。 これからの30年計画です。 これからのライフワークにしていきたいです。 あきりん(群馬県/53歳) たくさん思いをつづってくださり、 思わず読みふけってしまいました。 「これからの30年計画」 いいですね。 趣味は人生に彩りを与えてくれるのを 再確認させてくれるような回答でした。 今回は春ということもあり、人との別れの 話題が多く見られました。 寂しさや悲しさをこの三行日記に書くことで 少しでも紛らせることができたら幸いです。 ■―――――――――― 次回の投稿企画は 編集部(友)の第2回「とったるぞ、●●賞!」 をお届けします。 お題は「創作や公募へのやる気が出なくなってしまったとき、 どんな方法でやる気を取り戻していますか?」。 ベストな投稿をいただいた方には ちょっとした粗品を進呈します。 ↓詳細はこちら https://koubo.jp/contest/176564 //////////////////////////////////////// Koubo新連載 氏くんの空想リプ 初回作品募集中! //////////////////////////////////////// 【お題】「竹やぶ焼けた」 →「ツイートしている暇があったら 通報したらどうですか?」 のようにお題のツイートがあったと仮定し、 それに対してイヤ?なリプライをしたもの。 それが「空想リプ」。 氏くんの新コーナー「空想リプ」が始まりました。 クソリプと言えば、見当外れで「クソッ」と言いたくなる返信ですが、 ここでは世の中にある物や言葉に対して 無理やり難癖をつけていただきます。 作例を参考に、的外れながら的を射た絶妙な返しをつぶやいてください! 記念すべき第1回のお題は「 回文」。 上から読んでも下から読んでも同じ文章になる回文を挙げ、 これにクソリプを返してください。 元になる回文は、お好きなものでかまいません。 WEBフォームから応募。 またはTwitterでハッシュタグ 「#回文にクソリプ」をつけ 元の文章とクソリプをツイートしてください。 締切は4月30日です。 ↓詳細はこちら https://koubo.jp/article/14125 //////////////////////////////////////// Koubo連載 W選考委員版「小説でもどうぞ」 第4回「老い」選考会&結果発表 //////////////////////////////////////// 高橋源一郎さんとゲスト選考委員の方が W選考委員版「小説でもどうぞ」入賞作への 感想を交互に言い合い、採点するコーナー。 第4回ゲスト選考委員は 直木賞作家の井上荒野さんです。 採点時の目の付けどころや、 評価の仕方がインタビュー形式で載っており 小説を書く人必見の内容となっております。 現在第5回をお題「魔法」で募集中です。 ゲスト選考委員は直木賞作家の門井慶喜先生。 締切は5月9日です。 奮ってご応募ください! ↓詳細はこちら https://koubo.jp/article/14059 //////////////////////////////////////// おすすめ公募5選! 編集部マミが超主観で選ぶ 最近の気になるコンテスト //////////////////////////////////////// 公募情報を見ているときに 思わずココロオドってしまった5つの コンテストを紹介します。 ちなみにわたしの出身地宇都宮の駅前オブジェ「餃子像」は 吊り上げ作業中に落下し真っ二つに割れたり、 前後の向きを間違えて置かれたりしています。 ◆安田瓦オブジェの名称を募集【4月30日〆】 https://koubo.jp/contest/175895 自分のデザインが公共のものに使用されるって誇らしいですよね。 ◆坂出市公共下水道マンホールふたデザイン募集【7月6日〆】 https://koubo.jp/contest/176239 あの文芸ムックから新しい文芸誌が出ます! ◆第一回 あたらよ文学賞【7月31日〆】 https://koubo.jp/contest/172663 原作者に審査してもらえるなんて、オタク冥利につきます。 ◆第3回ULTRAMAN SUIT プラモデルコンテスト【8月31日〆】 https://koubo.jp/contest/175662 昔宇宙飛行士になるのが夢でした。 身長の関係でそのときは諦めましたが、 条件が改訂された今なら応募できるのは夢がありますね! ◆2023年 宇宙エンタメコンテスト「宇宙川柳」【11月30日〆】 https://koubo.jp/contest/113528 #メルマガバックナンバー
- 浅田邦裕
<本日の特選公募> 「ぜったい毎日!」と思ってたけど、ほぼ日に修正させていただきますm(__)m ○第34回東京学生映画祭 コンペティション作品募集 https://koubo.jp/contest/172377 TOHOシネマズ、京都国際と並ぶ三大学生映画祭。応募資格は完成時に監督が学生であること。社会人学生もいいのかな? ○年賀本舗 2024年度 辰年(たつどし)年賀状デザイン募集 https://koubo.jp/contest/171775 年明けたばっかりだと思っていたのに、もう来年の年賀状デザイン。公募の世界が前倒しなのはわかってるけど、もう少し兎年を楽しみたい。 ○子どもの好き嫌いを減らすあなたの家の“作戦”教えてください! https://koubo.jp/contest/172699 小さい頃、おばあちゃんの家で飼っていた鶏を「落とす」のを見て、怖くて鳥が食べられなかったことがあります。それってどういうきっかけて食べれるようになったんだろう?